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「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

自分にとってタスク管理とは

自分にとってタスク管理とは

いきなり大きなお題ですが、某所でいただいたお題で、私もそんなに真正面から取り組んだものではないので、ここはひとつ考えてみようかと思います。

 

タスクシュート式の生みの親、タスク管理界隈では知らぬ人はいない大橋悦夫さんによる記事にはこう定義されています。

 

「タスク」とは

タスクとは、次のいずれかです。

1.他者から課された仕事
2.自ら自分に課した仕事

つまり、課される仕事がタスクです。

(大橋悦夫「シゴトが楽しくなる!エンジニアのための時間活用術!
タスク管理とは(1)」より)

 


「管理」とは

1.現在の自分の仕事を知る(どんな作業があるのか?)
2.本来の目的に沿って取捨選択をする
(不要な作業はどれか?)
3.得られた成果を評価する
(ビフォー・アフターを見比べる=2は正しかったか?)

(大橋悦夫「シゴトが楽しくなる!エンジニアのための時間活用術!
タスク管理とは(2)」より)

 つまりは、教えられたやり方をそのままやり続けているのでは「タスク管理」をしていることにはならないということになります。


私も、タスク管理の定義はその通りだと思います。そんなタスク管理は、私にとってどのようなものなのか。

 

「私にとってのタスク管理」とは

以上を踏まえて、自分にとってタスク管理ってどんなものだったのか?と考えてみました。すると、今現在考えられるのは以下のような感じになります。

 

安心感を与えてくれる心強い味方
自分の特性そのままでも、やり方次第で仕事の遂行を可能にしてくれる心強い味方です。それによって精神的な安定を常に保つことができる源にもなりました。

 

自分の特性は、仕事をやる上での抜け漏れ忘れ、段取り下手の原因となっていました。しかし、タスク管理"GTD"の方法論を実践することで自分の陥りがちな抜け漏れ忘れを防ぎ、仕事の目的とそこまでの具体的な手順を考えることで段取り下手をカバーできるようになりました。

 

自信を取り戻すきっかけ

そのことから、成功体験を積み重ることができ、自分を責めないようになり、自信を取り戻すきっかけになりました。

 

GTDで仕事をするようになって、仕事に対する気持ちや行動がガラッと変わりました。その変化は、発達障害の特性を持つ私には、社会でやっていくのにとても役立つものばかりです。

 

同じように苦しんでいる方々、諦めるのは早いです。個人差はあるでしょうが、試してみる価値はあると思います。是非ご一緒に。

 

机の上の書類の山は、自分の記憶を圧迫する

机の上の書類の山

机の上が未処理の書類でいっぱいの人は、無視してへっちゃらなふりをしていても、実はとても気になっています。自分が引き受けた(押し付けられた、もあり得ますが)仕事でまだ未完了のものを、未着手のままにしているのが明確に視覚化されているので、これ以上のリマインドはありません。

 

無意識的に机の上の書類の山が脳内で大きな負荷になり、つい「ちょっとこれよろしく」といった頼まれごとをやるのを忘れるとか、メールで依頼があった案件に対応できずにいることが多いような気がします。つまり「机の上に積まれていない仕事」を仕事と認識する余裕が少なくなってしまうということです。

 

しかも、その山の中には確実に何らかの地雷が埋まっているという確信があるので、時間が過ぎれば過ぎるほど手を付けにくくなるのです。物理的に倒れてくるという弊害もありますが、それよりも、ふとした瞬間にその山の中から2~3か月前に提出しておかなければいけなかった書類が出てきた日には、生きた心地がしませんでした。

 

公共機関に出さなければいけない書類を出さずにいて、ついにその機関の担当者から烈火のごとく怒った電話が会社にかかってきたことがありました。あいにく、その時私は長期休暇中。私の部下(ああ情けない、部下ですよ部下)がその尻拭いにあたってくれました。そして休暇中の私に上司から怒りの入電です。当たり前ですね。自業自得です。そんな出来事を引き起こす地雷が、書類の山には埋まっているのです。怖いですね、怖いですね。

 

えー、何の話をしたかったかと言うと、物理的に書類のような形で分かる仕事は、否応なしに仕事として把握できるのですが、口頭やメールでの依頼の仕事だと、はっきりそうと分かる形に残しておく必要があるということです。あとで仕事として認識できなくなる恐れがあるので、その時に目の前に別の仕事の書類の山があったりすると、口頭やメールでの仕事は瞬時に記憶から消え去ってしまうので、抜け漏れの温床になってしまうのです。

 

仕事を定義する

視覚化されていない、把握しづらい状態の「仕事」をパッとつかみ、仕事として定義することが今は必須のスキルになっています。 

今日、職場に来てただ机の上に並べてあるものを処理すればいいのだと思っている人がいるとしたら、その人はもはや存在しない古き良き世界を望んでいるのにすぎない。(中略)

片付けなければならない仕事とは具体的に何なのか、どうすれば片付けることができるのかを、知的パワーを活用して考える習慣が身につくように、つねに自分を訓練していかなければならない。

(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 仕事と人生をコントロールする52の法則」)

「知的パワーを活用して考える」とは、潜在している仕事を顕在化させて把握し、その目的とそれに至る具体的な個々のアクションを作り出すということです。言い換えれば、これが「仕事を定義する」ということかと思っています。

 

まずは、仕事の依頼がきたら、指示の書類を渡される形であっても、口頭でも、メールでも、「ここが仕事をためておくところ」という場所(ノートでも、棚でも、エクセルでも良いです)に置くことで、自分の記憶の対象から外すことが大切だと考えています。でないと、それらが机の上の書類の山、あるいは未読メールの山となって脳内に巣食ってしまうことになります。それは非常に危ない、辛いことですので、是非とも「知的パワーを活用」して、脳内から外へ、仕事についての情報を追い出すことをお勧めします。

タスク管理は「現状打破」「現状維持」どちらも通用する

何にでも通用するタスク管理

タスク管理界の巨人、佐々木正悟さんのブログに以下の話がありました。 

そもそもタスク管理というものについて、自分はいろんなことを長時間かけてしゃべりたいと思っているわけですが、それはなぜかと言うと、いろんな問題に対して応用が利くからで、ということはいろんな問題のことをある程度時間をかけてしゃべる必要があるのです。あると思っているのです。

私も同感です。佐々木さんは控えめに書いているのですが、私としては「タスク管理があれば、とりあえず殆どの仕事場で通用する!」と考えております。

 

現状を突破するタスク管理

日常の仕事だけでなく、現状を突破して「夢を叶える」というデッカイことを成し遂げるのにもタスク管理は必要だ!と言っている人もいます。jMatsuzakiさんという方です。SEを辞め、バンドを組んでやっていこうという熱い方です。

jmatsuzaki.com

そんなjMatsuzakiさんと佐々木さんが開催する「夢を叶えるタスク管理マニア」というセミナーがあります。「今の生活に不自由はないが、密かに心に抱く叶えたい夢がある。でも、ちょっと尻込みしてしまい手が出せない」という人は、行ってみると良いんじゃないでしょうか。

nokiba.hatenablog.jp

……なんで私がこのセミナーの宣伝を頼まれもしないのにやっているんでしょうね。しかも、私がやるイベントと同じ日なのに!(笑) 私もよくわからないのですが、書いていて行きがかり上そうなってしまったのです。

 

現状維持を叶えるタスク管理

佐々木さんとjMatsuzakiさんのイベントが現状打破、つまり今の自分にプラスアルファを積んでいくスイッチを入れるものだと思います。対して、私とF太さんがやるこのイベントは、現状維持すらできなくて悩んでいる人に、タスク管理で現状維持、つまり自分が社会で当たり前のように働いていけるヒントをお出しするものです。

www.kokuchpro.com

 

「今日も大事なメールを取引先に出すことを忘れて帰ってしまった」

 

「どうしても手が付けられなくて、本当は今日が締め切りなのに、やらずに先延ばししてしまった」

 

「先に部長に確認してから社長に提出しないといけないのに、部長が今日から一週間出張に行ってしまった。社長への提出期限が明後日なので間に合わない」

 

といった悩みを抱えている方こそ、我々のイベントの参加対象者です。夢を叶えるなんて後、今やらかしてしまっていることをどうにかしたい!という方は、是非我々のイベントにお越し下さい。

 

共通点「タスク管理」

佐々木さん・jMatsuzakiさんのセミナーと我々のセミナー、一見するとかなり性質の違うものですが、タスク管理をテーマにしているということが共通しています。

 

冒頭の佐々木さんのブログのコメント「いろいろな問題に対して応用が利く」からもお分かりの通り、物事を何かに向けて成し遂げていく仕組みがタスク管理の本質であり万事に通じるものなんだと私は思います。

 

現状打破、現状維持、何をするにも、これからますます生産性が注目されてきます。タスク管理は生産性を無理なく上げられる確実な方法論です。仕事場や日常から離れて、第3の場所で新たな視点を得てみるのも、悪くないものです。その場として、こちらのセミナーやイベントの、いかがでしょう?

 

夏風邪にタスク管理

夏風邪をひきました

風邪は1日で治るものと思っていましたが、さすがに齢40ともなると回復には時間がかかるようです。発熱、節々の痛み、頭痛、鼻詰まり、なぜか同時に発生した口内炎、元から発症している四十肩といういくつもの攻撃にあえなく沈没しております。

 

タスク管理の恩恵

いきなり病欠したら、自分のやっていた仕事が地雷化するのではないか、自分がいないことで致命的なトラブルが起こるんじゃないかと思いますよね。「思わない」という人は素晴らしいです。私はそうはなれません。

 

そんな思考傾向があるもので、タスク管理で自分の仕事を把握しておくと、上のように思い悩むことはかなり減ります。これが、私の感じるタスク管理の恩恵です。

 

「より効率的にこなす」だけじゃない

タスク管理は、機械のように「より正確に」「より速く」仕事をこなすことだけが目的ではないと思っています。もちろん、結果的にそのような効果はありますが、それだけを狙ってタスク管理をするのはもったいない。タスク管理メソッド"GTD"では、「水のように澄んだこころ」を目標としています。

 

病気中も「澄んだこころ」で

会社では自分が抜けていることで、周りの人たちに負荷がかかっているであろうことは、残念ながら紛れもない事実です。ただ、「どんな自分の仕事が」「どのように地雷化して(あるいは地雷化しないで)」といったことを把握していると、まだ気持ちの整理はできるというものです。

 

自分の抱えている仕事を把握していないと、誰にどんな迷惑がかかるか、考えるだに恐ろしい!と、どんどん悪い方向に考えてしまいます。少なくとも私はそうです。まだ「この仕事が今日締め切りだったなぁ。そうなるとどうフォローすべきか」と考えられる方が「自分も忘れている案件が、自分が対応しなかったことで炎上してしまって、出社したら『ちょっとキミ、いいかね?』とか呼び出されてこんこんと詰められるのではないか!?」と考えるよりまだましではありませんか。

 

100%澄んだこころでいられることはないかもしれませんが、いったん病気になったら快復に集中すべき時に集中できる状態にはしたいものです。

 

……などと偉そうにブログ書いていないでちゃんと寝なさい!と言われそうですね。

 

 

生産性を上げるって何のこと?

「生産性を上げる」とは?

国が進めている「労働生産性の向上」って、具体的に何だと思いますか?こちらの記事ではその計算式が書いてあります。

www.kaonavi.jp

この記事によれば、次の計算式で生産性を数値化できるのだそうです。

 

労働生産性(千円/人)=付加価値(≒限界利益(粗利益))/社員の平均人数

 

粗利を人数で割っただけでは、これからの労働環境に合わないと思います。「時間あたり」という考え方が抜けています。

 

それと、これは数値化するのがとても難しいのですが、どれだけミスや忘れ、無駄な時間がなかったかも指標になると思います。ただ、「ミスしないようにする」とか「無駄な時間がないようにする」という個人自身の努力や上長の見張りはナンセンス、百害あって一利なしです。当人たちが意識せずとも「ミスなく、無駄なく」労働生産性を発揮できる環境・仕組みづくりをするという方向にしないと、その仕事場は大変居づらくなってしまいます。

 

意識せずに行動できる環境づくり

意識しないでできる行動とは何か。それは言い換えると「習慣」です。習慣化することがイコール環境づくり、仕組みづくりであるというわけです。

 

タスク管理メソッド"GTD"の開祖デビッド・アレンが「生産性を上げる3つの習慣」を著書で記しています。

 

生産性を上げる3つの習慣

①今やっている仕事をなぜやっているのかを考え、次にとるべき具体的な行動を定義しよう(具体的にやっているところを思い浮かべてみよう)

 

②やるべきことをすぐに実行に移さない場合は、それをやり終えたときにどうなっているか、その結果とそれについて起こすべき行動を書き留めておこう。(中略)何もかも頭の中でやるべきだという考えは今すぐ捨ててしまおう。

 

③リマインダーを設定しよう。(中略)ある状況にいるときに、その状況で何ができるかを記したリストを見る必要があるのだ。

(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術  仕事と人生をコントロールする52の法則」)

※太字は筆者による

 大雑把な言い方になりますが、生産性をあげるというのは、自分の記憶に頼ったりせず(どうせ忘れる)、「さて、次どうしよう」と考えあぐねる時間をできるだけ省き(次第に「やりたくない」と自分を誘導してしまう)、「やるべきとき」がきたらサッ!とすぐに取り掛かれるようにやることリストを準備しておく(やるべきときが来たと気が付いた時にはその瞬間を逃している)、ということなのかと。

 

「生産性の向上を!」とか言われると、難しいことをしなければいけないような気がするものですが、身近なところで言うとこんなところが、実は生産性を上げるきっかけになったりします。

仕事の主導権を握る

「仕事に追われる」とは
「仕事には追われるな、仕事を追え」とはよく言われます。別に仕事は逃げていかない(むしろ逃げて消えて欲しいこともありますが)ので、自分と仕事が追いつ追われつの関係になることは、ちょっと想像しづらいですよね。

 

 

うつに有効な、認知行動療法に基づいて製作された「SPARKS(スパークス)」を日本で発売したり、手軽にオンラインカウンセリングが受けられるサービスを提供している「HIKARI LAB(ヒカリ・ラボ)」が発信したツイートです。ここに「仕事に追われる」とは何かという問いに対するヒントがあると思います。

 

仕事をやらされている感
私は「仕事をやらされている感」というキーワードになるのではないかと考えています。「やらされている」から追われている感じがあるような気がするのです。仕事を片付けても片づけても新たな仕事がドンと置かれる。いつまでやればいいのか終わりが分からない。仕事の量の調整が自分以外にあるときはこんな状態ですね。そこには「やらされている感」があり、「仕事に追われている」状態です。

 

仕事を追っている状態
逆に、どれだけの仕事をすれば仕事が終わるのかを把握していれば、仕事の量の調整は自分自身にあり「やらされている感」はなくなりますね。「ここまでやれば終わり!」というゴール地点が見えている状態です。これには「追われている感」は無いですよね。

 

つまり、①どうなったら完了になるのかが明確になっており、②そのためにはどういう手順を踏めば行き着くかが分かっている状態であれば、仕事を追っていると言えるのではないかと思います。

 

仕事の主導権を握ることができるのは、仕事を追えているときだと思います。そのためには上記の①②が必要であり、タスク管理はこの①②がワークフローに取り入れられています。

怠け者も出かけるときは必ずドアを開ける

「リマインダー」の重要性
相当の(あるいは異常な)能力を持っていなければ、ある1つのことをずっと覚えておくことは無理ですね。しかも、それを忘れることで大きく人生が変わるような大きなものでなければ、長期間記憶にとどめておくことは大変難しいです。そこで、忘れそうになったら注意喚起をしてくれる存在「リマインダー」が必要になるのです。

 

外出するときに絶対に忘れない「リマインダー」
例えば会社へ行くときに絶対に忘れたくない物がある場合、リマインダーはどのように設定すべきか。タスク管理メソッド”GTD"の考案者デビッド・アレンは、「自分はすぐに他の物事に気を取られる『怠け者』だから『ドア』に置く」と言っています。

 

正直にいうと私は怠け者である。目の前に何かキラキラとした、面白そうなものが入って来ると、つい気を取られてしまう(あなたはどうだろう?)。

(中略)

そこで私は「やるべきことはドアの前におく」ことを実践することにした。

(中略)

あなたにとってそれらを置いておくべき「ドア」はどこだろうか。この答えは人によって違うだろう。私は、それがなるべく自動的に起こるようにするにはどうすればいいか、ずっと工夫してきている。

(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 仕事と人生をコントロールする52の法則」)

 

 

自分にとっての「ドア」

確かに、外出時にドアの前に置いてあれば、必ず目に入りますね。確実なリマインダーです。しかし、「やるべきこと」は物の形をしているとは限りませんね。そうすると、紙に書き付けておくとかしなければいけません。一方で、かならず通る駅の改札に自分のリマインダーを貼っておくなんてことは、当たり前ですができないですね。

 

私の場合、内勤の事務職ですので、必ずパソコンを開きます。そして、基本的には常にパソコンの画面に向かって仕事をしています。私にとっての「ドア」はパソコンの画面ということです。であれば、パソコンのデスクトップにリマインダーを常駐させておけば、リマインダーとしての機能を十二分に果たしてくれるということになります。

 

それが自分のスマートフォンであればそのスマホ、手帳をよく開くのであれば手帳、といった具合に、自分にとっての「ドア」が何なのかを知るのは、タスク管理をする上でとても大事なことだと考えています。

 

なぜ大事なのかと言うと、タスクを預けるシステム(ツール)の媒体を何にするのか判断する決め手となるからです。私はエクセルがタスク管理ツールですが、人によってはスマホのアプリ、また別の人は手帳と決めることができます。

 

「自分は怠け者なんかじゃない!」とシャッターを閉めるのではなく、自分が怠け者だとして「ドア」はどこだろう?と考えてみるのも、自分をよく知るいい機会であり、自分が続けられるタスク管理のヒントにつながるのではないかと。