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「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

業務外として始業前に「仕事の整理」をするという考え方の危うさ

始業時間には仕事を始められるように、始業前に出社し、その日やるべき仕事の整理を「仕事の準備」としてやっておく

 

この考え方に違和感ありませんか?

 

私にはあります。その準備のために始業時間より30分早くデスクにつかないといけないといった話にモヤモヤ感があります。

 

早く出社したくないというわけではなく、仕事の準備は仕事のうちに入らないという感覚がおかしいのではないかと思うのです。

 

 

仕事の準備は仕事

GTDでは、「③仕事を明確にする」も仕事だと説明しています。この考え方でいくと、仕事の準備もれっきとした仕事ということになります。

 

この考え方はとてもしっくりきます。メールを見てタスク管理ツールに「把握」し「見極め」て「整理」する、いわゆるGTDの第1〜第3ステップをすることは、対価性のある業務であるということです。

 

仕事の準備は業務外と捉えてしまうと…?

逆に、仕事の準備は業務開始前に終わらせるべきオマケのようなものと考えるとどうなるか。

 

新たな仕事が発生しても、目につくもの手当たり次第やっていくことが良しとされ、いったん立ち止まって自分が抱えている業務タスクの整理をすることは「仕事をしていない」という評価になってしまいかねません。

 

その結果、タスク管理がなおざりになり、抜け漏れや段取り不足が発生するトリガーになってしまいます。

 

仕事の整理は始業前に業務外として済ませるべきで、始業してからが本当の仕事である、という考え方には、このような弊害が生じる恐れがあります。

 

最後に

上記の認識があると、冒頭の違和感を覚えるようになります。たくさんのタスクをさばく立場にいる人は、この違和感を持てるようになっておくと良いのではないかと思います。

 

たくさんのタスクが同時並行で走っている状況で必要になるのは、自分が千手観音になることではなく、あくまで二本の手で、目の前のタスク群を整理するタスク管理スキルを持つことです。

 

冒頭の違和感を持たない人は千手観音になろうとする人で、違和感を持てる人はタスク管理スキルを習得して立ち向かおうとする人です。どちらが現実的かは、自明ですね。