タスク管理における「過去志向」と「未来志向」(のきばトーク第49回)
のきばトーク第49回拝聴
のきばトーク第49回を聞いています(これを書いている今はまだ途中です)。
※のきばトークとは、タスク管理界の巨人、佐々木正悟さんと倉下忠憲さんによるネットラジオ番組です。
番組中、タスク管理に関する「過去志向」と「未来志向」について言及がありました。
「過去志向」と「未来志向」
私の理解ですと、「過去の経験からそのタスクをするとどのくらいの時間がかかるか、どのような手順で行えば効率よく進むかを明確にして、その通りに実行する」というのが過去志向。過去の経験も参考にしながらも、若干の成長(?)を想定して時間や手順を見積もり実行する」というのが「未来志向」というものです。要は、未来は過去の自分よりも幾分か成長しているという予測の元に計画を立てるかどうかということだと考えています。
過去志向と未来志向の違い
佐々木さんは過去志向であり倉下さんは未来志向だというご本人たちのお話でした。そして、その違いはどこにあるのかを佐々木さんは大きく「自信の有無(あるいは程度)」と説明されていました。
自分は日々成長しており、過去10分かかったタスクは未来においては5分でできるであろう、というのが「自信」があることによる未来志向の思考パターンです。
逆に過去志向は、過去10分かかったから未来においても10分かかるであるという前提に基づいて「この目の前のタスクは10分かかる」という考え方です。
番組中では10人いたら殆どが未来志向であろうという話になっていました。0-100ではなくて、過去志向70%で未来志向が30%である、といった、過去志向と未来志向が入り混じった状態である人が多数であると私は思いました。
未来志向であれ!
以前勤めていた会社で、私と部下ふたりに課された仕事の締め切りの見積もりで上司から怒られたことがありました。過去同様の案件では1か月かかっているから、今回も1か月、もうちょっとバッファをとって1か月と1週間くらいに設定して上司に申告したのです。上司からは「1か月でできたんだから、次は3週間でやるように部下に働きかけないと成長が無いから駄目だ」という内容で注意を受けました。そうやって組織は成長させていくものなのかと思ったものです。
その考え方は正しいです。しかし、また別の正しさもあると思っています。キツキツの締切を設定してグイグイ詰めるのではなく、余裕を持って作業を進めるために少し緩めの締切の設定をするのもまたありなのではないかと今は考えています。当時の会社というか少なくとも私の上司は体育会系の「未来志向100%であれ!」という社風だったんでしょうが、私には合いませんでした(良し悪しではなく、ただ違ったというそれだけの話です)。
どれくらいの割合がよいのか?
私は、未来志向になろうとし過ぎて計画をたてて挫折することを繰り返しておりました。今も油断すると未来志向100%になってしまうので、なるべく過去志向であろうと気を付けています。過去志向60%に未来志向が40%くらいが良いのかなと思います。
過去志向でいくにも過去の記録が必要ですし、未来志向でいくにも何に対処していくのかという「自分が抱えるタスクの洗い出し」が必須です。やらなければならないタスクの洗い出し、そしてそのタスクをこなした記録。これらはタスク管理の根底を支えるものです。もしかしたら、未来志向も過去志向もなく、ただ漫然と手を動かしているだけに近いのが、一番避けるべき状態なのかもしれません。