手順書作りは、マインドフルネスを実践する作法でもあった。
こんなツイートをしました。
急がば回れとはよく言ったもの。
— 小鳥遊@発達障害を「仕事のすすめかた」でカバーしてはたらく会社員 (@nasiken) 2020年12月27日
衝動性が強い私は、自分でも遅いと思うくらい一つ一つの手順を意識しながら進めると、スムーズに事が運びやすいと感じます。
何より、天敵である「焦り」を抑えることができるのがいいですね。
一つ一つの手順を意識する
— 小鳥遊@発達障害を「仕事のすすめかた」でカバーしてはたらく会社員 (@nasiken) 2020年12月27日
↓
「今これをやっていいんだ」
↓
今ここに集中できる!
焦りを抑えて、マインドフルネスの境地に達する。そんなこともできると思ってます。
「丁寧に仕事をする」とは?
発達障害の特性はいろいろな形で現れます。私は不注意の傾向が強いですが、衝動的に動いてしまう傾向も少なからず持っています。
そんな私は、とにかく速くやりたくて途中の手順を抜かしてしまいたがるのてす。その結果間違ってしまったり、間違うまでではなくてもかえって面倒くさいことになったりします。
例えば、書類のファイリングですね。「後でいいや」と思ってファイリングをサボっていると、いつのまにかファイリングしなければいけない書類の山、山、山。後になって、「じゃあファイル見せて」となって青くなったり。
「仕事は丁寧に」とはよく聞きます。その実はゆっくりのんびりすることではなく、「手順を飛ばさず、確実に」のことなんですね。
手順書作りは、マインドフルネス
そしてさらに、手順一つ一つを確実にこなそうとすると、自然とその手順の行動に集中するようになります。先のファイリングの例で言えば、後に控えている他の仕事のことに気をとらわれることなく、「書類を入れるファイルを探す」「ファイルを取り出す」「ファイルを開ける」「書類をファイリングする」「ファイルを閉じる」「ファイルを戻す」という行動それぞれが今自分がやっていて良い行動だと自信を持ちながら行動できるようになり、今の行動に集中できるようになります。
「今ここに集中」
これ、マインドフルネスの説明で必ずと言っていいほど出てくるフレーズです。手順を意識するとマインドフルネスが実践できるということになりますまいか。
手順を書き出してその通りやっていく、こちらの本でご紹介している手順書作りは、実は知らずマインドフルネスを実践する作法でもあったわけです!すごいー!(拍手)
……毎度宣伝してしまい、すみません。
しっかり手順を踏むことの恩恵
ところで、このマインドフルネスを呼び込む手順書作りのお陰で、自分の悪い思考癖「すぐに焦る」をかなり抑えることに成功できています。
焦りは禁物と言いますが、私にとって焦りは「ミスのコンボを誘発する着火点」です。「手順を省略する」「ミス①発生」「焦る」(シュボッ←着火した音)「もっと手順をおざなりにする」「ミス②発生」「もっと焦る」……の繰り返しです。
逆に言うと、省略せずに手順を確実に一つ一つやっていくとミスのコンボを元から断つことができるのです。これ、凄くないですか。
ということで、手順に集中してマインドフルネスの境地に達して、ついでに焦らない自分になってしまおう!というお話でした。
オンラインカフェ「しくじり」の嬉しい感想!
先週末、こちらのオンラインイベントを開催しました。
@cakes 連載がイベントを開催!
— 小鳥遊@「要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」発売中! (@nasiken) 2020年9月27日
抜け漏れ、先延ばしなどでしくじってきた小鳥遊 @nasiken りんだ@shabelinda31 が、「やり方」で解決するヒントをお伝えします。
休日の午後、コーヒー片手にご参加くださいませ!
お申込はこちらから→https://t.co/eIMieX4q1O
【10/17(土)14時~ 4,000円】 pic.twitter.com/m9O9c2laEr
ご参加いただいた参加者の皆さま、ありがとうございました。嬉しい感想をいただきました。
ありのままに悩みをそのままぶつけてしまいましたが、小鳥遊さん、りんださんに温かく受け止めていただいて、安心しました。ありがとうございました。実践につながるアドバイスをたくさんいただきましたので、早速仕事に活かしたいと思います。
タスクペディア実演を見て、ツール導入の煩わしさや不安が大きく減り、一歩を踏み出せた。
個人の悩み解消だけでなく、他の方の悩みとりんださん小鳥遊さんのコンサルを客観的に聞くことで、自身との考え方の差が明らかになり、具体的に前進できた
不安を無くすことを一つの目標として、常次レビューを実践します。また、脊髄反射で仕事をしないこと、意識的に行動をゆっくりすること、スーパーマンを諦めて出来ることからやること、いきなり100点を目指すので無く50点から55点を目指すこと、などが非常に参考になり実践していきたいと思いました。
早速、夕べから頭に雑多なことが浮かんだら 片っ端から付箋に記入しています。
また、「焦っている時こそ、ゆっくり丁寧に行動する」は 前は無意識にやっていたのに忘れていました。 「焦ること」が結局一番よくないんですよね・・・
今後ご自身で血肉としていっていただければと願ってやみません。
さらにありがたいことに、またの開催をとのご要望もいただきましたので、いただいた事後アンケートを参考にしつつ、リニューアルやマイナーチェンジをしながらまたやっていきたいと思います。
個人的に私が、チームタスクペディアが開催するイベントならではだと思ったのが、参加者さまからお題をいただきタスクペディアに入力するデモンストレーションをしたこと。ご本人が思っている以上に、タスクを構造的に提示し、より明晰に理解していただけました。
これは個人の方からの相談でも十分に喜んでいただける可能性を感じました。近いうちやってみたいですね。
それでは、また遠くないうちにやってみたいと思いますので、興味ある方はぜひぜひお申し込みくださいませ!
「入力して完了する」から「入力すれば完了する」へ
このツイートについて考えてみました。
TaskChute Cloudを使いこなす鍵は信頼関係なんだよな。
— jMatsuzakiのプライベート🇩🇪 (@jmatsuzakip) 2020年10月11日
「TaskChute Cloudに書かれてるからやる」と思えるレベルまで少しずつツールと信頼関係を育んでいく。
一度信頼関係が構築されると、ここまで強力なツールは無い。
結局のところ、タスク管理がうまくいくかどうかはツールへの信頼が大いに影響していると思います。
以前、こんなことを書きました。
私は、タスク管理ツールを見れば自分のやるべき仕事がすべて書いてある状態がとても心地良く感じます。安心感があります。ツールを見ていれば間違いないという感覚です。
これが、ツールを信頼するということなんじゃないかと。
冒頭のツイートで、ツイート主のjMatsuzakiさんは、私が書いた「自分のやるべき仕事が全て書いてある」ではなく、「書かれているからやる」という安心感というか後押し感をTaskChute Cloudに持っています。私もタスクペディアに同じ感覚を持っているなぁと思いました。
この信頼関係は一朝一夕にできるようなものではない……などと言うと、タスク管理ツールを広めている者としては少しよろしくない気がします。しかし、私の偽らざる実感です。
最初のうちは、ツールに入力しても、ただ単にスマホやPCにパチパチ文字が表示されたにすぎないのです。
それが、入力しては実行して完了し、また入力して実行しては完了するのを繰り返していくと、いつのまにか「入力すれば完了する」という感覚になってくる。そんな感覚が私にはあります。
こうなったら最強です。ツールに書きさえすれば、仕事が勝手に進んでいくのですから!(「勝手に」はちと言いすぎか)
【告知】
10月17日(土)の午後にグループコンサルティングをやります。cakesというウェブメディアで連載をご一緒しているりんださんとの共催です。よろしければ、ご参加ください。
「幸福論」はタスク管理に通ず
突然ですが、
幸福かどうかは「行動」しているかどうかだ
という話がアランという人の幸福論という本にありました。
ここでいう「行動」は、他から強制されない、自分の意志で動くことだと考えてください。
例えば「90分間ひたすら球を蹴り続けなさい。常にそれを奪ってくる人がくるが、必ず奪い返しなさい」と強制されたら、「なんでそんなことしなきゃいけないんだ」と思いますよね。
サッカーであることが自明なので、楽しいゲームだときっと想像がつくと思いますが・・・。
同じ動作でも、自分から進んでやることと、他人から強制されてやることでは、満足感が段違いです。前者は幸福なのだそうです。
そこで「仕事」の登場です。みなさん、雇われ人であれば、「あれやって」「これやって」と常に言われ続けるわけです。これって、アランの定義によると「幸福じゃない」。
それでも、ひと仕事やり終えた充実感などから幸せを感じることはあるでしょうが、おそらく「行動」できればそれ以上の幸福感に包まれるはず、ということになりますまいか。
ここで、「行動」の解像度を上げてみます。
私なりに頭をひねると、およそこのとおり。
自分で決めて、そのとおりに動く
ちょっとフワッとしているので、もう少し言葉を追加します。
その仕事の目的と、目的を達成する手順を自分で決めて、その通りに動く
これはもうタスク管理じゃないですか!GTDの第2ステップ「見極め」そのものですよね?
#よね?とは
一番の幸福は、自分の中に自然と湧き上がる欲求や使命感にしたがって動くことだと思います。音楽がしたい、絵を描きたい、恵まれない子供たちに必要な物資を届けたい、等々…。しかし、それで食っていくには、いろいろと大変です。
そこで、100%とまではいかなくても、50〜60%くらいは「自分が決めて、そのとおりに動く」状況を作り出すとよいのかなと思います。
仕事でタスク管理をすると、これが実現できます。経験が浅いうちは、仕事の目的も手順も上司や先輩に言われたとおりするので自分の意志が入る余地はありません。しかし、ある程度任されてくると、手順を自分なりに工夫するようになり、新たに仕事の目的を定義して___つまり、自分で仕事を作り出して___それらを実行していくようになります。これこそアランのいう「行動」ではないかと思うのです。
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【イベント】オンラインカフェ「しくじり」へようこそ!│タスク管理大全
個人のパフォーマンスを高めるのは、何よりも「集中」
重要なことに対して「阻害要因」をすべて、環境から取り除いた状態で仕事ができれば、成果が出るのは当然だ。
そう言う意味で、個人レベルですぐに効果がありそうなのは、環境をコントロールして、仕事を「シングルタスク化する」ことだ。
気の散るものを遠ざけ、割り込みを拒否し、一度に一つのことをとことん集中して行うのが、仕事における環境づくりの基本である。
記事の中でも引用されていますが、元ネタは「マネジメント」で有名なピーター・ドラッカーです。
環境をコントロールして「シングルタスク化」するとは、タスク管理以外の何物でもないな、というのが記事を読んでの私の感想です。ここらへんなど特に。
朝一番に今日のスケジュールを設定し、スケジュールに載っている仕事のみやる。
絶対に他のことをしない。
どうしても緊急でやらなければならない仕事は、スケジュールに入れてから始める。
スケジュールに載せられないものはどうせできない。だから、それ以外のことは、一切手を付けず、一切気にしない。
どうしても緊急でやらなければならない仕事は、スケジュールに入れてから始める。
大事なフレーズなので、大きく書き出しました。
ここでいう「スケジュール」は、タスク管理ツールと読み替えると良いです。
とにかく、あらかじめ決められた予定(それが1分前であっても!)のとおりに動いているという実感が大事なんですね。それは、予定から目をそらさない自分を作り出すためです。
予定外の行動を自分に許可してしまうと、とたんにわき道にそれだすのです。特に私はその傾向が強く、ツールに書いてあったとしても、いや、ツールに書いたそばから、ツールに書いていないタスクを実行しだすのです。こちらをお読みのあなたも、そんな経験ないですか?
だったら意味ないじゃん...と開き直るのもありですが、私はあくまでタスク管理の基本に忠実でありたいのです。つまり、度重なる道草食いをしながらも、できるだけ本道からは外れないで進みたい。このおかげで自分なりに納得いく形で仕事を進めることができているのです。
「どうしても緊急でやらなければならない仕事は、スケジュールに入れてから始める」
これは自分にとって最も大事なことのうちの1つで、同時に自分が最も解決すべき課題です。
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10月17日(土)の午後にグループコンサルティングをやります。cakesというウェブメディアで連載をご一緒しているりんださんとの共催です。よろしければ、ご参加ください。
タスクペディアはタスク管理「習得支援」ツールです!
「タスクペディア」というタスク管理習得支援ツールを、友人のプログラマーと共に作りました。
このツールは、私の仕事の悩みを解消したものであり、
仕事がうまくいく秘訣「タスク管理」の基本動作をおさえることができるトレーニングツールでもあります。
また、このタスクペディアを通して仕事の悩みに寄り添い、「タスク管理大全」というサイトを運営したり、講演をしたり、コンサルティングなどの活動を展開するチーム・タスクペディアの象徴でもあります。
task-management-compilation.com
さらには、タスクペディアの提供元になっていただいている社会福祉法人SHIP主催で、定期的にタスクペディア・スタートアップ講座も開催されています。
https://m.youtube.com/watch?v=2TrUueYqvyE
あまり強調するといやらしくなってしまうのですが、タスクペディア、タスク管理大全内のテキストや動画コンテンツ、スタートアップ講座は、驚くべきことにいずれも無料提供されているのです。
興味をお持ちの方は、ぜひ使い倒していただきたいなと思っとります。はい。
そもそもは、タスクペディアを使って公開するときに、どういう形(課金形態)で提供しようかと相談をしている場での「無料で提供しよう!」というひらめきでした。
「タスクペディアを使って欲しい人」が、「仕事で悩んでいる人」であるため、そこからお金を取っちゃうのはいかがなものかという考えによるものです。
まずは、タスク管理を習得してもらう。その支援を全力で行う。全力とは何か。タスク管理習得の壁をできるだけなくすこと。どんな人でもタスク管理を学べる機会を作ること。つまり、無料。
ということになります。
巷(ちまた)ではマネタイズポイントをズラすという手法があるそうです。
マクドナルドでは、ハンバーガーは原価ギリギリで、コーラやポテトで利益を出しているそうです。
また、音楽アーティストのライブでは、音楽データやCD、ライブチケットではなく、ライブで売られるグッズで大きな収益をあげているのだそうです。さしづめ、矢沢永吉は日本一カッコいいタオル屋さんということになります。
われわれ、チーム・タスクペディアも、少しずつ収益活動をしております。
りんださんの「ほじょりんだ」
task-management-compilation.com
さがっとさんの「タスク管理コンサルタント」
task-management-compilation.com
私も、書籍を出版をしました。
タスク管理を始めつつあり、少しずつ仕事の悩みにも立ち向かえるようになった方々のためには、こういった有料サービスを提供していければと思います。
この有料サービスは、巡り巡ってまだタスク管理を始められていない方々への一助、つまりペイ・フォワードになるのではないかと、私は考えています。
【告知】
10月17日(土)の午後にグループコンサルティングをやります。cakesというウェブメディアで連載をご一緒しているりんださんとの共催です。よろしければ、ご参加ください。
忙しさの原因は自分。その2つの対策。
「なんだか忙しい」と思うとき、その忙しさの原因は自分にあるときが割とあります。
「あの人から『なる早で』と依頼されたから、すぐにやらなきゃいけない」といった自分の思い込みで超スピードで終わらせても、自分が思うほど急ぎじゃなかったとか。
拙著「要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑」では、「なる早」と言われたら、自分なりのなる早でいいという話をしています。
自分で必要以上に締切を厳しく設定してしまい、自分の首を絞めているわけです。
そんなときに、自分に無理ないペースを取り戻すために自分なりのなる早で進められるようになるといいですね。
実は、「なる早」対策にはもう一つあります。「そのあとの展開を聞く」のです。
急ぎでお願いと言われて「はい!すぐにやります!」と引き受ける前に、「わかりました。この件はなんのために必要なんですか?」といったん質問します。
「3日後の会議に使いたいから」と言われれば、もしかしたら相手の「急ぎ」は2日程度かもしれません。「午後の会議に使いたいから」であれば、相手の「急ぎ」は数時間かもしれません。
「急ぎ……なら、数時間だろう!」と考えて仕上げて、3日後の会議にやっと自分の仕事が日の目をみる……なんて残念ですよね。この場合も、自分の中だけで締切を設定することで、よりキツい状況へ自分を追い込んでいます。
2番目の対策には、「実はやらなくていい」「指示とは違う成果物を出したほうがいい」という話になることもあります。相手の仕事に一歩踏み込むので、積極的な取り組み方に喜ばれることもあるかと(逆に「いいから言う通りにして」と言われることもあるかもしれませんが……)。
とはいうものの、仕事場での人間関係によっては、「自分なりのなる早」でいけなかったり、「それ、なんのためにするんですか」と聞かなかったりするかもしれません。
ただ、ここはひとつ開き直って忖度せずにやってみてはいかがでしょうか。大多数の人が難しいと感じると思いますが、「支障なく・無理なく仕事を進めること」のほうがよっぽど大事なのですから。