タスク管理の「見通し」をつけるとは?
「タスク管理」と「希望」
タスク管理を実践するということと希望を持つということは、一見すると別世界のような気がします。タスク管理は極めて現実的で、希望はあくまで理想でしかない、といった感じでしょうか。理想と現実の両極端に位置するものだというのが、一般的な捉え方ですよね。
苦悩を突き抜け歓喜ヘ至れ!
ベートーベンの交響曲第5番「運命」は、重々しく悲劇的な短調で始まります。それが、最後の第4楽章では、輝かしく明るい長調になります。この短調から長調という流れは、苦悩にさいなまれるプロセスを経て歓喜の大成功をおさめるというストーリーを形作っています。このストーリーを聴くために、運命を聴くと言っても過言では無いかと思います。
タスク管理も歓喜ヘ至る
タスク管理でも、自分のやるべきことを成し遂げるまでのストーリー「見通し」を作るという点で、タスク終了への希望を見出すことをします。
遅ればせながら、ここで言うタスク管理とは、2000年にデビッド・アレンが提唱した"GTD"という手法を言っています。このGTDで規定されているプロセスのうち「処理」がこれにあたります。自分のやるべきことは何かを明確に「見極め」て、それを実現するための具体的な「段取り」をつけていくという作業です。
見通しをつけるということは希望を持つということ
ということで、タスク管理は完了までの見通しをつけるという点で希望という言葉のイメージに割と近い位置にあるのではないかと思っています。もっと言えば、タスク管理は自分に小さな希望を与え続けてくれる仕組みなのだと言えるかもしれません。
深い闇の中の光
ここで、少し前に世間を賑わせた、とある曲の話をします。
その曲は、ほぼ全編に渡って重く苦しく悲しげな曲想が、時に激しく時に静かに演奏されます。1時間かけてこの曲が辿り着くラスト数分間は、それまでの重く苦しい何かから解放されたような神々しい雰囲気になります。この構成の意図は、深い闇の中にいてこそ分かる少しの光の大切さというものでした。
当時、まだタスク管理も知らず、どのように生きていったら良いのか分からずに苦しんでいた私にとっては、とても心強いエールをくれた曲になりました。タスク管理に完了する希望を見出して自分を実行へと後押ししてもらっているような感じのある今も、この曲に勇気付けられていたことは原点だなと思っています。
佐村河内守という名の冠されたこの交響曲第1番というこの曲は、不幸な経過をたどっていますが、私の中では、騒動を巻き起こしたただのオーケストラ曲という以上の存在です。いつの日か、ほとぼりが冷めたら演奏したいと思っています。
この音楽が示してくれた「見通しをつけることの大事さ」は、タスク管理を実践する段でも変わらず私にとって大事なものになっています。