太陽に向かって走りだしていました
ある光景
「あの太陽に向かって走りだそう!」「はい!」
「アハハハ」
「アハハハ」
光景が思い浮かぶ人、どれぐらいいるでしょうか。青春ドラマでありそうなシーンですね。ただ笑いあいながら走り、ズームアウトして「〜完〜」と表示されて終わるのがよくあるパターンかと。
実際は太陽には着かない
当たり前ですがこれでは太陽に到着しないわけです。ではなぜ太陽に向かって走りだすのか。一緒に走るという行為がしたいだけなんですね。
むしろ、到達してしまってはいけないのだろうと思います。
「あのカフェに向かって走りだそう!」
「アハハハ」
(カランコロンカラ〜ン)
「いらっしゃいませ」
「あ…はい……」
となってしまいます。到着してしまうと一気に気まずくなります。もう走れないからです。
目的の明確化
これが仕事になると話は違います。太陽に向かって走りだす的な仕事のやり方は疲弊するだけです。太陽に到着するという達成できない目標は捨て、カフェに向かうべきです。そして、ただ「カフェ」ではなく「〇〇駅西口の中央通りにあるドトール」といった、特定可能な形に言語化すべきなんです。
実はよくやりがちでした
馬鹿馬鹿しい話を大真面目に書いているのですが、同じようなことを実はよくやってしまっておりました。
「これやっておいて」と言われて「はい!」と元気よく返事をしたはいいものの、一体なんのためにどういうものを作れば良いのかを理解せずに作業に取り掛かってしまう。疑問点が出る。そもそもなんのためにやるのかが分かっていないので自分で軌道修正ができない。
さっき「はい!」と元気よく返事した手前、今さら質問するのも気がひける。手が止まる。こうして先延ばしシチュエーションが完成します。自分で勝手に太陽に向かって走り出してしまって「……ってか、太陽ってどう行ったらいいの?」と言っているのです。
事例をかえただけ
太陽に向かって駆け出して勝手に迷っている例は滑稽に映ります。なぜおかしいのか。それは、筋道が通っていないからです。「おいおい、太陽なんてそもそも行けないですよ」というツッコミが入って終わりです。
しかし、場面を仕事場に置き換えると、なぜかあるあるネタになってしまいます。目的を明確にしないまま会議をしてしまった経験はよくあります。誰もツッコミをせず終わります。会議をするために会議をしていたような気がします。考えればおかしな話です。
タスク管理では、事の大小を問わず、目的を明確にすること__「いつまでに」「何を」「どうする」といったことを決めること__の大事さを口を酸っぱくして言っています。会社で太陽に向かって駆け出さないよう、よくよく気を付けなければと思っています。