良い人ほど「考え」てはいけない理由
考え過ぎてしまう人
先日、まったく同じ話を別の人から2日連続で聞くということがありました。一言でいうと忖度し過ぎな傾向をどうすれば良いか。結論としては、考え過ぎなければ良いのですが、それがすぐにできれば苦労はしないですよね。
私も「もしかしたら相手のこの挙動は、怒っているのかもしれない」とか考えて何もできなくなるタイプです。良い人は、とにかく周囲の人がどう考えているかをすごく考えます。そして、その周囲の意図に沿わない行動を避けようとします。そうして考え過ぎると「何もできない」という状態に陥ってしまうのです。
毎日「事件」
私の経験ですが、とにかくそんな繊細なアンテナを持っていると、毎日が事件です。名刺の発注を早めにして欲しいと要望があったら「すわ一大事!」と焦ります。依頼主の要望に応えなければと思う余り、「僕が名刺作成会社に取りに行きます!」とか、トンチンカンな行動を起こしかねないくらいでした。さらに、怒られようものならもう半日は頭が真っ白になります。怒られる=期待に応えられなかった=自分はダメな人間である。よって、自分を責め続けるという仕組みです。
負の循環
そんな不安に苛まれる毎日だったわけですが、ちょうどこんなブログ記事を読みました。
この「不安」をどうなくすか、あるいはやり過ごすかが仕事をうまくやっていく鍵であるとのこと。非常に共感しました。ついつい考え過ぎて、不安を作り出している自分は、どうすれば何とかなるのだろうか。
考えない
こんな面倒くさい傾向を持っていた私が、GTDで「何も考えずにドンドン実行できる」ようになった、というと出来過ぎでしょうか。でも、私の認識では、タスク管理を始めたのと、考え過ぎないようになった時期が綺麗にシンクロしているのです。
GTDでいう「信頼のおけるシステムに預けて」手順に落とし込めば何も考えずに実行できるというのが「考えない」を実践できるようになった私の実感です。考えない。忖度しない。今話しかけるタイミングじゃないんじゃないか?とか考えずにズバッと「今、いいですか?」と切り出せる。
「考えて」しまうリスク
結局「考えて」しまうから余計な想像をして苦しむんですね。さらに、考えこんでいる時間分、自分を行動から遠ざけてしまっているから仕事が進まない。そんな状態に陥っているときに「そんなボケッとしていないでさっさと働く!」なんて注意されたら、さらに「ああ、なんて自分はダメなんだ…」と、無限ループで「考えて」しまうのです。
そういう「余計なこと」を考えずに「これをしさえすれば良い」の連続が、タスク管理で到達できる「仕事が進む」境地です。頭が良くなるわけでも、手が早くなるのでもない。
仕事で手を動かし始めたら、「考え」てはいけない。だからこそ、手を動かす前に十分「考え」て、「この仕事の目的は何か」「そのためには具体的な次の行動は何か」を考えなければならず、準備と実行を分ける必要がここにあるのです。