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「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

優先順位、つけられるかつけられないか問題

優先順位つけても数分後には別のことをしている!
私はタスク管理ツールとは別に、1日の予定表を作っています。始業の8時から30分ごとに区切った、ごくごく簡単な表です。株式会社ワーク・ライフバランスという、働き方改革コンサルティングをやっている会社が顧客に行なっている「朝メール・夜メール」というもののパク…もといリスペクト、オマージュです。

 

予定表と言いつつ、立てた予定通り進むことはほぼ無いですね。その時の気持ちで別のことをしようと思ったり、もっと大事なことがあると判明したり、割り込みタスクが入ったりという理由で、優先順位は時々刻々と変わります。数分前に立てた予定が変わってしまうなんてことは当たり前です。

月次報告書を作成しているときに、手を止め、立ち上がって体を伸ばし、コーヒーを淹れに行ったとしよう。その行動をしようと決めた瞬間にも、あなたはリソースの再配分を行なっている。理論的には、1日のうちに5万回以上、そのような優先順位の判断をしていることも考えられる(ある人が計算したところによると、私たちは毎日それだけの異なる思考をしているそうだ)。
(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 実践編」より)

 

優先順位に対する2つの姿勢
大別して、予定通りに進め割り込みタスクは翌日以降にまわすという方法と、割り込みを都度反映させて優先順位を変え続けるという方法があります。

 

今日予定していること以外は今日行わないと決めるのも、優先順位のつけ方としてはアリです。その一方で、割り込みタスクが発生して、何にも優先してそのタスクを完了させなければいけないときもありますね。

 

私は、後者寄りで仕事を進めています。「寄り」と書いたのは、all-or-nothingではないからです。タスクの性質によって、問答無用で実行を明日以降に回すものもあれば、「すぐ終わる」「1時間後までに必要と突然言われた。しかも社長から」といったものは「いや、明日っスよ」などとは言ってられないです。

 

優先順位はつけられるのか
究極的には「つけられない」が答えだと思います。死ぬときにやっと「ああ、これをやっておくべきだった」と分かる、という話もあります。どうせ100%正しい優先順位はつけることができないのだと思いつつ、その時その時で自分が考える最適な選択をするしかないという哲学的な答えになってしまいました。

 

優先順位を付ける覚悟

業務タスクを全て把握するようになってから、優先順位を付けるという行為の怖さを実感しています。なぜなら、最優先タスクを決めるということは、それ以外のタスクを全て先送りするという判断に他ならないからです。今、このタスクに取り組んで良いという強い確信・覚悟が無ければ、おいそれと優先順位というものはつけられるものではありません。

 

ボヤキ入ってしまいますが、優先順位を付けるという言葉を軽く使う場面が多いと感じています。その前にやるべきことはやっているのか。自分が抱えているタスク全部を把握して、終わらせるまでの手順がどのくらいあるのか、締切はいつか、などを見極めてはじめて優先順位付けはできるものだと考えています。そこまで分かっていれば、おいそれと「優先順位付けて頑張りまっス!」などと言えないはずだと、つい思ってしまいます。

 

余談・哲学的なそれに対応するシステムとは?
世の中には数多のタスク管理ツールがあります。私が作ったツールには、タスクごとに優先順位を付けて並べ替える機能はありません。作ったときは自覚していませんでしたが、優先順位は(究極的には)つけられないことを無意識的に感じていたのだと思います。

 

その場その場で臨機応変・当意即妙に優先順位が変化するような機能がなければ、ツールとしては優先順位付けの機能は無くても良いと考えます。どんなタスクがあるかリマインドしてくれる、今自分はこのタスクだけに向き合っていれば良いと教えてくれるだけで良いように思います。