タスク管理による「恐怖突入」
恐怖突入その前に(森田療法の話)
いきなり物騒な言葉ですね。恐怖突入とは、心理療法「森田療法」の中の用語です。森田療法とは、不安や恐れなどからくる神経症への治療法です。
不安を抱えながらも生活の中で、必要な事(なすべきこと)から行動し、建設的に生きるという事を教え、実践させる治療方法です。つまり「あるがまま」という心を育てることによつて神経症をのりこえていくのが、森田療法の主眼です。(上記HPより)
恐怖突入の定義
そして、恐怖突入とは以下のように定義されています。
不安の対象やそこから生じる葛藤、または不安発作などに対する予期恐怖など、神経症者の不安に感じる事をそのまま身をもって正面から対峙させて、克服させる治療方法(上記HPより)
恐怖突入のための「不安階層表」
恐怖突入の定義だけ読むと、高所恐怖症の人にいきなりバンジージャンプさせるようなスパルタ感があります。いきなりはステーキだけで十分です。徐々に慣れさせていく手法を採ります。
「軽い恐怖の対象から徐々に最も恐怖する対象へとだんだん訓練し、慣れさせる」(上記HPより)
恐怖度10の事柄は何か。20は、30は、と書き出していき、最後には目的となる最も怖い事柄をクリアする。この階段状に恐怖度を増やしていく表を不安階層表と森田療法では呼んでいます。
怖いと思っていた対象や行動、現象等は一旦、その中に飛び込んでしまえば(=恐怖突入)自然に消え、これまで容易にできなかった事が出来た事に対して大きな喜びを感じ、次第に勇気を増していくのです。(上記HPより)
恐怖度の低い事柄にまずは着手し、段階を追っていくことで自然に恐怖や不安を取り除き、「成し遂げられる自分」という自信を得るのが不安の階層表を作って恐怖突入をする森田療法の目的の1つです。
ちなみに、この記事に書かれていることはあくまで私の解釈の要素が入ることはご承知おき下さい。
タスク管理との共通性
「この仕事やらなきゃなぁ」と思いつつもあれこれ理由を付けて先送りしたくなることがあります。「仕事に真っ向から取り組むことへの不安・恐れ」です。
そんな頭の中にあるやらなきゃいけないことを書き出してそれが何かを明確にすること、これはタスク管理の基礎中の基礎、 GTDのフローでいう「把握」「見極め(の一部)」であり、森田療法的には心の中の不安と対峙することでもあります。
やらなきゃいけない仕事を進めるために、まずは取り掛かりやすい最初の一手「メールを出す」から始めよう。これは、タスク管理ではタスクの分解というGTDの「見極め(の一部)」です。同時に、森田療法での不安階層表の第一ステップでもあります。
こうして、「タスクに着手(タスク管理)」「恐怖突入(森田療法)」できるようになるのです。言い方は違いますが方法論は同じです。
自動的に森田療法を実践!?
つまり、私が何の気なしにやっていた仕事のやり方が、同時に森田療法のようなものも実践していたということになります。知らず恐怖突入を繰り返していたことでしょう。恐怖突入を繰り返せば不安や恐れを克服し自信が増えるとのことですから、仕事は終わるわ自信は湧くわでもうホントごちそうさま状態です。