ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

「先読み」「根回し」

先を読む

私の友人で、ある状況を想定して現在の判断を下すのがうまい人がいました。先読みができる、ということですね。

 

アマチュアオーケストラで同じパート内のローテーション(どの曲を誰が担当するかの割り振り)を決めるという話になって、私は自分の希望を言うだけでしたが、彼はパート内の誰がどういう曲が好みで、今までのローテーションで、いわゆるソロがあったりする「美味しい」のを担当していたかどうか、今後のことも踏まえて今はきっとこのパートで希望を出してくるだろうとか、多岐にわたる判断材料を駆使しては、最適なローテーション、つまりパート構成員からなるべく不満が出ないローテーションを考え出すことができていました。

 

そんな難しいことできません!

そんな彼の思考を説明されるにつけ、私はなんて自分は浅はかなのかと頭を抱えておりました。

 

頑張ればできる、というレベルではありませんでした。手をもう2本生やせと言われているようなものでした。

 

彼はローテーションを考える際、私と一緒にいる時には、その思考を実況してくれていました。その速さについていけない部分も多々ありましたが、聞いていてわかることは、きちんと要素に分けて1つ1つ答えを出して考えを進めていたことでした。

 

果たせるかな、その彼は私と違い、大学院を卒業してからもそのまま順風満帆な人生を送り、公私ともに充実した生活を謳歌しています。比べて私はなんと駄目なことか、と何度自分を呪ったか分かりません。

 

それが・・・

あれから10数年経ち、いつの間にか私もこの「先読み」ができるようになっていることに気が付きました。「この仕事がここまできたら、きっとこの人からこんな話がくるかもしれないから、あらかじめ根回ししておこう」といった具合。しかもそれが無理なく自然にできていたのです。

 

タスク管理の2つの効能

なぜ「先読み」だの「根回し」だのができるようになったのか。これは、GTDのおかげに他なりません。

 

タスクが発生したら、それを書きとめることで明確化し、複数の段取りが必要であればそれらに分解する、これをやることで「先読み」「根回し」が可能になりました。

 

特にタスクの分解をすることで、1つ目の段取りが終わった時に、この仕事はどうなっているか想像することが簡単になります。すると、それに関して、周囲の人がどう考え、行動するかがより分かるようになり、その対策を打つことができます。

 

さらに、そういったタスクの収集や分解の思考の過程や結果を頭の外に追い出すことで、自分の脳を解放することができ、その分を周囲の状況判断に回すことができます。結果、誰がどう考えるとか、こういったことが派生して起こってくるとか考えられるようになります。

 

タスクの分解とストレスフリー

つまり、タスク管理の重要な要素である「タスクの分解」、そしてタスク管理によりもたらされる「ストレスフリー」あるいはGTDで言われている「水のように澄みきった心」が、自分を「先読み」「根回し」できるようにしてくれた、ということになります。

 

それにしても・・・

考えてみれば、紆余曲折を経て私が手に入れたこの状態、大学時代の友人は20歳程度で達していたのですね。そりゃ出世するわけだ・・・。