普通じゃない「普通」
徳永英明のhappinessという曲があります。とても好きな曲です。彼の声質や作品の音楽的な面もさることながら、この曲を貫くテーマが好きです。
徳永英明がこの曲で伝えたいことは「普通の大切さ」です。
こんなことを考える端緒になったのはこの呟き。
最近は本当に、話の中に出てくる「普通」のハードルが高過ぎると思う。
— Deep Red Bee(ひばち) (@Evaccaneer) 2016年9月4日
昔であれば、仕事というのは、1時間に何個の車を組立てるか、という簡単な方程式を解けば済むような問題でした。それが今では、殆どの業務タスクが日をまたいだり、複数の人の手を経て完了させるような、複雑な内容になっています。
今日(こんにち)、職場に来てただ机の上に並べてあるものを処理すればいいのだと思っている人がいるとしたら、その人はもはや存在しない古き良き世界を望んでいるのにすぎない。
※()内は小鳥遊による追記
(「ストレスフリーの仕事術 仕事と人生をコントロールする52の法則」より)
「1時間で何台分の車の部品を取り付ければよいか 」という簡単な労働作業ではなく、複雑なタスクを効率よくこなすという、いわば仕事を実行する難易度が上がっているのに、給料の算定基準は変わらず時間当たり何円という状態。
同じ一日当たり8時間の労働時間を過ごすにも、比較にならないほど頭を使わないといけなくなってきているんですね。
言い換えれば、「普通に仕事をする」ことが難しくなってきているとも言えます。
タスク管理は、この「普通」をフツーにこなすための方法論です。昔と比べて格段に難しくなった仕事をフツーにこなして、家に帰って家族と団らんしたりするためのものです。
仕事に対する過去の価値観のままでいる人は結構多く、タスク管理を単なる「ベルトコンベアで運ばれてくる刺身の上にタンポポを上手く乗せる工夫」程度にしか思っていない。
今や私たちの想像する「普通の生活」を実現するのは、非常に難易度が高く、それを助けてくれるタスク管理は、考えている以上に重要で不可欠なものだと私は考えます。
どれだけの人がそれに気が付いているか。
私は、幸か不幸か「普通に憧れる」という経験をしているので、自分なりに気付けていますが、タスク管理の重要性を低くみて、いつの間にか普通が実現できなくなっていくようになる人が、これからもっと増えていくのではないかと思います。
現代の我々の仕事、少なくともデスクワークに関しては、すでに自分の手に余るレベルになっていて、それを仕事としていくには、生活に歪みが出て来がちだということ。これが分かっているかいないかで、生きやすさが全然違ってくるのではないかと思っています。