ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

仕事中、「これをやっていて良いのか?」という疑念を発生させない

本当に今やるべきか
いくつかやるべきことがあるとき、「これが間違いなく今やるべきことだ」と自信を持てていますでしょうか。始終そういった自信をもって仕事に向かえる人は、とても生産性が高いのではないかと思います。逆に言うと、業務の生産性を下げる要因は、「もしかして自分はこの仕事をやっている場合じゃないかもしれない」と思うことなのだと考えます。

 

思うだけで、作業を続ければいいじゃないかと思うかもしれません。しかし、思考は行動に現れますね。迷いが生じると、必ず行動に反映されます。もしかしたらもっと重要な仕事がメールで送られてきているんじゃないか、忘れていた今日が締切の仕事があったんじゃないかと目移りしてしまうことは「あるある」ではないでしょうか。

 

「これだ!」と自信を持てるとき

そんな目移りから解放され、「自分のやるべきことはこれだ!」と100%の自信を持って取り組めているとき、自分が自分以上の能力を発揮できることがあるんじゃないかと思います。言い換えると「集中」している状態です。

状況をコントロールするとは、つまるところ、物理的なリソースを考慮しつつ、どのような行動を選択していくか、ということだ。その時点でどの行動を選択し、そしてその選択にどれだけ自信が持てるか、ということが重要になってくる。
(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 実践編」より)

タスク管理手法”GTD”の開祖デビッド・アレンは、上のように言っています。つまり、自らが集中できるようにするためには状況をコントロールすることが大事であるということです。逆に言えば、状況をコントロールすれば集中できるようになるということですね。

 

集中状態は「かいしんのいちげき」であってはいけない
タスク管理ツールで「自分がやるべきことはこれだ!」と示されていれば、集中できるわけです。偶然繰り出せる「会心の一撃」ではなく、集中するという状態をタスク管理ツールによって作り出すことで高いパフォーマンスを出そうということです。「可愛いは、作れる」ではありませんが、「これをやっていて良いのか?」という疑念を起こさせないようにすれば集中は意図的に作り出せるものだと思います。

「自分は要領が良くない、と思い込んでいる人のための仕事術」名古屋・京都開催の御礼と今後について

おかげさまで無事終了

一昨日の名古屋、昨日の京都と、私にとっては初めての東京以外での開催を無事終わらせることができました。ご参加いただいた方々、それと事務処理を手伝っていただいたり、必要な機器を貸していただいたり、その他SNS上で見守っていただいたりした方々、本当にありがとうございました。

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今後について

開催御礼をした後すぐに今後についてを書くのもなんですが、せっかくここまで活動を大きくできているので、今後についても語りたくなってしまうもので、お付き合いください。

 

クラウド版タスク管理ツールの活用

まずは、現在開発中のクラウド版タスク管理ツールの拡散とも絡めていきたいと思います。具体的に言うと、今まではエクセルのツールでの説明をしていましたが、クラウド版のタスク管理ツールを前提とした説明をした方が、より多くの方にタスク管理”GTD"を体験し習得していただけるのではないかと考えております。

 

今までは、私が内勤でずっと席にいる就業環境でしたので、それを前提にお話をせざるを得ませんでした。しかし、クラウド版で説明をすることができれば、グッとその幅は広がります。より多くの方にGTDの恩恵を受けてもらえるようになるのではないかと考えています。

 

ちょうど、京都開催の日の朝に、クラウド版の開発をしてくれていたタスク管理仲間でもあるプログラマーのさがさん(‪@sagattosaga )から、クラウド版タスク管理ツールのパイロット版が出来たとの連絡がありました。

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 これが難しい理屈抜きに感覚的に操作できる素晴らしい出来で、早く拡散してユーザーを増やしたいと思っています。

 

「実践編」の定期的な開催

9月に1回、試験開催をしました「自分は要領が良くない、と思い込んでいる人のための仕事術 実践編」、内容をバージョンアップさせて定期的に開催していきたいと考えています。こちらは、極めて具体的なタスク管理の方法論に特化したものを、ワーク多めでやっていく内容にしたいと考えています。幸いにも、ひばちさん(@Evaccaneer)という強力な講師がいらっしゃいますので、これまたGTDで生き辛さを解消してく人を増やせるのではないかと思います。

 

一定人数以上の参加申し込みがあった場所に行きます!企画

完全な思いつきですが、クラウドファンディングで参加申込を募って一定数以上ご要望があったら行ってお話をするとかやってみたいですね。このイベントの本編ではなかなかできない障害者雇用クローズでいくかオープンでいくかという選択についての話や発達障害特性をどのようにサポートできているか実際にタスク管理を仕事でやる際のとても細かい工夫とか、タスク管理ツールの使い方といったものを質疑応答ベースで進行するのをやってみたいです。

 

社会福祉法人SHIPとのコラボ

それと、私が今大変お世話になっている社会福祉法人SHIPがタスク管理について大変理解をしていらっしゃいます。私は発達障害の診断を受けており、その特徴をサポートするものとしてタスク管理を大いに活用しているという話からこのイベントが始まり、それを起点にすべての動きが始まっています。ということは、そもそもつながりがあるわけで、何かコラボできるのではないかと考えています。

 

でも、ぶっちゃけ何が起こるか分からない

現時点で考えられるのはこれくらいですが、何せこの先どうなるか分かりません。昨年の今頃はこんな展開になるなんて予想だにしていませんでした。この先が読めない感も楽しみにしつつ、今後の活動を行っていきたいと思いますので、皆様今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

スルースキルが欲しい

同僚の華麗なるスルースキル

私のメンタルが豆腐過ぎるからかもしれないのですが、同僚のおおらかなスルースキルを羨望の眼差しで見ております。毎週行われる部のミーテイングで、「●●さん、これできた?」と部長から言われて「あ、、ほんっとすいません、できてないッス」「先週も同じこと言っていなかったっけ?」「え、、、あ、、はい、あの、やろうとしたんですけど、ちょっと時間が、、、あ、はい、ほんっとすいません」というやり取りが割と頻繁に見られます。ちなみに、「ッス」と言っていますがこの私の同僚というのは女性です。

 

大事なのはこの後です。この部長からの進捗確認ゾーンを過ぎると、私の同僚はすぐに気持ちを切り替えることができるのか、すぐに談笑できるのです。信じられません。傷ついているのを隠して、心で泣いて顔で笑ってというものかもしれません。しかし、あまりにも気持ちの切り替えっぷりが自然過ぎるのです。本当に羨ましい。

 

スルースキル不足の私

対して私は、ちょっとしたことで「しまった!」と思い、ひどいときにはその日一日中虚ろな目をして過ごします。私の心中は、「なぜこんな失敗をしてしまったんだ。そんな自分は存在価値が無いんじゃないか」というような考えが頭の中をぐるぐると回ります。失敗やミスからのリカバリーが超ド下手なんです。

 

リカバリー下手対策

それでも私なりに対策をしています。タスク管理がとても奏功しています。まずは「失敗やミスの可能性を徹底的に排除する」です。抜け漏れ忘れを回避するため、タスク管理ツールに仕事についての全部の情報を記録して「覚えるという義務をなくすことで『忘れる』というリスクをなくす」という対策をとっています。これはとても有効です。私にとってクリティカルであった「短期記憶の弱さ」をカバーできています。

 

さらに、「その仕事は現在誰がボールを持っているか」をタスク管理ツール上で明確にすることで、良い意味での責任転嫁をするという対策もとっています。責任転嫁というと悪いことのように思えますが、「責任の所在を明らかにする」と言い換えることができます。これは良いことですね。私の傾向としては、自分以外の人や物が原因で、自分が関わっている仕事でトラブルが発生すると、必要以上に自分のせいだと思い込んでしまうというものがあります。そうでないですよ、と自分に思い込ませるために、「自分はボールを持っていない」ということをタスク管理ツールで可視化しています。これまた大変重宝しています。

 

そこまでしてやっと人並みのスルースキル

こういった工夫を経てやっと通常程度のスルースキル、言い換えると開き直れるようになりました。ある意味での自分の不器用さ、要領の悪さに苦笑するばかりです。そんな私に比べて、上司や他部署からミスの指摘を受けても「へっへっへ」と笑ってごまかせるその力を持っているのが私の同僚です。あまり言うと嫌味に聞こえてしまうので言えませんが、心底その境涯に至りたいと思う今日この頃です。

いよいよ名古屋・京都開催!【自分は要領が良くない、と思い込んでいる人のための仕事術】

名古屋・京都の皆様、よろしくお願いします!

昨年9月3日に第1回の「自分は要領が良くない、と思い込んでいる人のための仕事術」を開催してから1年と1か月。それから数えて、今度で通算16回を重ねることができました。しかも、いつも開催している東京を離れ、名古屋と京都での開催となります。また、参加人数もいつもの倍。それでも早いうちに満席となりました。一重に、興味を持って申し込んでいただく方々のお陰です。本当にありがとうございます!

【11月4日(土)名古屋開催】※満席です

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【11月5日(日)京都開催】※満席です

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アンケート読みました

参加申込をしていただいた方々には、参加にあたり事前アンケートに任意でお答えいただいています。全部読ませていただきました。そして、読み進めれば読み進めるほど痛いほど共感します。「優先順位がつけられない」「抜け漏れがある」「ミスをしてしまう」「一度に多くの仕事を抱えて混乱してしまう」、他たくさんありました。そうなんですよね。困りますよね。思い当たる節がたくさんありました。

 

こんな人間のこんな取組はいかがでしょうか

上記のような悩みを抱えた人が一足飛びにイーロン・マスクスティーブ・ジョブズのように大成功を収めるような特効薬を処方することは、残念ながら私にはできません。私がタスク管理をするプロセスで得たものは、超人的な記憶力や類まれな判断力などではないです。このイベントでの話を聞いて、翌日からエリートビジネスマンの仲間入りができるわけではありません。

 

とはいうものの、ではなぜ私がここまで伝えたいと思っているのかは理由があります。タスク管理を繰り返し反復して実践することで、「抜け漏れを減らす」「段取りを組むことへの苦手意識を減らす」ということができたという経験があるからです。そして、タスク管理に関わっている方々の話も聞いてみた結果、おそらく自分だけにとどまらない再現性があるという確信が持てたからです。

 

そんな「タスク管理以前」と「タスク管理のどのような機能が自分の弱みをサポートしてくれるのか」を、あくまで主語を私としてお話したいと思います。

 

 

私がブログやツイッターで表現できることには、正直限りがあると思っています。ブログを書きながら、「ああ、これ目の前に伝えたい相手がいたら、文章に書き起こすなんて面倒臭いことをしないで、直接喋って伝えられるのになぁ」と思うことしきりです。そこは、私の文章表現スキル不足のせいなのですが、声の強弱や高低、身振り手振り、顔の表情、何よりその人がそこにいて喋っているというライブ感に勝る表現力は無いのではないかと個人的に思っています。

 

お申し込みいただいた皆様、会場で直接お会いできるのを心から楽しみにしております。

 

ご参考までに、告知ページの紹介文を以下に転記します。

 

開催までの経緯
生来の不器用で仕事が上手くいかなかった私はタスク管理で変わることができた体験を話したい!と前々から考えておりました。

そんな時に「シゴタノ!」主催の大橋悦夫さんのイベントでF太さんと話す機会があり、実は同じような企画をしたいと思っていたとのこと、衝動的に「やりましょう!」と話していました。

F太さんの「ひらめきメモ」は本にもなり、フォロワー数も複数アカウント合わせて30万(!)。その示唆に富んだ呟きのクオリティの高さは、支持する人の多さがそれを物語っています。人生に対する「気づき」を皆欲しているのでしょうね。

 

私のしくじりっぷり、タスク管理でそんな私がどのように立ち直っていったか。そして、半分聴き手の立場にいるF太さんによる絶妙な問いかけや合いの手が、よりこのイベントの内容を深く濃くしてくれます。

 

このイベントの参加対象

興味ある方全員、ではありますがとりわけ以下のような経験が当てはまる方に是非いらしていただきたいです。

・現在、休職中、あるいは転職検討中で、次の仕事に不安を感じている

・仕事をつい先送りして地雷化させてしまう

どうやったら良いか分からない仕事を前にウンウン唸って時間だけ過ぎていってしまう

抜け漏れ忘れがしょっちゅうある

些細なミスも重大に受け取ってしまったり、他人のミスを自分がこうすれば良かったんだと自分のせいにしようとする

・1つの仕事に集中できず、結果どの仕事もなかなか完結できない

・机の上やパソコンのデスクトップがどうしても整理できない

・上記の悩みを持つ方のご家族、上司、部下

 

このイベントに参加することで得られること

・ダメダメな小鳥遊がタスク管理を取り入れてどんな変化が起こったかが分かり、自分はやっていけるかもしれないという「安心」

・小鳥遊が実践している「タスク管理の具体的な方法論」

・上記に対するF太さんの質問、コメントによる「気づき」「ひらめき」

 

・その他、質問に対してイベント中は常時(≠随時)喜んで全力でお答えします!

タスク管理"GTD"で「言い切る自分」を手に入れる

言い切りたい
仕事の場で意見を求められたり判断を求められるとき、「こうです!」と言い切れる人になりたいと思っていました。今も思っています。

 

意見などを言った相手から「それ本当?」とか「あ、そうなんだね」と言われると、私はつい自分を疑ってしまいがちです。自分の言っていることは本当に自信を持って言えることなのだろうか?と考えてしまうんですね。

 

結果、相手の問いかけに対してひるんでしまう。そうせずに、自分の思ったことや考えたことを堂々と言える自分になりたいと思い続けています。堂々と言い切れるために必要なことは2つあると思っています。

 

1.自分の判断に自信を持つこと
「こうです」と言い切るためには、まず自分の意見や判断に自信が持てるかが大事ですよね。

 

2.間違いを恐れないこと
そしてもう1つ、自分の意見や判断が間違っていることを怖れないというのも大事だと思います。だからと言って放言しっぱなしはNGで、間違っていたときに素直に認めてリカバリーをする覚悟ができているかどうかが、自分の意見などの間違いを恐れないことの本質だと考えます。

 

タスク管理による可視化
「こうです」と言い切るために必要な2つのことは、タスク管理でかなりできるようになりました。

 

自分の判断に自信を持つ仕組み
「タスクの目的の見極め」と「タスクの分解」が有効だと感じています。目的を明確にして書き出すことでブレずに済みます。「それって本当?」という揺さぶりに対してひるんでしまう原因の1つに「もしかして、自分はアサッテの方向を向いて見当違いのことを言っていやしないか」という疑念があります。

 

目的を把握してブレていないということが分かれば自分への疑念は解消できます。目的を言語化してツールに書き出すことが必要なタスク管理"GTD"は、必然的に自分がやるべきタスクの目的を把握することになります。

 

また、目的を達成するためにやる手順も、自分がその時の気分でパッと思いついた行動をしていれば「あれ?こんなことやっていていいんだっけ?」と自信がなくなります。GTDでは、目的を見据えて次の具体的な行動、つまり手順に分解してから実行します。そこには思いつきではなく、落ち着いた環境で事実や論理的な根拠に基づいて考え、自分なりに正しいと信じる手順が記されているので、臆することはなくなります。

 

このように、GTDによる仕組みを実践することで、自分の判断に自信を持つことができます。

 

間違いを恐れない仕組み
とはいえ、いくら自信を持った判断とは言っても、客観的に見たら間違っていることもありますね。そこからのリカバリーがすぐできることは、「間違っても大丈夫」と思うために一役も二役もかっていると思います。

 

GTDでは、定期的にツールを見直して更新することになっています。間違っていたら軌道修正すれば良いという柔軟な考え方が仕組み化されているのです。

 

また、上で書いた「タスクの分解」、これは目的を達成するためにはどのように行動すれば良いかという思考を細かく分けて可視化したものなので「どこを修正すれば良いか」という点を簡単に見つけることができます。

 

「あー、下手こいたー!」と思うと、ほぼ自動的に自分全部を否定してしまうという習性を持っている私には、「あー、タスク管理ツールのここを変えればいいんだ。たったそれだけのことだね!」と、良い意味での責任転嫁ができるようになり、間違うことやミスすることに対する免疫がだいぶつきました。

 

タスク管理は「言い切る自分」を応援します!
タスク管理ツールを使っているだけで、こんな効能もあったなと書きながら思い返しています。単なるエクセルの表が、ここまで自分を後押ししてくれるなんて、やっぱり凄いぞGTD

 

作戦を立てずにアメフトの試合に出場したいですか?

GTDの開祖デビッド・アレンは、著作でこんなことを書いています。

元々スーパーボウルのチームに在籍していた彼は、GTDがアメフトに似ていると言っていた。アメフトでは、フィールドに出てホイッスルが鳴ると、もう考えているヒマはない。試合までの6日間で、しっかり考え、戦略を練り、プランを立てて、準備を整えて、あとは試合で直感的に正しい動きができることを祈るだけだ。そう言われると、確かにプロスポーツでは、選手がほとんどの時間を準備に費やしている。一方、会社や家庭で、1週間のうち1時間でも2時間でもそのように行動を作戦レベルで見直したり考えたりしている人は、ほとんどいない。
(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 実践編」より)

 

準備をおろそかにしていないか。

 

戦略も立てずにグラウンドに出るようなことをしていないか。

 

そして、戦況によって自分はどう動くべきか把握して動いているか。

 

昔から臨機応変という言葉は軽く使われ過ぎだと思っています。きちんとした目的も戦略も立てられてない言い訳として使われていることが多いように感じます。

 

特に、「察する」とか「空気を読む」とか、確実性や具体性に欠ける情報の中で動かなければいけない状況があまり得意ではない自分にとっては、この「臨機応変」という言葉は、あまり印象のいいものではありません。

 

「準備」はタスク管理でいうと、ツールの更新です。仕事が忙しくてタスク管理ツールの更新なんかに手が回らないというのにはあまり危機感を持つことはないと思いますが、実は「作戦も立てずにアメフトの試合に出る」レベルだと考えると良いのではないかと思います。

 

せっかくなので、試合に出るからには勝ちにいきたいものです。準備しないと勝てないので、タスク管理ツールに書き出したり更新したりしてから、タスクに手をつけると良いと思います。

 

いや、私の感覚で言うと、準備しないと「勝てない」ではなく「負ける」ですね。大負けすると大変です。その危機感から、私はタスク管理ツールを更新し続けられているのかもしれません。

行動力は上がらない。ハードルを下げるのみ。

行動力がある人は尋常じゃない体力と度胸があるものだと常々思っていましたが、それだけではないようです。

 

私は昨年あたりから行動力があると言われ始めましたが、体力も無いですし、度胸もせいぜい人並みです。ちなみに、黒光りするGが現れると、情けないことにまったく動けなくなってしまいます。

 

どう考えても、体力と度胸にモノを言わせてブルドーザーのようにガガガッと物事を推し進める、というタイプではありません。

 

では、なぜ行動力があると言われるのか。個人的な経験から言わせていただくと、物事に着手するのが早いのが影響しているのではないかと思われます。これはほぼタスク管理"GTD"のおかげと言えます。GTDでは、「次にとるべき具体的な行動」を明確にすることを重要視しています。これが分かると、何のてらいもなく着手できるんですね。

 

タスク管理"GTD"を実践する前の自分はどうだったか。何か不安だ。モヤモヤが止まらない。この気持ちが常について回っていました。「憑いて」と漢字を当てたいくらいです。

 

なぜか手がつけられない仕事がある(やらなきゃいけないことは分かっているのに!)。先送りしてしまう。だから不安やモヤモヤがあったんですね。

 

なぜかと言うと、すでに上で言っている通り、次に何をするかを具体的に決められていないからです。具体的という言葉を侮るなかれ、具体的って本当に具体的なんです!「え?そんな簡単なこと?」と馬鹿にしてしまうくらい身近で日常的なレベルです。

 

例えば、メールを出す。電話をかける。会議室の場所を予約する。シュレッダーにかける。使わない裏紙を5枚別の場所に置く。簡単!「この紙シュレッダーにかけといて」と言われて「う……ん、ちょっと負荷が高い…」とか思わないですよね。

自分に課した約束、目標や価値観を現実のものにするには結局体を動かさないといけないのだ。何か問題がありそうなときはこのレベルに注意を向けていこう。つまり「次にとるべき行動は何か」と考えるのだ。
(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 実践編」より)

 

どんな難しい仕事上のプロジェクトでも、分解すれば簡単な単一行動の集合。頭では分かっていても、その分解をしようとまで考えている人はそんなに多くないと思われます。

 

正体不明の不安を抱え続けてしまったり、先送りしてしまったりという人は、このことをより強く自分に言い聞かせて、「次にとるべき具体的な行動」へ分解して切り出し、切り出したその「簡単な行動」をやると、不安や先送りの焦りから無縁になることができます。

 

そうして初めて「行動って大事だし、案外踏み出せばやれるものだな」と実感することになります。そう思えれば、行動へのハードルがどんどん低くなっていきます。タスク管理"GTD"が私たちにもたらしてくれることは、自分の行動力を上げることではなく、自分の行動力は上げずにハードルだけ下げてくれること、というのが正しい表現なのかもしれません。