怒らないでとお願いしよう
取扱説明書
結婚式の余興では、新婦の取扱説明書というものがよくあるそうですね。
○○ちゃんの旦那さまへ!
強い衝撃を加えますと口をきかなくなり、家事を一切行わなくなる可能性がありますので、優しく丁寧にお取り扱い下さい。
ユーモアに包みながら、やんわりと本人の特徴、弱みをフォローしてくれるようにお願いする友人からの心のこもったメッセージですね。美しき友情です。
自分の取扱説明書
これを自分で言ったら何を甘えているのか!?と怒られそうですが、何を隠そう私はそれを転職活動の面接でやりました。それが「怒らないで下さい」というもの。
子供か!?と突っ込みたくなる気持ちもおありでしょうが、その理由も聞いていただければ。
なぜ怒られたくないのか
当たり前ですが、怒られると凹むんですね。誰でも凹むものだと思いますが、尋常じゃなく凹みます。「あ〜あ、やる気なくすなぁ」どころではありません。怒ってきた相手と正常な人間関係が続けられないと思い詰めるくらいに凹みます。
「そこまで気に病むことはないよ」と、慰めの声をかけてきてくれる人もいるでしょうが、まったく無意味です。自分でどんどん穴を掘って中に潜っていき、外界からの情報をシャットアウト。
我ながら面倒臭い奴だと思いますが、とにかくこう考える傾向は、今の所変えられない、止められないのです。
これは、自分のポリシーとして、自分の直すべきところは徹底的に見つけ出して叩き直してこそ真の成長があり、それこそが唯一のあるべき道であると信じて疑わなかったことに由来します。
趣味の楽器でこのやり方が通じた(=上達していった)こともあり、自信を持っていました。しかし、いざ社会に出たらてんで通じず、逆に自分を痛めつけるだけの毒以外の何物でもなくなってしまいました。
今でもその自動思考回路は自分の中で復活の時を虎視眈々と狙っており、そのきっかけを与えるのが「怒られること」なんですね。だから「怒られたくない」と言わざるを得ないわけです。
恥を忍んでお願い
今の会社の社長面接で「何かお願いとか、要望とかありますか?」と聞かれた時に「ええと、そのう、、、お、怒らないで下さい、、、」と言いました。
元々障害者枠での採用ということで、例えば「一度にたくさんの依頼をしない」「長時間仕事をさせない」とかは想定していたことでしょう。社長も面食らったのではないかと思います。
幸せなことに、社長や上司はそれをちゃんと守ってくれています。本当にありがたいことです。恥を忍んだ甲斐がありました。
そういったことに理解がある人に当たっただけなのかもしれません。ただ、試しに言ってみるのは悪くないと思います。「自分は怒られると数分から数十分思考が止まってしまうんです」と切り出して、真面目に、切実に話せば、分かってくれるかもしれません。
その代わり、やるべきことはきちんとこなすということとトレードオフでいくという、ある意味足枷がついてしまいますが、私にとっては、タスク管理でちゃんと仕事をこなすということをして恩返しをしているつもりです。つもり、だけかもしれませんが、今のところ割と上手くいっています。
もしかしたら、この恥を忍べることもタスク管理を推進できている要因なのかもしれません。
怒られたくない自分を受容(恥を忍んで告白)する→タスク管理がススム→怒られたくない自分をもっと受容(自信が持てる)する→なお一層タスク管理がススム→(リピート)
こんな感じなのかもしれないなと思いました。