日々の記録は、自分への「値踏み」目線をはね返す。
長らくイベントを一緒にやっているF太さんのこのツイート、とても共感しました。
「仕事なんだから」という言葉に最近違和感を感じる。仕事かどうかで自分の態度が変わるのってなんか違う気がする。
— えふ太 (@fta7e) 2019年4月4日
休憩時間は馬鹿話に興じていたのに、業務時間になると途端に態度が変わるのは、オンとオフの使い分けとして当たり前のことと受け取られているように思います。
この、相手を受け入れる目線から、相手を値踏みする目線になってしまうことに違和感を覚えます。
私は、人を値踏みする目線が苦手です。批判的に見られることに対して、それを跳ね返す豪快さは持ち合わせていません。
値踏み目線は自己肯定感の低さとの相性が良くない
発達障害当事者は特に仕事での失敗が多く、それを気にするようになると際限なく自己肯定感を自分で下げてしまいます。
値踏み目線を向けられると、ただでさえ低い自己肯定感をさらに下げることになります。自信を失い、自分の能力が十分発揮できないことにつながりかねません。
会社の人事評価はその典型です。会社にとってはコストは抑える方が良いとされています。人件費はコストと捉える会社が多いので、できるだけその人の行動を低く評価しようという目線になりがちです。
上長から、まるで品定めするように自分の行動を見積もられ、会社に対して価値が提供できていない行動の分、給料やボーナスから差っ引かれます。私の被害妄想が多少入っているのかもしれませんが、批判的に見られることに対して耐性が無いタイプは、共感いただけるのではないかと。
値踏み目線を跳ね返す2つの方法
そんな値踏み目線を跳ね返すことができる方法が2つあります。
- 気にしない
- 自分の実績を可視化しておく
気にしないでいられるならそれが最良です。それができない場合は、自分の実績を可視化しておくと、自己肯定感が削られるのを幾分か食い止めることができるような気がしています。
業務を「やった」ログの存在
過去の実績記録(ログ)をツールに残しておき、これはやったと言えるようにしておくだけでも違います。当たり前ですが、業務をやった記録を可視化しておくと「ちゃんと働いていないんじゃないか?」という目線に対して「いえ、このとおりちゃんとやっています」と言える(実際に口に出すかどうかはともかく)ようになり、自信につながります。
この問いと答えは、何も自分と誰かとのやりとりに限りません。自己肯定感が低い人が一番気を付けなければいけないのは、他人からではなく、自分自身によって自己肯定感を下げてしまうことです。「会社に貢献できているくらい仕事をしているか」と自問するときに「これだけやっている」と自分に対して答えられる状態にしておくことは、とても大切だと感じています。
「どのような手順でやったか」もログに残す
さらに自信をつけるためには、業務タスクを実行した手順もログとして残すと良いです。
ある業務タスクが失敗した(そのタスクが想定したとおりに完了しなかった)場合は、なぜ失敗したかを振り返る必要があります。
そのときに「なぜ失敗したか分からない」だと、「失敗した自分」に焦点を当ててしまい、私は即座に自己全否定に走ります。
そのタスクを実行していく節目節目で、「こう行動した」「その次にこんな行動した」と記録があれば行動に焦点があたります。修正すべきは、自分の人格ではなく行動だと考えることができ、自己否定をしないで済むというわけです。
その行動1つ1つがツールで可視化されていると、精神的にも物理的にも自分から引き離すことができるので、自己関連付け(自分のせいにしがちな)傾向の強いタイプな私でも、自分もしくは他人からの批判的な視線から自分を守ることができるようになりました。
最後に
まとめると、タスクのログを後ろ盾にして自己肯定感をキープするということにつきます。天然で「あー、やっちゃったー」と気にせずにいられる人にはそれでもかないませんが、自分なりに自己肯定感の下げ率はなかり減った実感があります。
タスク管理ツールは、抜け漏れを防ぎ段取り苦手なのを克服するという効果もありますが、自分の自信の積み上げという効果もあると思います。