プロフェッショナル 仕事の流儀 「精神科医・本田秀夫」を観ました。
今さらながら、10月29日に放映されたプロフェッショナル 仕事の流儀「精神科医・本田秀夫」の回を観ました。発達障害当事者を長い間診てきた方です。
ポリシーは「治療しない」。では何をするのかというと「診療」。なるほどと思いました。投薬などでより社会生活を送りやすくなる例もあると思いますが、あえてその方法を採らない人がいてもおかしくはないと思います。
繰り返し出てくる「ゆっくりとゆっくりと、歩こう」というフレーズが印象的でした。何年もかけて傾聴と対話を積み重ねて、相談者が自分なりの道を見つけていくさまは、まさにこのフレーズのとおり。
また、「普通とはなにか」の問いを考え続けているとの本田先生のコメントにも、番組を観ている自分の今までを振り返って考えるところがありました。
本田先生は「凸凹はあってよくて、その凹ではなく凸を伸ばしていこう」といった趣旨の話をされていました。この話は発達障害当事者の支援を話題にする方々の口からよく出てきます。私は、この話の取り扱いにはとても慎重にならなければいけないと考えています。
それは、次の可能性があるからです。
- 長所を認識しないまま、短所を無視して突っ走ろうとしてしまう
- 長所があってそれを認識していても、短所によって長所を発揮するどころではなくなってしまう
私は人前で喋ったり、こうして文章を書くことには抵抗はありませんので、おそらく長所といえると思います。実際、以前の職場ではそれで評価はされていました。
しかし、仕事はそれだけではありません。他の仕事でやらかしてしまう自分に耐えきれず、適応障害を起こしてしまいました。
そこで私は、完全に短所を無視して長所を発揮できる場は少ないのではないかと考えました。番組では発達障害当事者の例として子供が出されていました。子供は社会とどう関わるかの選択の余地がまだ広く残されています(それでも辛いことには変わりませんが)。
注目したいのは、いったん社会に出て、発達障害の特性も影響して仕事がうまくいかなくなってしまう大人です。自分の長所を生かす仕事を選ぼう!といわれても現実的ではないですよね。
実際、私も「人前で話す仕事」「文章を書いて稼ぐ仕事」にすぐ転職できるかというと、なかなかそうはいかなかったと思います。
とはいえ、本田先生の「凸凹はあってよくて、その凹ではなく凸を伸ばしていこう」という話は間違っていないと思います。その上で「社会人は凹の影響が気にならなくなる程度に抑えてから凸を伸ばしていこう」と読み替えなければいけない、と私は思います。
ということで、仕事をスムーズに進めて、自分の凹を手っ取り早くどうにかするのにうってつけなタスク管理は、自分の長所をいかんなく発揮するためにも身につけておいた方が良いスキルだと改めて思いました。
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