「忙しい」の気持ちよさ対策
GTDなどのタスク管理は、それをやる人を暇にする方向へ導きます。そうしてできた暇な時間を、もっと大事なことに割くためです。
その目的を拒否する考えがあります。
忙しさが楽しくなっている状態は、そのような思考になっています。
本当に自分がやりたいことで自分の時間が満たされているのは良い忙しさなので、今から書こうとしていることとは違います。
本当はやりたくない仕事に時間を取られていると、それがいくらやりたくないものであっても、「自分は今、忙しい」と思うことで満足感を得てしまいます。自分が求められているという快感です。
その満足感はさらに締め切りを破ってしまう自分を正当化してしまうという副作用があります。仕事ができなかった言い訳でつい「ここんとこ忙しくて」と言ってしまうのは、このあらわれだと思います。
忙しくしている自分の頑張りに満足してしまい「その頑張りに免じて許して」と言いたくなる。私がそう言い訳をする時は、殆どがそういった思いがありました。
こうした「忙しさ」の生み出す快感は、組織の中で仕事をする上では、あまり良いものとは言えないのではないかと思います。
また、その忙しさとプレッシャーは表裏一体なので、付き合い方を間違えると、一気にメンタルは襲いかかって来ます。これは何としても避けなければ、身が持ちません。
一時的な忙しさでトランス状態になり、快感物質が体内に出る時はあると思いますが、それはあくまで一時(いっとき)のこととして、正常な状態へ戻る必要があると思います。
そのために必要なのは、自分は今どれだけの仕事を抱えているかを明確にすることです。「忙しい」状態の最中に自分を取り囲んでいた仕事をいったん俯瞰して、自分の位置を冷静に把握する必要があります。
「忙しいことは良いことだ」とよく言われますが、良し悪しなんじゃないかと思っています。