仕事の不安には「嫌われる勇気」を。
こんなツイートをしました。
作業の進捗管理と、予定通り進まないという状況把握までできているのであれば、不安を共有すべく声をかけることが自分の課題。それを受けるのが上司の課題。
— 小鳥遊@クラファン中! (@nasiken) 2018年9月17日
そう考えると、少し肩の荷がおります。結果的にうまくコミュニケーションが取れるようになるかと。
この話、賛否分かれます
イベントや講座でこの類の話をすると「よくぞ言ってくれた!」と賛同する人と「それはちょっと……」と苦笑いする人に分かれます。「嫌われる勇気」で一躍有名になったアドラー心理学ならではだと思います。
嫌われる勇気、つまり嫌われる可能性があるのですね。実際、会社組織で働くと「私ここまでしかしませんから」と境界線をひく人は嫌われます。私も、そんな人に対して良い印象は持ちません。
好かれるより大事なこと
私は、周囲との関係性を良好に保とうとしていました。それが絶対正しいものだと思っていました。総務という部署にいたこともあり、他の部署からあぶれた仕事こそ総務の仕事と考えて、率先して面倒くさい仕事を引き受けていました。
その姿勢は良いものだと今でも思います。ただ、自分のキャパシティを超えて要望に応えすぎてしまい、自分の身を持ち崩してしまいました。結果、休職という事態に。潤沢な人員配置ではなかった当時の勤務先には相当の迷惑をかけたと思います。今でもその方々には顔向けができません……。
好かれようとした結果、結局迷惑をかけてしまいました。そうならないように、自分のキャパシティをしっかりと見極めて「私ここまでしかしません」と言うべきだったなと、ひどく反省したのを覚えています。
まずは課題の分離
その経験を生かし、まずは自分が最低限やっておかなければいけないことをやるのと同時に、自分がやるべきではないものに関してはやらないという視点を持つことにしました。
どこまでが自分の課題で、どこからが他者の課題なのか、冷静に線引きし、他者の課題には介入せず、自分の課題には誰ひとりとして介入させない。
この視点によって、自分のキャパシティ以上のことを引き受けて潰れてしまう傾向のある自分を律することができたと考えています。
課題の分離ができてこそ
そうやってまずは自分のやるべきことをきちんとできるようになってはじめて仕事の不安が解消され、他の人のヘルプをしたり、自分の職務領域ではないことに手を出すことができるのではないかと思っています。
最後に
課題の分離は一見するとひどく冷たい考え方のようですが、私にとっては組織で融通の利く存在になるための大前提となる姿勢です。そんな思いを込めて、冒頭のツイートをしました。伝わればいいなと思っていますが、読んだ方がどう受け取るかはその方次第。これも課題の分離。
仕事を進める上で「分からない」ことが分かる方法。
こんなツイートをしました。
人に話を聞いてもらったり、白紙に思い浮かぶことをダダダッと書いていくのもアリかと。ぐるぐる回っている思考は、自分の外に出すと、次第に客観的に見られるようになりますんでね。
— 小鳥遊 (@nasiken) 2018年9月13日
やってみてはじめて見えてくるものがある
私は「まずはやってみよう」という考え方には慎重です。問答無用!な理不尽な感じがするからです。ただ「分からないなりに、こんなのからはじめてみようかな……」という踏み出し方はアリだと思います。その第一歩がどんなものであれ、進んでいるからです。
そして、一歩踏み出すと芋づる式にその後の展開も楽になる気がしています。作業興奮というものです。
これについては、こちらの記事でお話ししています。
この考え方はタスク管理手法"GTD"にも通底しています。GTDでは「把握」したタスクの目的と次に取るべき具体的な行動を「見極め」ることを、最初と2番めのフローとしています。
思考を自分の外に出す
「分からない」状態から何か分かるきっかけをつかむための方策として、思考を外に出して客観視することはとても効果的だと感じています。
私の就業環境の話になります。デスクにはPCが置かれています。私とPCの間にノートを置いています。走り書き、メモOKです。これを思考の整理のために使っています。内容をまとめて後で見返すといったことはほとんどありませんので、ノートでなくメモ用紙を束ねたものでもいいです。
例えば、営業さんがひねり出した複雑なスキームの取引を契約書に落とすときなどは頭の中で処理しきれませんので、いったんノートに関係図を書いて理解します。
頭の中にある情報を外に出すのは、先に書いたGTDの把握フローの「やるべきことを全部書き出す」考えそのものです。GTDのコンサルタントは、この把握フローを何時間、何日かけてでもクライアントにやらせるそうです。
最後に
とにかく着手してみるのと思考を自分の外に出す。この2つが、さしあたって「分からない」状態から「少し分かる」状態になるための具体的な対策です。やっていきましょう。
無事終了!第27回「自分は要領が良くない、と思い込んでいる人のための仕事術」
昨日、第27回「自分は要領が良くない、と思い込んでいる人のための仕事術」が無事終了いたしました。
かわいいアイキャッチ用画像
今回から、トモさん(@tomos0105)製作のかわいいアイキャッチ画像が告知ページのトップに表示されるようになりました。
左側のクマが私です。似ているというもっぱらの評判です。
感想をいただく
今日参加してくれていたココ・コインさん( @cococoin_chan )が感想を描いてくれました。「書いて」ではなく「描いて」です。これ、イベント中に書き上げたんです。すごいですね。ツイートがめっちゃバズってます。
ひらめきメモで有名なF太さん(@fta7)と小鳥遊さん(@nasiken )のイベント『自分は要領が良くない、と思い込んでる人のための仕事術』に参加したのでメモを書きました
— ココ・コインちゃん#Voicy (@cococoin_chan) 2018年9月16日
やることばかり考えていると意志力を激しく消耗するため書き出すことで節約するというお話が面白かったです😊#ココノート #jyys pic.twitter.com/nq3KXKctfN
ちなみに、ココ・コインさんはVoicyもされているとのことで、ついでにご紹介します。
ある実験
今回のイベントに際して、私はある実験をしておりました。きっかけはこちらの記事を読んだこと。
読んだ直後のつぶやき。
むちゃくちゃ良いですね。
— 小鳥遊 (@nasiken) 2018年9月10日
これを読んで、ものすごく腑に落ちたことがありました。早速実行に移します。
この記事は、読む人を動かす力がある。 https://t.co/KlVTfX9O6i
特にここが刺さりました。
僕にとって経験の浅いジャンルでの撮影では、こうしたスペシャリストたちには到底敵いません。
(中略)
並み居るスペシャリストたちと自分を差別化する要素とは、「依頼主の要望を丁寧にすくいあげる」ことでした。
さらに、1対nを1回するのではなく、1対1をn回繰り返すコミュニケーションも連想。
そして次のことをすぐに実行に移しました。
今回のイベント参加者の事前アンケートにある「仕事をする上での悩みは?」に対する自分なりの考えを参加者全員分ツイートする
これこそが1対1をn回繰り返すコミュニケーションだと。
例えば「分からないことが分からない、といったことが多いです。」というアンケート回答に対してこんなツイートを。
人に話を聞いてもらったり、白紙に思い浮かぶことをダダダッと書いていくのもアリかと。ぐるぐる回っている思考は、自分の外に出すと、次第に客観的に見られるようになりますんでね。
— 小鳥遊 (@nasiken) 2018年9月13日
また、ご自身のお子様の勉強について、複数の科目に対処するのが難しくて大変そうだというアンケート回答に対してはこんなツイート。
タスク管理で感じるのは「落ち着いて計画」「がむしゃらに実行」のギャップのメリット。
— 小鳥遊 (@nasiken) 2018年9月15日
まずは落ち着いて締切までの「仮」計画を立てる(「本」計画を立てようとすると気負ってテンパる)。
計画立てたらがむしゃらに実行!
課題に取り組むときの静と動をキッチリ分けると、上手くいくかもです。
思い立つのが遅かったのでまだ全員分には程遠いのですが、必ず最後までやります。
むしろ2年間もアンケートをいただいてきて、そんなことも気が付かなかったのか?とお叱りを受けそうですね。はい、まったく気が付いておりませんでした!すみませんでした!
最後に
今回もまたたくさんの方々にお越しいただくことができました。主催者であるF太さんと私の考えに共感いただけているものと思っております。
これからも続けていきたいと考えておりますので、なにとぞよろしくお願いいたします。
本日開催!第27回「自分は要領が良くない、と思い込んでいる人のための仕事術」
本日開催いたします。
告知期間がそう長くなかったにもかかわらずたくさんのお申し込みをいただきました。ありがとうございました。おかげさまで満席で当日を迎えます。
灯台もと暮らしの取材
ウェブメディア「灯台もと暮らし」で先日公開されたこちらの記事の取材を受けていて、自分にとってこのイベントの活動は何なのかと改めて考えることができました。
とにかく、私の活動の原点であることには間違いありません。このイベントにお越しいただく方々のために情報を発信しております。自分は誰に対して自分の経験やタスク管理を実践して得たことを伝えるべきなのか、改めて認識することができました。
ツールの位置付けが明確になった
さらに、自作のエクセルタスク管理ツールや、エクセルのをクラウド化して社会福祉法人SHIPから公開しているタスクペディアは、上記の対象者の方々にとってどんな位置付けになるべきなのだろうか、ということもずっと考えた続けてきました。
ご自身もADHDであるからこそわかる「生きづらさ」を解消するため、小鳥遊さん(@nasiken )が中心となり開発した、タスク管理しながらその技術をトレーニングできるツール「タスクペディア」。より多くの方に届けるための、開発費用の支援を募っております。https://t.co/DZTF3QscV6
— F太 (@fta7) September 9, 2018
タスク管理をしながら生きづらさを解消する技術をトレーニングできるツールという表現がとてもピッタリきました。本日お越しいただく方々も、そのようにお使いいただければと思います(もちろん、私が現役で使っているツールですので、通常の使用にももちろん使えます!)。
最後に
今回もまた懇親会を行います。よろしければ、個人的なお話やご相談などもしていただければ、ありがたくお話をさせていただきます。なにせ色々としくじってきているもので、その方面の共感力には定評があります(笑) よろしければ是非。
間に合わせる技術。
間に合わせる技術にふくまれるか関連する。
— 小鳥遊@9/16イベント (@nasiken) 2018年9月12日
間に合わせる技術は、
・やるべき仕事の目的を言語化して書き出す
・手順も書き出す
・すべてに締切日を入れる
・定期的に見直す
ことによって習得に一歩近づく。
間に合わせる仕事術
タスク管理をあらわす言葉はいくつかあります。このツイートで書いた「間に合わせる技術」というのは、わりと的を射ているなぁと。
もちろん、間に合わせることを最終目的とするとタスク管理は破たんします。1日に100の量のタスクが処理の限界なのに、10,000の量をドサッと背負い込まされたら、これはもうタスク管理うんぬんの話にしない方がいいですよね。
ただ、仕事がうまくいかなくてどうしようもない!と困っている人にとっては、とにかく仕事を締切までに間に合わせる、ただそれだけが必要なんです。少なくとも私はそれが欲しかった。
最終的には「水のように澄みきったこころ」のため
こちらの記事で私は、タスク管理は自己肯定感を得られるという内容を語っています。タスク管理に習熟して仕事が落ち着いてこなせるようになると、間に合わせるのは手段であることが分かってきます。
タスク管理を実践する
↓
仕事が締切に間に合うようになる
↓
こころに余裕ができる(これが目的!)
私の推しタスク管理手法”GTD"では、こころに余裕ができた状態を「水のように澄みきったこころ」といっています。その状態は、私の経験では「学生時代の定期テストのすべてが終わった瞬間の解放感」と感じています。
仕事がうまくいかず悩んでいたときの自分に説明したら、きっと飛びつくことでしょう。いや、もしかしたら「なんか怪しいこと言うオッサンがおる……」と眉をしかめたかもしれませんね。
最後に
その解放感を得るための方法論”GTD"は、単なる仕事を効率よくこなすための技術にとどまりません。処理のフローを定義したり、そのためのツールが多数開発されたりと、とても実務的なノウハウがつまっています。しかしその本質はむしろメンタルな部分に作用するものだと実感しています。
冒頭のツイートでは実務的な側面しか書いていませんが、同時に自分の内奥にも変化をおよぼします。抽象的なアプローチでないのに、心理的な作用がある。私がGTDにしびれているのは、こんなことが原因の1つなのかもしれません。
「ミスを繰り返す」「自信を失う」の循環から脱却するには。
こんなツイートをしました。
ミスの原因が忘れだったら書き出す、つめの甘さだったら手順をこまかくきざんで確認しながら進める。
— 小鳥遊@9/16イベント (@nasiken) 2018年9月12日
必要なのは、弱みをなくすことじゃなくて、対策をたてること。自信はそのあとについてきます。
「ミスしたくない」はミスしてしまう
マーフィーの法則が流行ったのは20年以上前でしょうか。「失敗する可能性のあるものは、失敗する」という基本法則から大喜利のようにたくさんの法則が派生していました。
ミスしたくないという願いは、裏返せばミスしてしまうかもという不安です。そして、その不安は、的中する確率が高いから不安なわけです。
つまり、「〜〜したくない」と気にすれば気にするほど「〜〜」をしてしまう可能性が高くなる、と言えるのではないでしょうか。
ミスする自分をいったん受け入れてみる
ここで考え方を変えてみます。ミスしてもいいようにするととりあえず考えてみます。生きるか死ぬかの判断をいつも迫られていることはないと思いますので、自分はミスする習性のある動物か何かだと思い込むようにします。
自分は必ずミスする。いくら頑張っても、ミスなく完璧にこなすことなんてほぼ無理。自己否定に聞こえますでしょうか。私は、究極の自己肯定だと感じます。ミスしない自分を否定するのではなく、ミスする自分をいったん肯定します。無理矢理そう思い込もうとするだけでもいいと思います。
ミスする自分を肯定してこそ対策が打てる
ミスする自分を肯定すると、対策が打てます。ツイートに対策として書いたのはタスク管理のエッセンスです。私としては是非お勧めしたいので。
対策を打って結果が少しでも出れば、それを記録していくと良いです。その記録が増えれば増えるほど「自分の成功の歴史」が増えていくので自信が増します。自身はそのあとについてくると書いた理由は、成功の歴史が積み重なっていくからです。
最後に
この流れに乗るには、ミスする自分をいったん受け入れられるかどうかが鍵となります。私は2度休職に追い込まれないとできませんでした。難しいことですが、考え方次第でできるんじゃないかと今は思っています。
流れにのったら、とても気分が楽になりますので、是非!
自分を変えるより、環境を変える。
こんなツイートをしました。
集中できる環境は、
— 小鳥遊@9/16イベント (@nasiken) 2018年9月10日
・やるべきことはここに全部ある
・その中から「今やるべきこれ」を選べる
・「今やるべきこれ」以外が気にならなくなる
この3つが揃ったら整う。
自分を変えようとしないで
こんなときに一番避けたいのは、自分を変えようとすること。かならず「集中できない自分は、ダメなんだ……」と考えます。
考えたら、自分の集中力はコントロールできないことの方が多いですよね。ちょっと気になるものが目に入ったら、すぐ前で話している人の内容が入ってこなかったり。
集中できる自分にならなければ!と思って自分を変えようとしても、なかなか身を結ばないのでは、と思います。
どんな環境を作ればいいのか?
自分ではなく、環境を変えて集中できるようにする。この「集中できる環境」とは何か。ツイートで示した3つのうち、3番目が特に重要だと考えています。むしろ、3のために1と2があると考えてもいいです。3はそのまま集中できる環境の言い換えのようなものです。
気が散らないように、つまり他に目移りしないようにするために一番効果的な方法は対象を1つに絞ることです。しかし、私たちの身の回りには物や情報にあふれているので、目に入る範囲からなくすのは不可能です。
それなら「これ以外は見なくていい」と自分を信じこませるしかありません。ツールを使って、次の2つを信じ込ませます。
- ここ(ツール)以外に気にするべきタスクは何もない
- これはやるべき価値のあるタスクだ
タスク管理手法"GTD"のフローに当てはめると、1つ目は「把握」、2つ目は「見極め」が関係します。
GTDによって集中できる環境を作り出し、自分に信じ込ませます。ここまで整ったら、なるべく気が散ることなく仕事を進められるようになるのではないでしょうか。
最後に
集中できないなら、自分を変えるより環境を変える。これは努力を否定するものではありません。ただ、努力する時間を費やす対象は考えた方が良いと思います。少なくとも、集中できるよう努力するより他にやった方がいいことがあるはずだと考えています。