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ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

「マルチタスク」に気を付けて!

マルチタスクの幻想

「わが社は、最低限度の人数で、1人が何役かをこなす『マルチタスク』ができなければならない!」などと言い出す経営者はいそうですね。もしかして、デキる人は同時に複数の作業ができると思っていやしないかと。

 

1人の人が法務や労務を兼任するという組織体制をとることは(良し悪しの判断は別として)可能ですが、1人の人間が同時に2つ以上の行動をすることはできません。マルチタスクを「同時に2つ以上の行動を行うこと」というのであれば、マルチタスクは不可能と言い切ることができます。

 

じゃあ、よく電話しながら部下にコピーの指示を出す上司なんかいるじゃないか、なんて話が出るかと思いますが、あれもまた幻想です。もしくは、指示を間違うか電話の内容が把握できなくなるか、とにかくそれぞれの行動の正確性が著しく落ちます。2つやっているように見えて、実は2つともやれていないのです。

 

料理はマルチタスク「類似」

「30分で6品作る凄腕料理スキル!」みたいなコーナーがテレビであります。これはマルチタスクかというとそうではありません。30分という単位で考えれば、同時に6品作ったと言えますが、ある料理の下ごしらえをレンジで温める間に別の料理のために食材をざく切りして、切り終わったら鍋の中に入れて茹でて、3品目のドレッシングを作っているうちに1品目の下ごしらえがレンジで温め終わって、という感じに、各段取りをものすごい速さで渡り歩くシングルタスクの連続になっているのが実際の話でしょう。

 

マルチタスク「類似」の仕組み

これは仕事にも流用できまして、A,B,Cという3つの業務タスクがあったとして、それぞれ1,2,3という段取りがあったとします。

 

A1→B1→C1→B2→C2→A2→A3→C3→B3という風に、各段取りを1個ずつこなしていき、最終的にはほぼ近い時間にABC全ての業務タスクが完了する、というのが、マルチタスク「類似」の仕組みです。

 

仕組みの管理は頭では無理

これが料理の達人レベルにもなると頭の中で処理できるんでしょうけど、普通に仕事をやる上では、頭の中で全部の段取りを覚えておいて、あちこちのタスクの段取りを渡り歩く、なんてことは無理です。できる!という人は止めませんが、火傷を負うことになると思います。全ての仕事の段取り1つ1つを正確に記憶している人はいません。

 

ここで、タスク管理をする重要性という話になってきます。つまり、全てのタスクを書き出して、それぞれのタスクを細分化して書きとめて、どのタスクがどの段階まで完了したのかを明確にしておく、という役割をタスク管理ツールに任せれば、記憶という曖昧な情報管理手段に頼ることなく、安心してマルチタスク類似の仕事術が可能になるわけです。

 

逆に言うと、こうでもしないと効率的に仕事を進めることは不可能と言うこともできます。

 

一般には、マルチタスクはとても素晴らしいこと、優秀な人は普通にできていることのように受け取られています。しかし、それは幻想だと思います。優秀な人がやっているのは、むしろマルチタスクが不可能であることを理解し、マルチタスク類似のやり方で仕事をこなしている、というのが実情ではないでしょうか。

 

ところで、そうやって効率化することが本当に良いのか?効率化が最終的な目的なのか?という話もあるのですが、それはまた別の機会に。