余計な仕事を生み出すのは思慮深さ。それを生かすのはGTD。
こんなツイートをしました。
「余計な仕事の9割は自分が作り出している」という自己啓発本のタイトルみたいなフレーズが降ってきました。
— 小鳥遊@3/10イベント (@nasiken) 2019年2月20日
9割は言い過ぎかもですが、タスク管理的に深掘りできるテーマですね。
これ、私は妙に実感しているものなんです。
考え過ぎる
考え過ぎるのがその原因なんですね。車の運転をする際には「だろう運転」は危険で、「かもしれない運転」だと安全です。タスク管理で仕事をするときは、逆のことが多いのではないかと思います。
「かもしれない運転」は、最悪の状況をいくつも想定して、それらへの対策をしっかりするという考え方ですね。仕事も、慎重に進めるという意味では、かもしれないと自分に言い聞かせつつやるのが良いときが多いです。
ただ、その慎重さが足かせになってしまうことも多かったと感じます。往々にしてそれは自分がやりたくないタスクであることが多いのです。言い換えると、やらない理由を見つけてしまうということです。
身動きが取れなくなる
やらない理由は、見つけようと思えばいくらでも見つかります。見つけることができてしまいます。「これをやると誰々に迷惑がかかるかもしれない」といったものから「これは今やらなくてもいい」という単なる先延ばしまで、多種多彩な理由が出てきます。
その中に、「あの人はこう言ってくるかもしれないから、あらかじめこの資料を作っておこう」「おそらくこう考える人がいるだろうから、対策を講じておこう」といった予防線を張ることも、かなり多く含まれるのではないかと感じています。特に、役職が上の人に対する忖度が過ぎる組織に顕著だと思います。
そうなると、忖度対応でこんなやりとりが生まれたりします。
「上はきっと〇〇と考えていると思うので、念のためこれも用意しておいて欲しい」
「そのように上は言っていたんですか?」
「いや、そうは言っていないんだけど、念のため」
あうんの呼吸で進められるのは良いと思いますが、そこは確認してから「念のため資料」を作るかどうか判断すべきではないかと思います。
そして、このやりとりは自分の脳内でも繰り広げられることが多いです。「上司はこう言ってくるかもしれない」「周りからこう思われるかもしれない」と、あらゆる場面を想定して、念のため資料のようなものを作る仕事を自分で生んでしまうのです。
結果、自分で生み出した仕事の山にうんざりして、「もう無理ー!」とさじを投げてしまうという経験が、私にはよくありました。
タスク管理で抜け出す
こういったことは、タスク管理を始めてからは随分減りました。なぜかというと、GTDの「見極め」ステップで「そのタスクの目的」を明確にするからです。その目的を達成するために必要なものかを吟味し、「かもしれない」仕事を極力なくします。
その上で必要なものがたくさん残っても、いっぺんにどうにかしようと慌てることなく、1つずつフォーカスして実行していくので、身動きが取れなくなることはそうありません。
GTDの「見極め」そしてそれを可視化する「整理」ステップは、考え過ぎて身動きが取れなくなる自分を、無理せずに仕事が進められるように導いてくれます。
最後に
考え過ぎることは悪いことではありません。むしろ、よく気がつくという意味で良いことだと思います。言い換えれば思慮深さを持っているのです。ただ、それが自分を縛ってしまうことがあります。
思慮深さを保持しつつ、無理なく仕事をこなせるようにするための方策として、タスク管理手法"GTD"は非常に役立つと実感しています。