タスク管理で不眠対策
バッハと不眠症
ゴルトベルク変奏曲というバッハが作った曲があります。不眠症に悩む貴族から依頼を受けて作曲されました。聴いているうちに眠くなるという謳い文句です。クラシック音楽へ「退屈だ」「眠くなる」という批判へのアンチテーゼのようなロック(?)な作品です。
不眠症の原因は1つではないでしょうが、私が経験した「なかなか眠れない体験」は、仕事の不安が襲ってきて神経が覚醒してしまうというものでした。何か気をそらすものがないかと、音楽やラジオを聴いたりしました。
ベッドの中の午前1時
午前1時にベッドの中にいるときに「そうだった……来週シンガポールに行くとジャニタに伝えるのを忘れないようにしないと!」といった考えが浮かんできてしまうのだ。
(デビッド・アレン「ストレスフリーの整理術 実践編」)
そして翌朝にはさっぱり忘れていたりします。シンガポールに着いてから「あ!ジャニタに伝えるのを忘れてた!」と気がつくことになります。それにしてもジャニタって誰ですかね。メアリーとかヘレンとかじゃないんですね。
タスク管理で元を断つ
GTDでは、気になることにどう対処するか腐心するよりも、気になることをなくせば良いという思想があります。背負い込んでいる気になることをおろしてまとめ、別のところに置いておこうという考え方です。
具体的には、例えば仕事ですが、やるべき仕事が発生したらその仕事の完了までの段取りを書き出します。進捗も全部記録します。途中で時間が来たらそこで終わりです。翌日はその続きをやれば良い。段取りをただ実行するだけなので不確定要素はとても少なく、不安に感じることはかなりなくなります。
その段取りは正しいの?
その書き出した段取りが不完全なものかもしれないと思うかもしれません。確かに、最初から正しい段取りを自分が分かっているとは限りません。ただ、その時点では自分にとって正しいと信じられれば良いのです。絶対的に正しい必要はなく、タスク管理ツールに段取りを書き出すことは、言わばおまじないの部類に入るかもしれません。
自分が正しいと思ったらそれを信頼してぐっすり寝ることにしましょう。そのためにツールをきちんと使うことはセットです。都度ツールを更新する煩雑さを乗り越えれば、快眠を手に入れやすくなります。