ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

情熱に頼らず、やり抜く力(GRIT)を発揮する

やり抜く力

最近、「やり抜く力(GRIT)」という本が話題になりました。才能や資質よりも、情熱や粘り強さが人生の成功には重要な位置を占めている、すなわち「やり抜く力」が重要だと謳われています。

 

では、情熱や粘り強さがないと何も成し遂げられないのか、というとそうではないというのが持論です。

 

ポイントは、「把握」「優先順位」「合意」の3点です。以前の私の経験を例にお話します。

 

過去の経理伝票探し

以前、自社の過去数年分の経理伝票のうち、ある取引先とのものを探してまとめた経験があります。

 

貧乏くじを引かされたようなものでした。面倒くさい作業が延々と続くので、正直、誰もやりたくない。

 

複数のキャビネットにある、数十冊もファイリングされた書類を一つ一つ見て、該当するものに付せんを貼っていきます。

 

ひとしきり(と言っても数十冊!)見終わったら、付せんが貼られた伝票をコピーして、別の1つのファイルにまとめます。

 

伝票はホチキス留めがされています。物によっては伝票のうち数枚にも重ねてホチキス留めがされています。そのホチキスを全て外し、コピーしてまたホチキスをして、元のファイルへ綴じます。

 

どうですか?読んだだけで嫌になりませんか?

 

まずは把握

自分のやるべき仕事を現在どれだけ抱えているのか。まずはこの把握が必要でした。次にくる優先順位の判断をする土台となるからです。

 

仕事が発生したら入力しているタスク管理ツールをちらりと見て、自分の抱えている仕事の数量を把握。

 

優先順位を決める

その仕事、実は自社にとって大変重要なものでした。他の仕事を放ってでも最優先でやるべきことでしたので、他の仕事の締切までの期間や手順の多さなどから緊急性を確認。小さなルーチンワークを除いて、特に問題なしとなりました。

 

ただ、ここで終わると、独りよがりなだけになってしまいます。そこで、次の「合意」へ。

 

周囲や自分との合意

上司や同僚にも「自分にはこのような仕事が第一優先である。他の仕事への支障はない」と話します。特に上司に伝えることは大事でした。「今自分はこの仕事をしている」ということに自分のボスが理解をしているという安心感があるからです。

 

ここで、一番大事な「自分との合意」を取ります。自分は何をおいてもこの仕事をしていて良いのだという確信を持てるようにします。

 

実は「把握」「優先順位」「周囲と合意」をやってきたのは、全て自分が心から「集中してこれをやっていて良いんだ」と思えるようになるためなんですね。

 

ここまでお膳立てすれば、情熱や粘り強さにとぼしくても、やり抜くことができるかと。作業の面倒臭さは変わりませんが、タスク管理を利用してできるだけやりやすい環境を整えることはできたと、当時を思い出して実感しています。

 

ちなみに、そうして出来上がった経理伝票のまとめは大変役に立ち、大きな自分の成功体験となっています。