ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

行動力は上がらない。ハードルを下げるのみ。

行動力がある人は尋常じゃない体力と度胸があるものだと常々思っていましたが、それだけではないようです。

 

私は昨年あたりから行動力があると言われ始めましたが、体力も無いですし、度胸もせいぜい人並みです。ちなみに、黒光りするGが現れると、情けないことにまったく動けなくなってしまいます。

 

どう考えても、体力と度胸にモノを言わせてブルドーザーのようにガガガッと物事を推し進める、というタイプではありません。

 

では、なぜ行動力があると言われるのか。個人的な経験から言わせていただくと、物事に着手するのが早いのが影響しているのではないかと思われます。これはほぼタスク管理"GTD"のおかげと言えます。GTDでは、「次にとるべき具体的な行動」を明確にすることを重要視しています。これが分かると、何のてらいもなく着手できるんですね。

 

タスク管理"GTD"を実践する前の自分はどうだったか。何か不安だ。モヤモヤが止まらない。この気持ちが常について回っていました。「憑いて」と漢字を当てたいくらいです。

 

なぜか手がつけられない仕事がある(やらなきゃいけないことは分かっているのに!)。先送りしてしまう。だから不安やモヤモヤがあったんですね。

 

なぜかと言うと、すでに上で言っている通り、次に何をするかを具体的に決められていないからです。具体的という言葉を侮るなかれ、具体的って本当に具体的なんです!「え?そんな簡単なこと?」と馬鹿にしてしまうくらい身近で日常的なレベルです。

 

例えば、メールを出す。電話をかける。会議室の場所を予約する。シュレッダーにかける。使わない裏紙を5枚別の場所に置く。簡単!「この紙シュレッダーにかけといて」と言われて「う……ん、ちょっと負荷が高い…」とか思わないですよね。

自分に課した約束、目標や価値観を現実のものにするには結局体を動かさないといけないのだ。何か問題がありそうなときはこのレベルに注意を向けていこう。つまり「次にとるべき行動は何か」と考えるのだ。
(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 実践編」より)

 

どんな難しい仕事上のプロジェクトでも、分解すれば簡単な単一行動の集合。頭では分かっていても、その分解をしようとまで考えている人はそんなに多くないと思われます。

 

正体不明の不安を抱え続けてしまったり、先送りしてしまったりという人は、このことをより強く自分に言い聞かせて、「次にとるべき具体的な行動」へ分解して切り出し、切り出したその「簡単な行動」をやると、不安や先送りの焦りから無縁になることができます。

 

そうして初めて「行動って大事だし、案外踏み出せばやれるものだな」と実感することになります。そう思えれば、行動へのハードルがどんどん低くなっていきます。タスク管理"GTD"が私たちにもたらしてくれることは、自分の行動力を上げることではなく、自分の行動力は上げずにハードルだけ下げてくれること、というのが正しい表現なのかもしれません。