必要なタスクを直視できるためには
タスク管理ツールを開くと、業務タスクが一覧になって目に飛び込んできます。業務タスクの一元化をしているので当たり前といえば当たり前です。
とはいえ、これはなかなかのインパクトがあります。
【GTDとエクスポージャー】
— ボビティブ心理学 (@bobby_tubuyaki) 2018年4月29日
不安への一般的な反応は回避。でも避け続けると逆に不安が高まるというメカニズム。
不安な状況に曝すだけで馴れて治る『エクスポージャー』という治療法。
タスクマネジメントも、全てのタスクを収集して、とにかくエクスポージャーしないと始まらない。#タスクペディア
GTD「把握」はエクスポージャー療法の実践
どんなに得意な仕事でも、それを完了させる責任があるので、業務タスクの存在はプレッシャーになります。
社会人はそのプレッシャーを毎日はねのけて仕事をしているわけで、もうそれだけですごいことなんですね。GTDでも、まずはやるべきタスクを把握することから始まります。目の前にタスクを書き出して、プレッシャー発生源と真摯に向き合います。
意識的にGTDで「把握」しようが、無意識に仕事に取り組もうが、仕事をするときは誰でもまずこのプロセスを経るので、知らず知らずエクスポージャー療法を実践しているのです。
エクスポージャー療法(暴露療法)
恐怖や不安の原因になる刺激や状況に段階的にあえてさらすことで不安反応を消していく方法。主に恐怖症や不安障害などに用いられる行動療法のひとつ。
タスクの把握をしたとしても、それに着手できなければ仕事は終わりません。分かってはいますが、目の前に書き出したタスクからのプレッシャーを直視できずに手をつけられないことがよくあります。
仕事を直視するためのGTDの「見極め」「整理」
そこでGTDではやるべきことを小分けにして手につけやすくする工夫を編み出しました。以下の3つが直視できない理由なのですが、GTDはそれらを克服して、タスクを直視しやすくしてくれます。
- 見通しのつかなさ
- ネクストアクションの分からなさ
- 情報の散在
①見通しのつかなさ
人間は怠惰なもので、パッと見て「これできないかも」と少しでも思うともうやる気がしなくなります。完了までの道筋が分からないと、途端に諦めてしまいます。
タスクの持つ目的がはっきりしていないと、どこに向かって頑張れば良いのか分からなくなり、「目の前のタスク、どうせ頑張っても何が目的なのかどうせ分からないんだから、やーめた」となります。
②ネクストアクションの分からなさ
何をやればいいのか具体的にイメージできないと面倒くさいとすぐ思ってしまうというのも我々の特徴ではないでしょうか。
やるべきことを「タスク」とすると、タスクを達成するための手順は「サブタスク」ということになります。サブタスクが「とにかく頑張る」といった曖昧なものだと、「一体何をすれば……?」となり、「やらなくていっか!」と考えますよね。
ここまでの①②がGTDの「見極め」で克服できるものです。
③情報の散在
せっかく「ここ以外にもやらなきゃいけないことが潜んでいるんじゃないか」と疑念が湧くと途端にダメですね。だったら見る価値ないと思ってしまいます。
GTDの「整理」フローでは、実行不要なタスクを捨て、自分が現在ボールを持っていてやらなければいけないこと、誰かの対応を待ってから実行すべきこと、いつかやりたいこと等に分けます。
これらに分けられたタスクは、それぞれに別のトレイやフォルダに入れておいても良いのですが、いざそのタスクを実行したいとなったときに見つからないと意気消沈しがちではないでしょうか。
私は、仕事のタスクは散在させずに集約しておくのが良いと考えています。各タスクについての資料が別のところにあっても、ポータルの機能を果たすツールがあれば「手元に全部ある感」、つまりダッシュボードで自分の仕事全てをコントロールしているという安心感が得られ、「仕事の情報が見つからずに意気消沈」せずに済みます。
さらにひと工夫
ここまでくれば、必要なタスクを直視することはかなりできるのですが、さらにもうひと工夫。それは、ツールに入力する面倒くささ対策です。
ある意味、ツールへの入力の時間はしょうがないといえます。タップ/クリックするだけにして操作性を上げたり、ゲーム化してタスク完了を後押しできるようにすることで、より一層タスクを直視して進められるようになります。
大仕事ができた理由を問われたら、ひたすら一緒に仕事をした人への賛辞になった話
先日もご紹介したこの鳥井弘文さんのツイートについて、新たに気が付いたことがありました。
「働き方改革」が叫ばれて、労働時間や労働環境などその「仕組み」の方を改善しようという流れだけど、実はもっと大切なのは「誰と一緒に、誰のために働くか?」の方なんじゃないのかなあ。全く同じ労働時間・労働環境であっても、対人関係の満足度ひとつで働き方に対する価値観って180度変わるから。
— 鳥井 弘文 (@hirofumi21) 2018年4月26日
先日、家で妻と、前々職で総務として働いていたときの昔話をしておりました。私ひとりで、プライバシーマーク(Pマーク:個人情報の取り扱いに一定のレベルがあると認証された会社が取得できるマーク)の取得、更新を行い、ほぼ並行してコンシューマーゲームを作る200名規模の部署のオフィス移転を行ったときのことを、懐かしいねぇと言いながら回想。
これ、経験した方には分かるんですが、なかなか大変なんです。
Pマークの取得や更新は、仕組みづくりから各部署の業務フローの把握、経営層の意識づけと、全社を巻き込まないとできないものです。
また、オフィスの移転は、物の移動や賃貸借契約の解約の時期、複数の工事の工程管理など、全てが段取り良く進められないとあっという間に費用が膨れ上がってしまいます。
タスク管理のタの字も知らず、単なるTODOリストを作っては失敗を繰り返していた私が、そんな大仕事をなぜできたのかという話に。
会話していて自然と出てきたこの問いかけに、さして考えることなく自然に出てきたのが、Pマーク運用コンサルタントの担当者さん、それとオフィス移転のプロジェクトマネジメントの担当者さんの名前でした。
この人たちと一緒にやれたからできたようなものだ、と彼らに対する賛辞がスルスルと淀みなく出てきました。餅は餅屋なので当然なのですが、自分の非力さを十分知っている私にとっては、よくぞこんな私を相手にやってくれた!という感想しかないわけです。
散々彼らを褒め終わってから、冒頭でご紹介したツイートのことを思い出しました。そして、以前に書いたこのエントリーを思い出しました。
そんな人たちからの「申し訳ありませんが、ちょっとこれ、急でやってくれませんか?」と仕事の依頼がきたら、「しょうがないですねぇ!」と言いながら、ちょっとどこかで嬉しがっている自分がいます。
もちろん、誰がパートナーになっても同じクオリティで遂行できるようにならないと__特に私が従事している管理部門の業務は__いけないのは分かっています。
しかし「この人とやりたい」「この人なら信頼できる」という関係性を重視して仕事をしていくことは、もしかしたらこれからの主流になるのではないかと感じています。肩書からその人そのものへ、関係性を築く信頼のよりどころが移動している、と言いますか。仕事の格や名誉などではなく、人本位で仕事をするという価値観。
よく考えると、これは怖いことだと気が付きました。逆に自分が信頼を得るためには得るなりの価値が自分にないといけないという、ある意味非常に厳しい競争に晒されるからです。
その競争で勝ち残っていくための基礎として、「求められる価値をきちんと提供できること」があります。
「求められる価値をきちんと提供する」を深堀りしていくと、「締切を守る」「目的を正確に把握する」「無駄な労力をかけない」「精神的に余裕を持つ」といった仕事の基本が現れるものだと考えています。そしてそれは、仕事の基本であると同時にタスク管理で身に付けられるものでもあります。
信用経済と言われる価値基準がこれからの社会の趨勢となるなら、人本位の仕事観に合う自分になるため、自分の価値を上げるのに全員血眼になるはずです。その第一歩として、タスク管理はもはや必須と言って良いのではないかと思うのです。
視力が悪ければ眼鏡を。抜け漏れ忘れがあればGTDを。
こんなツイートをしました。
NHK「超実践!発達障害 困りごととのつきあい方」をみました。
— 小鳥遊5/19イベント開催 (@nasiken) 2018年4月30日
当事者の自信と、周囲の理解につながる良い取り組みだったと思います。
同時に、1時間44分という長い時間でも語り切れないものだとも思いました。仕事の現場で悩む当事者への情報がまだまだ必要かと。#発達障害困りごと
このテレビ番組を観ての感想でした。
発達障害には、大きく分けてASD、ADHD、LDという3つの領域があります。
上記のイメージ図の中では、ADHDの注意欠陥が目立っているのが私の特徴です。
最大限、発達障害当事者への配慮がされた番組作りがされていたと思います。スタジオでは強い光や大きい音を避け、当事者への取材は丁寧にされており、違和感はほぼありませんでした。これはすごいことだと思います。当事者や専門家の意見が入っているだろうとは思いますが、それを過不足なくテレビで表現し伝えるのは、相当細かなところまで配慮しなければいけないからです。
番組中、とても共感した一節がありました。頭に言葉は浮かぶのに文字が書けないLDの特性を持つ大工の井上さんの話です。
「パソコンやスマホは自分にとって眼鏡。眼鏡がいろいろあるなら使えばいい」
— みらいのリスト@NHK実況完了&感想集積中 (@mirailist) 2018年4月30日
「大学はこういった配慮に対して積極的。使えばなんとかなれば使えばいいと言ってくれる」
井上さんは大学に入り卒業することができた。
スタジオ
竹田契一先生が登場#発達障害困りごと #NHK
日常生活に普通に溶け込んでいる眼鏡。視力不足を補強するために使う道具です。視力が足りないのは努力が足りないからだと思い悩む人はいません。
井上さんも、書けないならそれを補強するだけな状態なのに、大工の仕事の作業日報が書けないのを理由にいじめに遭ったそうです。パソコンやスマホ、タブレットを使えば文字が打てることが分かり、大学に入り直して見事、卒業されました。大学側の配慮が井上さんを後押ししてくれました。
足りないところがあれば、鍛えて伸ばす。それが無理であれば道具などに頼って補強する。当たり前の話ですが、こと発達障害特性の話になると、道具などに頼るという選択肢がなくなってしまいます。
それでも、眼鏡やパソコンという、形のあるものに頼るのはまだ分かりやすい方だと思います。私にとって眼鏡の代わりになっているのがタスク管理手法"GTD"です。
GTDのような「考え方」を自分を補強する道具として理解することに対して、世間は理解が足りているとは思えません。何より、当事者自身がその価値を認めず諦めてしまいがちな印象があります。
人が眼鏡をかけるのと同じくらいGTDを実践するようになったら、それこそ視界がひらける人は少なくないと思います。
料理のレシピこそ仕事の進め方の見本!
先日、私が週一で行っている障害者就労移行支援事業所EXP立川で「EXPクッキング」と題した講座を行いました。
別に、お料理教室をしたいわけではないです。就労移行支援なので、仕事のやり方としてのタスク管理を身近で分かりやすいテーマで理解してもらおうと始めた企画であります。
午前中は「オムライス」「サラダ」「スープ」を作ること、そのレシピを作ることを通して、タスク管理の手法に馴染んでもらいました。
冷蔵庫の中を見て、食材を思い浮かべて……
※写真はスタッフNさんの本物の冷蔵庫の中です。
「よし、オムライス、サラダ、スープにしよう!」
そこで、EXP立川で使っている、タスクの目的を明確にするための「チェックシート」と、
さらに、その目的を達成するための「タスクの分解表(今回はレシピ)」を使って進めました。
午後は、こんなメニューを。
食べて見たい料理、メインとデザートを一品ずつ決めてもらい、その作り方をネットで調べ、午前中と同じくチェックシートとレシピに書き出してもらいました。
いわば、午前中がルーチンワーク、午後が非ルーチンワークの練習です。
何を目的にどうやるかまであらかじめ決まっている仕事を自分なりに咀嚼して実行するのが午前中です。タスク管理手法"GTD"で言えば、「見極め」「整理」の段階をしてもらいました。
午後は、「自分が食べたいもの」というテーマを元に、まずどのような仕事を自分がやるべき(やりたい)か、そしてその仕事を完了させるためにはどんな手順が必要かをやってもらいました。GTDで言えば「把握」「見極め」「整理」の段階をしてもらいました。
EXP立川の講座は、2ヶ月で一周します。私の講座も基礎編4回、応用編4回です。EXPクッキングは基礎編の最終回で、料理という親しみやすい題材は用いながらも、結構やることはGTDそのものです。だからか、利用者さんはかなり疲れた様子でした。
最後にスタッフのNさんが言った「自分が新しい職場で仕事をやるときは、やり方もよく知らないことを周囲に聞いてやる必要がある。午後の講座の内容は、テーマは違うが同じことをすると思って欲しい。」という締めの言葉は、とても大切だと思いました。
それにしても、EXP立川の講座はかなり革新的です。同様の事業所にありがちな「PCの操作方法を身につけましょう」「面接の受け答えを練習しましょう」といったメニューだけに終始しません。
GTDは、ADHD特性が判りどう仕事に取り組めば社会でやっていけるのか分からなかった10年前の私が必要だったスキルだと思います。今、就労に際して同じような悩みを抱えている方々には、とても大切なものだと私は考えています。
そんなGTDをガチで教え込む事業所はなかなか無いです。おそらく、事業所側に教えられる人がいなかったり、手間がかかって費用に見合わなかったりといった理由があるのでしょう。また、そもそもタスク管理自体を知らないこともあると思います。
私の経験からは、いくらPCスキルを上げても、面接の受け答えがキッチリできるようになっても、就業した後に仕事ができるようになっていないと、また同じことの繰り返しになってしまうと考えています。
そうならないための1つのアプローチがGTDだと実感しています。そんな考えを事業所内でスタッフさんと共有できているのは、大変ありがたいことだと思っています。
今回の料理もそうですが、手を替え品を替えてタスク管理の考え方、やり方をしていくことがきっと利用者さんのためになると考えてやっていこうと思います。
負けるが勝ち
こんなツイートをしました。
「負けるが勝ち」は、負けを否定して勝つのではなく、負けがそのまま勝ちになるという意味も含まれるなぁと思うことしきりです。
— 小鳥遊5/19イベント開催 (@nasiken) 2018年4月26日
ADHD特性で仕事がうまくいかなくて辞めたことは、当時は「負け」でした。でも、そのことがあったからタスク管理で弱みをカバーするという「勝ち」があるわけで。
負け組・勝ち組という言葉が流行りましたね。その言葉を否定するつもりはありません。私が大学4年生だったときは、とにかく「トーミツ(東京三菱銀行。現:三菱UFJ銀行)」に就職が決まれば将来は約束され圧倒的な勝ち組でした。しかし、万物は流転します。
負けたからこそいつしかそれが勝ちになっていたり、勝っているつもりでも実は負けだったり。むしろ、勝ち負けという基準も分からなくなりました。
自分を否定されたり、貶めるようなことをされたりしたとき、自分の限界や弱み、どうしようもない壁を否応なしに認識させられます。例えば、管理部門でやってきた人間が、いきなり営業やれと言われた日には、辛み以外の何物でもないです。
これはいわゆるひとつの左遷ってやつですね。会社の内部事情は色々とあったのだろうと思いますが、結果的に私は部署を追い出されたわけです。その前に仕事がうまくいかなくて休職していたことは、無関係だとは思えませんでした。
ただ、そこまでされるとさすがに色々と諦めがつくようになり、自分の弱みを素直に受け入れられるようになります。
会社で仕事がうまくいかなくて悩んでいたり、左遷同然の異動を受け入れざるを得なかったりしてもなお、流転を待つのもまた1つなのかもしれないと思います。それがなければ、自分の弱みを受け入れて、それをカバーするタスク管理というものに出会わなかったからです。さらには、一連の体験とセットにして誰かの役に立つような情報発信ができるようにもならなかったことでしょう。
そんな文脈で、負けるが勝ちは「負けこそ勝ち」という究極にポジティブな意味合いも持つという考えに至り、冒頭のツイートをした次第です。
もっと知りたい、直接聞きたいという方はこちら↓まで。
「割り込みタスクこそ愛しい」という結論に至った話
リモートワーク始めました。
今週は、会社への出勤は今日でおしまい。明日は自宅でリモートワーク、明後日は本業化した副業先EXP立川(自宅から比較的近い)。
— 小鳥遊5/19イベント開催 (@nasiken) 2018年4月17日
リモートワーク制度はトライアルなので、本採用してもらうべくキチンと仕事するつもりです。
うちの会社は100人近くいるんですが、トライアルでリモートワークやってみる人が私を含めて2人だけ。
— 小鳥遊5/19イベント開催 (@nasiken) 2018年4月17日
今の仕事のやり方を続けていたらそりゃリモートでしづらいですよね。
今の仕事のうち少しずつリモートでできるように仕込みをするのが必要なのかなと思います。
簡単な話、資料をPDF化するとか。
自宅リモートワーク2日目。
— 小鳥遊5/19イベント開催 (@nasiken) 2018年4月26日
夜に予定があり、終業後に外出。とても新鮮な気持ちがしています。
平日にいつもと違う行動をするのは、リフレッシュしたり新しい視点を得られたりするので良いかもしれないです。
咳をしてもひとり
リモートワーク@自宅2日目です。1人で仕事をしていると、話しかけてくる同僚や上司がいないんです。
話しかけてくる同僚や上司がいないんです。
※大事なことなので2回言いました
これ、一見メリットだと思いますよね。たしかに、今のような週に1日程度なら、逆に丁度いいと思います。しかし、これが毎日だとしたら、ちょっと辛いです。
私の周りの魅力的な面々
私は、周りの社員の方々が基本的には好きです。お世辞抜きに良い人たちに恵まれたなと思っております。
声が大きく通るので隣の席の上司との相談内容が時々丸聞こえになってしまう労務担当
全体会議の司会を任されている、滑舌の悪い総務担当
「1/15」と書いてあるだけの付箋を見つけて「……はて?」と2月初旬に頭を抱える、会社プロジェクト進捗管理担当
真面目で、それぞれにちょっとずつ不器用で、だからこそ魅力のあるキャラクターが揃っています。
そんな人たちからの「申し訳ありませんが、ちょっとこれ、急でやってくれませんか?」と仕事の依頼がきたら、「しょうがないですねぇ!」と言いながら、ちょっとどこかで嬉しがっている自分がいます。
タスク管理で効率よく♪
タスク管理は、仕事の無駄をなくしてくれます。それは間違いなくいいことです。しかし、それが極まるとどうなるか。リモートワークをした所感から、無駄(同僚や上司から話しかけられるという割り込み)もまたアリだなぁ、というものです。
そもそも何のためにタスク管理で効率化を図らなければいけないのか。決まり切ったルーチンを短い時間でより多くこなすためだけなのか。
タスク管理はなんのため?
本質な話です。嫌な職場で、嫌な仕事を、できるだけ短時間で無駄なく終わらせて一刻も早く帰るため、というのがよくある話です。間違いではありません。
しかし、また違った形もあり得るのではないかと。
「働き方改革」が叫ばれて、労働時間や労働環境などその「仕組み」の方を改善しようという流れだけど、実はもっと大切なのは「誰と一緒に、誰のために働くか?」の方なんじゃないのかなあ。全く同じ労働時間・労働環境であっても、対人関係の満足度ひとつで働き方に対する価値観って180度変わるから。
— 鳥井 弘文 (@hirofumi21) 2018年4月26日
先日、ふとしたタイミングで「割り込みタスクこそ愛しいのかもしれない」という言葉が出てきました。私は、先に挙げた懲りない面々からの割り込みタスクをやる余裕を持つためにも、その他のタスクをさっさと片付けたり後回しにできるためにタスク管理をしているのかもしれません。
「すぐにやります」と言うや否や、他の仕事を押しのけて本当にすぐにやって「え?もう?」と言ってもらったときの嬉しさたるや。
— 小鳥遊5/19イベント開催 (@nasiken) 2018年4月25日
なので「すぐにやります」は安売りしないで、ここぞという時に限って使っています。感覚的には2週間に1回くらい。
会社は労働者の時間を搾取するために、巧妙に作り上げられたシステムだという考え方があります。ある意味正解だと思います。しかし、そのシステム上でも「誰と一緒に、誰のために働くか」を意識して仕事タスクをこなすことは不可能ではないと思います。そして、タスク管理はその恩恵を最大化してくれるものだと実感しています。
仕事の見通しが立たず途方にくれたときに思い出して欲しいこと
こんなツイートをしました。
タスク分解のメリットの1つ。
— 小鳥遊5/19イベント開催 (@nasiken) 2018年4月24日
「無機的で単純な動き」だけしか目の前に残らない
高尚な意義付けがされ、つい余計な考えが巡ってしまう複雑なミッションには手を出しづらいが、「左足を前に出すだけ」レベルに分解されればすぐやれる。
タスクマネジメントに一足飛びは禁物ということかと。
目の前の仕事、どこから手をつけたらいいのか……と途方にくれるとき、この考えを思い出していただきたい。なぜなら、そこが重大な分岐点になるからです。
できる・できないの分岐点
途方にくれたとき、人はどうするか。2つのパターンに分けられます。しょうがないとやれるところから手を付けていく人と、心が折れてやらなくなる人。分岐点は、ここにあります。やるかやらないかです。
やるか・やらないかの無理矢理っぽさ
「やるか、やらないかだ!」と言われて「ハイッ!やりますッ!」と答えられる人は、そもそも途方にくれないような気がします(あくまで私のイメージです)。白光りした歯をキラキラさせながら筋骨隆々とした好青年が満面の笑みで答えている光景が思い浮かびます(繰り返しますが、あくまで私のイメージです)。
私の感覚からすると、いきなり「やるか・やらないかだ!」と言われると閉口しますね。「それって、『つべこべ言わずにやれ』ってことでしょうよ…」と思います。無理矢理っぽさ全開なので、少しばかりのやる気があったとしても失くしてしまいます。
ヤる技術
それでもやらなければ進みません。そこで、少しのやる気という燃料でも可能な程度に動く。すると、次の一歩が見える。また少し動く。この繰り返しで仕事がいつしか完了できているということを目指します。
一歩動いてもそこから動けなくなる場合もあるかもしれません。そうしたらまた一歩戻って考える。それを繰り返していると、マインスイーパで特定のパネルをクリックしたら一気に周囲のパネルがなくなる時のように、一気に視界が開けることがあります。
そんな風に、周囲にあるパネルを1つずつクリックしていくことが、仕事を確実に進める技術、というか基本原則のようなものです。
パネル1つ分の行動
ここでいうパネル1つ分とはどれくらいか。適正な大きさは人により違います。ただ、途方にくれるような仕事を目の前にしたら、それ自体には意味を感じないほど細かい単位の行動に分解するのが鉄則だと考えます。極端な話、冒頭で紹介した「左足を前に出す」というレベルこそ適正だったりします。
いつか見通しが立つ
そんな適正な小さいレベルの行動を続けていくと、いつしか「バッ!」とその仕事完了までの見通しが立ってきます。マインスイーパのように。ひたすらそれを待ちつつ、「こんな行動でいいのかなぁ」とやり続けるのも大いにアリだと思います。
タスクマネジメントは、その小さな一歩一歩を横で支えてくれるような存在だと、日々実感しています。