「気になることを排除する」の効能
世には色々なシステムや仕事術がありますが、ほぼ全てに共通するのが、無駄な行動をなくすということです。
無駄な行動の中で最も無意識で取り除くのが難しいものは「気になることに気を取られ、別のことをしてしまう時間」「あることをやるために集中しなければならないのに、気になることに引っ張られて思考や作業が中断される時間」です。なぜ取り除くのが最も難しいのかというと無意識だから気が付きにくいのです。
先ごろ、私たちのクライアントの中でもとりわけ大きな企業の1つが、GTD導入に向けて一連のプログラムを実施した。(中略)仕事の時間が大幅に短縮されたほか、意思決定、プランニング、創造的思考の質も大きく改善した。このトレーニングを受けた人々は、知的能力そのものは変化していない(ただし、思考は活性化したと感じている)。また、今まで以上に仕事に打ち込むようになったわけでもない。単に、GTDのプロセスの一部である「収集」「見極め」「整理」を導入して、集中を妨げる「気になること」を排除しただけだ。
(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 実践編」より)
GTDは、集中を妨げる「気になること」にとらわれがちな私たちの思考を自由にします。私たちが気にすべきことは全て書き出され、具体的な行動に落とし込まれていくことで頭の中から排除されるので、あれこれ思い悩む必要は無いですよ、とGTDのツールが語りかけてくれます。そうすると、安心して自分は目の前の具体的な行動をただやるのみだと安心し集中してその行動に没頭できます。
気になることをあらかじめ書き出して、それから実際に手をつける。準備と実行を分ける理由はこんなところにあります。