ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

自分たちの脳は思っている以上に凄い

私たちの心はある状況下においては、現代の最も優れたコンピュータでも太刀打ちできないくらいの優れた創造性を発揮することがわかっている。ほとんど無限といってもいいくらいのパラメータを同時に考慮しつつも判断を下していく能力には、神がかっているという印象すら覚える。ただし、こうした能力を発揮できるのは、他のことにとらわれずに、1つの問題やプロジェクトに集中したときである。ところが、2つの問題を同時に考えさせると、途端にその能力は失われ、パンクしたようになってしまう。
(デビッド・アレン「ストレスフリーの整理術 実践編」)

脳半端ない!
コンピュータが太刀打ちできないくらいに脳がすぐれていることを、私は楽器を演奏している時に感じます。オーケストラで演奏しているときは、ものすごく多くの情報を視覚と聴覚から取り込んで、それを自分の演奏にフィードバックさせています。しかも0.01秒とかの単位です。

 

演奏が始まるとき、指揮者が手を振り上げます。曲の最初の1拍目の合図です。その振り上げた手の高さ、振りおろすスピード、指揮者の表情、指揮者の一番近くにいるヴァイオリン奏者「コンサートマスター」の弓の動き、他の管楽器奏者の息遣い、それらを一瞬で読み取り、適切な息の量と息を送り出すタイミング、指使い、音量、音の出始めの形を決めます。長く書きましたが、この間1秒足らずです。その結果、間違って「ブー」とか「ポヘッ」とか変な音を出してしまい、後で怒られたりするんですが。

 

このように、オーケストラで演奏する時は、生半可なコンピュータでは処理しきれないことをやっていると思います。脳、凄いです。

 

集中・ゾーン・マインドフルネス
オーケストラで楽器を演奏する機会があると、特に本番は物凄い集中します。モードが変わると言いますか、とにかく他の雑念が消えて頭の中が音楽だけになります。曲が始まる前に指揮者が聴衆へ一礼してオケの方を振り返り、一瞬で聴衆の拍手がひいて静寂になるあの瞬間はとても緊張しますが、どこか快感でゾクゾクするものです。集中する儀式のようなものかもしれません。

 

ある意味「ゾーン」に入った状態なのだと思います。このゾーンというものは、他にやるべきことがあったとしても、それを思い浮かべることを排除することができている状態だと言えると考えます。本番の舞台上で演奏しながら「あ、明日洗濯どうしよう。雨かな。雨だったら乾燥機かけなきゃな。だったら乾燥機OKの服とそうでないもの分けなきゃ」とか考えません。この「ゾーン」が、最近流行りの「マインドフルネス」というものだと思います。

 

集中しても良い環境
このように集中できるのは、意識的にでも無意識的にでも、本番中に洗濯物のことを考えなくても良いと安心しているからだと思います。安心できる環境を作ることがGTDでいう「マジ脳神」には必要です。「安心しなくても頑張れる」はまやかしだと考えています。そうでないと、2つの問題を同時に考える状態になってしまい、脳はパンクしてしまうことになります。