GTDは、障害者雇用で企業に求められる「合理的配慮」だ!
一昨日の夜、こんなツイートをしてみました。
障害者雇用促進法36条にある、障害者に対する事業主の「合理的配慮」の指針。
— 小鳥遊@4/8福岡イベント開催 (@nasiken) 2018年3月30日
「精神障害」「発達障害」への合理的配慮の事例に、まんまタスク管理な内容を見つけて興奮しています。
作成した厚労省の方、よく分かっていらっしゃる。https://t.co/Y0Z5h2prZJ
障害者雇用の基礎知識
障害者就労移行支援事業所EXP立川で、「オープン(障害者雇用)、クローズ(一般雇用)どっちなんだいッ!」というタイトルで講座を行いました。午前中が制度の説明、午後が主にディスカッションというもの。
ディスカッションのテーマは、企業が被雇用障害者に対して負う「合理的配慮」義務でした。
障害者が合理的配慮を求めた場合、負担が過重でないときは、必要かつ合理的な配慮をするように努めなければならない。ただし、事業における障害者との関係が分野・業種・場面・状況によって様々であり、求められる配慮の内容・程度も多種多様であることから、合理的配慮の提供については、努力義務とされている。
この「合理的配慮」がなかなか抽象的で扱いづらいんですよ...…。引用にもある通り、「事業における障害者との関係が分野・業種・場面・状況によって様々」であり、「求められる配慮の内容・程度も多種多様」なんですね。
しかも、民間会社であればこの合理的配慮は努力義務とされています。会社にとって負担が大きければやらなくてもいい。ある規模以上の会社は、全従業員の2.2%の人数の障害者の雇用(法定雇用率)が義務付けられています。つまり、従業員1,000人の会社は、22人の障害者を雇う義務があります(ちょうど本日から改正になります。昨日までは2.0%でした)。
法定雇用率に達しない分は、1人あたり5万円の罰金を会社は払う必要があり、なかなか改善しない場合は企業名が公開されます。
「合理的配慮」って何?
そこで、合理的配慮とは何かという話になりますが、先に挙げた通り正直正確な定義付けは難しいです。厚生労働省は、そのために指針を出しています。下記厚生労働省HPの下部にリンクが貼られています。
なお、直リンクはこちら。
この「合理的配慮指針」に、事例としてそれぞれ以下の内容が書いてあることを、EXP立川のスタッフさんから教えてもらいました。
精神障害者への合理的配慮事例
業務の優先順位や目標を明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順を分かりやすく示したマニュアルを作成する等の対応を行うこと。
発達障害者への合理的配慮の事例
業務指示やスケジュールを明確にし、指示を一つずつ出す、作業手順について図等を活用したマニュアルを作成する等の対応を行うこと。
いやもうこれGTDじゃないですか!
つまり、厚生労働省は「障害者雇用を行う会社はGTDを実践するといいよ」と言っているわけです(多少脳内バイアスがかかっていますが)。
厚労省のお役人さんの中にタスク管理マニアがいるのかもしれません。あるいは、仕事を行うときにはGTDのような考え方はどこでも必要なものである、と理解してくれているのかもしれません。
他の就労志望者から抜きんでるために
GTDは企業に求められている。しかし、「じゃあこうやりましょう」とすぐに企業側が提供できるものではありません。
EXP立川での講座では、(おそらく)日本国内の他の就労支援事業所に先駆けてGTDやその他タスク管理に関する講座を開設しています。「この合理的配慮は自分で何とかするんで大丈夫です」なんて面接で言われたら、企業側は心強く思うことでしょう。
より自分がこうありたいと思う環境で就労するためにGTDを習得することは、合理的配慮はどうしたらいいのかという企業側の悩みを汲むという点で、非常に得策だと私は考えます。