ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

指示待ち症候群をGTDで直す

こんなツイートを読みました。

 

問題を明確にしたタスクを与え続けること」には弊害が確かにあります。このツイートに大いに共感します。

 

学校教育では、「こう解くんですよ」という、あらかじめ正解の用意されている問題が目の前に提供され、その解き方に従って手を動かしていくだけ、そんな気がします。

 

模範の解法に従って手を動かすことそれ自体は悪くないです。むしろ積極的に繰り返して、そのスピードを上げていくのは大事だと思います。150円のりんご4つと50円のみかん7つを買う場合いくらお金を用意するか。パパパッと計算できるスキルですね。

 

私の感覚だと、この方式で訓練を重ねていると、お膳立てされた問題だけが目の前に現れるものだと思い込んでしまうおそれがあるな、と思います。

 

それに対して現実の問題は、それ以前から始まります。

  1. 冷蔵庫がさびしいな
  2. 特にフルーツが足りない
  3. 何を買おうか
  4. うちの上の子はりんごが好きだ
  5. とりあえず4つぐらい買っておこう
  6. 妻がみかんを食べたがっていた
  7. 毎日1つずつ1週間で食べるよう7つ買おう
  8. スーパーへ行ってみよう

こんな感じに、自ら問いを立てて解決法を考え出してはじめて、150円のりんご4つと50円のみかん7つを買うという段階にたどり着くわけですね。

 

指示待ち症候群は、上の1〜8を誰かがやってくれるのを待つ人ではないかと考えています。解かれるのを待っている問題だけが配られるだけの教育を施された人は、この指示待ち症候群に陥ります。

 

GTDは、この指示待ち症候群の考え方の癖を直せると考えています。上の1〜8のプロセスを含めて一連の問題解決のフレームワークとしているからです。

 

1〜8のプロセスには以下の要素が含まれています。

  1. 問題(課題)を把握する
  2. 目的を明確にする
  3. 目的達成の具体的な手段を明確にする

ここでの1はGTDの決めるフローのうち「把握」であり、2と3は「見極め」にあたります。そして、おそらく「りんご4つ、みかん7つ」と書いたメモを持っていくことでしょう。メモに書くことはGTDでは「整理」フローにあたります。

 

自ら問いを立て、その解決手段を考える。このことが足りていないのであれば、GTDの5つのフローを意識することは大変有効です。

これにより、日常の買い物に限らず、仕事全般において指示待ちを脱することができるので、問題解決の作法としてはかなり汎用性が高いものだと感じます。

優先順位は「1位」「上位グループ」「その他」に分ける

優先順位の付け方についてよくイベントの事前アンケートで質問されます。

こんな感じで考えているような気がしています。

 

おそらく大事なのは次の2点。

  1. 自分が今取り組むべきタスクを1つに絞る
  2. それ以外は、注意を払うべきタスクと、かなり無視していいタスクを分ける程度

 

ただ順列に1位からビリまで並べるのも確かに優先順位付けですが、「自分は何に取り組むべきかを決める」という本来の目的から外れます。2位以下は「見といた方がいい」「無視して大丈夫」くらいで良いのです。だから、まずは母集団から最優先のタスクを1つ切り離すだけで良いです。

 

次に、2位以下集団についても「見張っていなければならない」組と「無視してても良い」組に分けます。基準は、自分がそのタスクのボールを持っているかどうかです。

例えば今あなたが20個のタスクを抱えているとして、自分ボール持ちのタスク数が8個だったとします。20=1+7+12と分けられます。1が今最優先で取り組むべきタスク、7が自分ボール持ちで次に取り組む候補として見張っているべきタスク、残りの12が自分がボールを持っていないので無視していいタスク、という具合です。

 

ちなみに、これを書いている今現在、まだ完了していない仕事タスクは71個。そのうち自分ボール持ちは6個。したがって、1+5+65=71ということになります。

 

では、「1」を「6」の中からどう選ぶのか?という話ですが、これはもう「人生いろいろ、タスクもいろいろだ」的な様相を帯びてきます。締切までの時間、会社であれば依頼主の職位、タスクの内容の難しさ・手順の多さなど色々あります。

ただ、私が最近特に感じるのは「その中で比較してどれをやりたいか」という基準で「1」を選んでいることが多いです。GTDの開祖デビッド・アレンが「優先順位は直感だ」と著書で言っています。「マジかよアレン……」と思ったものですが、あながちおかしくはないのではないか、と最近思い始めています。

発達障害×就労支援×タスク管理はブルーオーシャン

最近、ツイッターで眺めている限り、発達障害を取り上げて、理解を深めよう、啓蒙しようとする方(アカウント)が増えてきている気がします。

 

先日も、このようなツイートを見て、同志がいるような嬉しさを覚えました。

 

それこそ、障害者就労移行支援事業所を運営している会社(株式会社やNPO法人社会福祉法人も含みます)と協力すれば、実現のハードルはかなり低いです。現に、私は社会福祉法人SHIPと協力して、EXP立川という障害者就労移行支援事業所で、講座を開いています。

 

同様の事業を行なっている大手の事業所では違うかもしれませんが、こちらの法人の方々は考え方が大変柔軟です。何の資格も無い、ただ「発達障害当事者だが独自の方法で特性との共存ができている」だけの人間に、講座を担当させてくれるのです(もちろん、誰でも良いというわけではなかったのでしょうが…)。

 

そんな斬新な(法人の理事の方曰く「斬新過ぎる」)事業所なだけに、既存の概念にとらわれないプログラムができているなと、素人ながら実感しています。

 

思うんですが、良しにつけ悪しにつけ、一昔前は割と健常者と障害者の線引きがハッキリしていたように思います。今ホットな「発達障害グレーゾーン」と言われている層は、一昔前は「ちょっと変な健常者」でした。自然と周りのサポートを受けながら、働くことができていました(例外はあるかと思いますが)。

 

ところが、今は発達障害という言葉がかなり知られてきて、かえってグレーゾーンの就労の壁になっているのではないかと感じます。一昔前なら「オマエ変わってるなー」「そうすかー」で済んでいたのが、今では、自他共に障害者=働けない認定をしてしまっているのです。

 

特に、真面目に自分を見つめようとする人は、自分の至らない点を拡大解釈して「自分は発達障害ではないか」、発達障害の特徴を見ては「自分はきっとこれだ」と思って、「だから自分の将来は真っ暗だ」となってしまう。そんなことがそこら中で発生しているような気がします。

 

自分が発達障害の特性に当てはまるのを認識したとしても、すぐに「だから自分の可能性はない」と思うのはまだ早いと考えます。やりようがあるかもしれないのに。

 

そんな、社会生活が満足に送れない程度までではないものの、うまく仕事が進められないといった悩みを抱えている人へのサポートが、既存の就労移行支援事業には足りていないのではないかと考えています(そもそも、私が発達障害の診断を受けたときには就労移行支援という言葉さえ聞くことはありませんでした)。

 

そこで、「仕事がうまく進められない」という悩みをサポートする、既存の概念にとらわれないプログラムが必要となります。

 

私も非常にアツいと思います。

 

inkyodanshi21.com

自分が大好きだと思える既存の市場の掛け合わせだっていい。大切なことは、自分だけが熱狂できるブルーオーシャンをつくり出すことです。

 

発達障害×就労移行支援×タスク管理

 

この掛け合わせは私の中で最高にホットでクールなものです。タスクペディアの開発と公開も、この一環です。

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もし、共感いただける方がいれば、いつか一緒に何かをしましょう。私からいくかもしれません。そのときはよろしくお願いします。

GTDツールの存在意義は、タスクの整理機能だけにとどまらない

誤解されがちなのですが、タスク管理は決して目の前のタスクを終わらせてくれる自動化された機械ではないのです。

 

あくまで、自分を落ち着かせて、最高の状態でやるべきことに取り組む環境を整備するだけのものです。

 

GTDの開祖デビッド・アレンは以下のように言っています。

ここでひとつ、私から提案がある。今、もっとも気になっている「やるべきこと」を思い出してもらいたい。いちばん困っていること、気になって仕方がないこと(中略)

いちばん気がかりなことが明らかになったら、その問題なり状況なりがどのようなかたちで解決されるのが理想かをひと言で書いてみよう(中略)。

それができたら、その状況を一歩でも進めるために、次に取るべき"具体的な行動"を書いてもらいたい(中略)。

私のセミナーでこれをやってもらうと、ほとんどの人が次のように言う。「少し頭の中がすっきりしました。心がリラックスして集中力を取り戻せたようにも感じます」。

(中略)あなたの中で前向きの変化をもたらしたのはいったい何だったのか。状況そのものには何の変化もないし、何かの問題が解決したわけでもない。あなたに起こったのは、「望んでいる結果がはっきりして、次にとるべき行動がわかった」ことだけである。

(デビッド・アレン「ストレスフリーの整理術」より)

※太字は小鳥遊による

 

「ああ、なんかモヤモヤする……」

 

という気持ちをじっと観察し、

 

「ああそうか、昨日途中まででそのままにしていた資料作りが気にかかっているんだな」

 

という「モヤモヤの元」を見つけ出します。そして、それを「タスク」として言語化。

 

「よし、『営業報告会資料の作成』だ」

 

さらに、今自分がやるべき具体的な次の行動を書き出します。

 

「次は、『営業部の数字の利益率の追加』だな」

 

そんな感じで、タスクの「目的」と「手順(=次にとるべき具体的な行動)」を言語化して書き出していけば心がリラックスして集中力を取り戻せるというわけです。

 

タスクペディアでは、それぞれに対して書き出す欄が指定されて配置されています。

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そして、1つのタスクだけに気を取られないように用意したタスク一覧画面にも、ちゃんと「目的」「次の手順」が表示されるようになっています。

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紙に書き出すとごちゃごちゃしてしまいがちです。クラウド上なら、「タスクを書いた紙どこへやった!?」と慌てることもありません。

 

ここまで整理されれば、あとはタスクを実行するしかないと思えるのではないでしょうか。

 

GTDを具現化してくれるツールは、機能としてはタスクを整理するだけにとどまります。しかし同時に「さぁ実行してみようじゃないの!」と背中を後押ししてくれる心強い味方にもなってくれている感じがしてなりません。

 

タスク管理無しだと、それこそ目の前に散らかったタスクの中から、今やらなきゃいけないタスクを選び出し、そのためにとるべき具体的な行動を考えてから実際に取りかかります。

 

タスク管理有りだと、それらにかかる手間がかなり節約できます。これを心強い味方と言わずしてなんと言うか、です。その効力はなかなかすぐには感じられないのですが、まぁやってみましょう。じき分かります。

「大人の発達障害の特徴」に、自分のドッペルケンガーを見つけた話

こんなツイートをしました。

 

この記事、とは「大人の発達障害を見分ける」という視点から説明された、以下のものです。

susumu-akashi.com

大人の発達障害の人たちは、発達障害に対する配慮などない時代に育ってきました。

そのため、「代償」により、自分なりの生存戦略を身に着けていて、一見子どもの発達障害の特徴とは真反対に思えるようなスキルを身に着けていることもしばしばです。

 

ふむふむ...…。代償とは、つまり自分の弱点をカバーすること、と。自分にとってのGTDはまさにこれじゃないか、と思いながら読み進めました。

 

目次に沿って「大人の発達障害にありがちな10の特徴」の1つめから読みます。

1.二つのことが一度にできない

■電話を聞きながらメモを取れない
■別の用事を始めると前にやっていたことを忘れる
■【代償】特定の仕事術の信奉者になる

 

「え? 『特定の仕事術の信奉者』って……」と、あまりの図星っぷりにしばし思考が中断。その後、説明が。

 

こうした弱点に気づいている場合、代償的にライフハック的な仕事術を信奉し、厳密に守ることで仕事を管理している場合もあります。

しかし、自分だけが特殊なのだとわかっていない場合、良かれと思って周りの人にも同じ仕事術を熱心に勧めるようになるかもしれません。

 

代償的にライフハック的な仕事術を信奉し、厳密に守ることで仕事を管理

 

良かれと思って周りの人にも同じ仕事術を熱心に勧めるようになる

 

 

( ̄0 ̄;

 

 

わ、私のことじゃないですか……。

 

どこかで見ていたんじゃないかと思うくらいピッタリ当てはまります。この箇所で言及されているのは、私のドッペルケンガーなのではないでしょうか。

※参考

 

他にも、当てはまる項目がズラズラと。

 

  • 予定の変更ができない→急な残業やアクシデントを非常に嫌がる
  • 整理整頓ができない→極度の整理魔になる
  • 興味の偏りが著しい→興味のない話は完全に無視する
  • 人の気持ちが読めない→相手の気持ちを過剰に気にするようになる/だれかを傷つけることにものすごく敏感になる

 

全部は当てはまらないにしろ、かなりの数の特徴が当てはまり、「これは自分のことだ!」と確信。だた、これらの特徴から大人の発達障害かどうかを見分けるのは、どんな目的があるのだろうかと思いつつ、締めの部分へ。

 

もちろん、発達障害の特徴には、ほかにもさまざまな点がありますが、ここで紹介したのは、未診断のまま大人になった発達凸凹の人にありがちな特徴です。

 

子どもの発達障害とは違い、未診断の発達障害を抱えたまま大人になった人は、長年にわたり、自分の弱点と向き合い、なんとかした対処しようとして、「代償」によるスキルを身に着けています。

(中略)

熱心に片付けをする整理魔、過剰に気遣いをする親切すぎる人、びっしり予定を管理している人などは、一般に知られている発達障害の特徴とは真逆ですが、弱点を補おうとした結果、正反対の方向にバランスを崩している場合もあるのです。

 

もしも自分や家族が大人の発達障害かもしれないと気づいたら、発達障害の特徴や対処法についてより深く調べて見るなら、もう少しバランスのよい生活を送るためのアドバイスが見つかるかもしれません。

 

 

バランスの良い生活。

 

確かに、逆張りし過ぎている傾向は無きにしもあらずですね。GTDは素晴らしい仕事術ですが、信奉するあまり他人への押し付けにならないように気を付けたいと思いました。

 

自分の可能性を諦めて始めた小さな行動が、大きなエネルギーの源に

ツイッター「ひらめきメモ」アカウントでお馴染みのF太さんのツイートで、特に深く腹落ちするものがありました。

 

全て準備万端整った!という状態でようやく覚悟が決まるということは、私の経験では、あまりありませんでした。

 

このツイートに書いたように、覚悟を決めることが、タスク管理を継続させているブースターの役割を果たしてくれたのではないかと。自分に可能性が見出せなくなって諦めまくった先にある、背水の陣的な何かが自分を衝き動かしている気がします。

 

そこで「じゃあみんなで背水の陣を張りましょうねー!」などと言うつもりはありません。無いなら無いでいいです。現在進行形で、望まない背水の陣を張りつつある方々にこそ有効なものだと思います。

 

私にとっては、GTDというタスク管理が「覚悟を決めてはじめるもの」でした。「あー、もう自分はなんてダメなんだ。」「いちいち仕事のことを書いておかなきゃ忘れてしまうなんて、自分ホント無能」などと考えつつ、悲嘆に暮れながらエクセルに業務タスクを入力していった覚えがあります。「ここまでしないといけないなんて、自分、落ちるところまで落ちたな...…」という悲壮感全開でした。

 

今、底つき体験をしている人がいたら、無理に抗おうとせず自分を諦めて、自然と覚悟が決まるのを待つのも有効かと。 

 

覚悟が決まったら人間は強い、という話はよく聞きます。自分でもそれはタスク管理"GTD"の習得と実践という形で実感しています。覚悟を決めた後の行動のデザイン、重要です。

 

覚悟を決めてはじめると言うと、何か劇的なきっかけがあって勇壮なファンファーレと共に開始するようなイメージがあるかもしれません。しかし私はそういうものだと思ってデザインしない方が良いのではないかと思っています。実際のところは、私の例のように、静かに始まることも大いにありえるからです。

羨望や嫉妬をタスク管理で自分の糧に

嫉妬という感情は、誰かを攻撃する行為を伴うものでない限り、悪いものではないと思います。

 

羨望・嫉妬の日光消毒

先日、大変憧れている御方とお会いしたときに嫉妬の話をしました。嫉妬の相手は、その御方と最近親しくなり、共に活動を始めた方です。そのアプローチの熱量と、実際に御方の心を動かしてしまう様子に、羨望と嫉妬の感情を持ちました。そのことを開口一番お話ししました。

 

なんでこんな話をしているかというと、このツイートを読んだからです。

 

御方がどう思ったかは分かりませんが、感情を心の中から出すのは悪くないなと感じました。

 

イメージは悪いが実はポジティブ要素がある

羨望や嫉妬は、悪口を言ったり対象の方の行動を邪魔しない限り、自分の中のみで完結します。誰か他人を攻撃することもありません。

 

むしろ、間接的にその対象者の価値を認めていることになるので褒めにつながるのではないかと思うくらいです。「あなたが羨ましいです」「あなたに嫉妬しています」と言われるのは、まんざらでもないんじゃないかと。

 

タスク管理でより自分の糧に

さらに、羨望や嫉妬を踏み台にすることで自分を一段上の高みに押し上げることもできるのではないかと考えています。

 

GTDの「把握」プロセスを使います。羨望・嫉妬をトリガーとして、そこに込められている具体的な自分の願望を書き出し、それを達成するようなタスクを設定します。タスクを遂行できれば、羨望の対象に近づくわけです。これ、悪くないですよね。

 

羨望や嫉妬を抱いたら、黒い感情だと隠さずに、タスクの把握のトリガーにしてしまいましょう。今の自分に必要なタスクが見つかります。