ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

「いつも漠然とした不安を抱えている人のためのメンタルマネジメント講座」を行いました。

昨日はこのイベントを行いました。

 

 

私が2年前からやっている「自分は要領が良くない、と思い込んでいる人のための仕事術」というイベントが源流となっております。

 

ちなみに、9/16に第27回を行いますので、ご興味あればお申し込みください。

 

不安がつきまとう毎日

私たちの毎日は不安とどううまくやっていくかの探求の日々だと言っても過言ではないと思います。私は特に仕事での不安が毎日の精神状態に大きな影を落としていました。私の発達障害という特性上、仕事がうまくいかないことが多くなり、不安に押しつぶされて休職を余儀なくされる__そんな経験が二度あります。

 

同じように、仕事上での不安が手かせ足かせとなって、楽しめるものも楽しめないという状態を経験した方は多いのではないでしょうか。

 

不安とどう対峙すれば良いか。精神論ではなく実践的な技術を身に付けるヒントをお話する。このイベントの本旨です。

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不安とは

まず、不安って何だろう?という問いから始まりました。私は、「やりかけの仕事」「解決していない、完了していない見通しの立っていないこと」という答えを。SHIP理事の上田さんは「正体不明のお知らせ」と言っていました。

 

不安の裏には願望あり

不安と願望は表裏一体であり、不安を持つこと自体は否定する必要は無い。ただし、それによって緊張したり逃避行動に出たりして、不安の発生源に満足に取り組めないのは避けるべき。そこで、不安の裏に必ずある願望に注目する。願望を叶えるための行動はどのようなものかを考える。そうすると、気分に囚われてばかりの「気分本位」の状態から、目指すべき到達点をしっかり見据える「目的本位」へと思考が変化していける。

 

願望を、高過ぎない現実的な目的へ

目的本位の思考ができるようになっていったとしても、その目的(願望)が大きすぎると、逆に行動をしないもの。そうなると、気分本位の状態に戻ってしまう。そうならないために、実現可能な願望、現実的な目的を立てることが大事。

 

エクスポージャー

実現可能な願望、現実的な目的を立てたとしても、行動に着手できなければ意味が無い。そこで、気負わずに着手できるくらいにストレスのかからない小さな行動から始め、段々とそのストレス度合を高めていって、最終的な目的を達成するくらいまで自分を慣れさせる。徐々にでもいいので、とにかく触れたくない対象に少しずつ接近することによる慣れを発生させるというのがエクスポージャー法。あるいは「恐怖突入」とも言う。

 

不安の階層表

段々と触れていくこと、その階段状に負荷が増していく接近行動を順に並べたものを不安の階層表という。会社に行くのが恐怖である場合、まずは「スーツを着て家を出る」から始めて「駅に行く」「電車に乗って三駅移動する」「会社の最寄り駅に行く」「会社の社屋にタッチして帰る」「出社する」といった具合。

 

森田療法」と「行動療法」のミックスであり同時に……

この方法論は、1919年に森田正馬博士が発案した森田療法と、行動療法の1つであるエクスポージャーを組み合わせた考え方です。そして、この方法論は、タスク管理”GTD”の手法と共通するところが多いのです。

 

不安を知り、願望としてとらえる

GTDのフロー「タスクの把握

 

願望を現実的な目的として言語化する

GTDのフロー「見極め」の1つ「タスクの目的の明確化

 

目的へ到達するため不安の階層表を用いて恐怖突入を行う

GTDのフロー「見極め」の1つ「タスクの細分化

同じくGTDのフロー「選択(して実行)」

 

講座の内容をざっくり説明すると、以上のようになります。この内容をゆっくりじっくり教えてもらいながら、ワークも行いました。講座の最初に自分の不安として書き出したネガティブな内容が、講座の最後には「達成すべき目的」と「不安の階層表」という、ポジティブなイメージに変換されていくのを、参加者の方々は実感されたのではないかと思います。

最後に

まずは、精神保健福祉士社会福祉士介護福祉士などの福祉系の資格を複数持ち、福祉業界での長年の経験を培い、障害者の就労支援事業を行う社会福祉法人の理事をされている上田さんの圧巻のプレゼン内容に感動を覚えました。モヤモヤとしかとらえていなかった自分の中の不安にどう付き合っていけばよいのか。具体的で、誰にでも再現可能な方法で分かりやすく提示していただきました。

 

さらに、より参加者が内容を理解しやすくしたり、より発想が広がるようなコメントを加えて進行をしていただくF太さんのファシリテーションも相変わらず秀逸でした。

 

不安に苛まれて悩んでいる方にこそ是非聞いてほしい内容だったので、また同じ内容を、もっと大きい会場でやれればなと思いました。