タスク管理が生み出す余裕
2つの余裕
タスク管理が私たちにもたらしてくれる余裕には2つあると私は考えています。1つは時間的余裕。もう1つは精神的余裕です。
特に後者には、ただ単に脳内メモリの使用領域を解放した分新たな情報を記憶させることができる、といった即物的な考え方では説明できない、大きな可能性があると実感しています。
時間的余裕
まずこれは想像しやすいですよね。無駄を省くことで、作業に費やす時間が少なくなります。ある仕事に集中すれば10分で終わるのに、途中で別の仕事で気になることを考えたり、意味もなくメールチェックをしてみたり、傍のスマホの通知に目がいったりしがちです。そんな無駄を省くことができるのがタスク管理の「やるべき具体的な行動をはっきりさせる」というプロセス。これにより、無駄に過ごしていた時間を他のタスクの実行等に充てることができます。
精神的余裕
見落とされがちなのが、タスク管理の生み出す精神的余裕。タスク管理手法の白眉「GTD」の目的は、何も仕事を効率化して速くすることではありません。その先にある「水のように澄みきった心」を手に入れることです。
次のアクションを明確にすることで仕事の最中に余計な迷いごとがなくなり、タスク管理ツールという信頼できるシステムに全てを預けることで仕事から離れた時に仕事の負荷や不安から解放される。その結果水のように澄みきった心になるり、精神的な余裕が生まれます。
精神的余裕によってもたらされるもの
精神的余裕から何が新たに生まれるか。意識高い系のキャッチコピー風になってしまいますが、エキサイティングかつ平穏な日々が生まれるような実感があります。
仕事上の気になること全てを預けることで、PCのメモリを解放したのと同じように、それまで仕事の不安や仕事の情報の記憶することに占拠されていた脳の領域が解放されます。その結果、別のことに脳を使えるようになります。私の実感では、仕事以外の活動により精力的になったり、「もっとこうしたらいいんじゃないか」「こういうことをしたら面白いんじゃないか」「これをしておいたら先々お得だ」といった仕事上のプラスアルファまで考えて行動できるようになった気がします。これは個人的にはかなりエキサイティングです。
なおかつ、「あれができていないけどどうしよう」「あれをするのを忘れていた」「あの仕事の進捗が気になって眠れない」といった不安から解放されると、感情の山谷が緩やかになり、落ち着いて毎日を過ごすことができるようになった感があります。
この2つの、時間的・精神的余裕を得たのは、決して修行僧のような生活をして悟りを開いたといった理由ではなく、タスク管理の方法論をそのまま実行したからだと考えています。