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「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

「レビュー」について誤解していた話。単なる「振り返り」とGTD特有の「見直し」の違い。

 GTDの開祖デビッド・アレンは、週次レビューというものを勧めています。「レビュー」については、私は過去にこのブログでこんな記事を書いています。

hochebirne.hatenablog.com

 

GTDにおける「レビュー」という言葉について、もう一度考えたいと思います。というのも、GTD含むタスク管理界隈では「レビュー」というこの言葉の意味が分かりにくくなってきたからです。

 

GTDのフローとしての「レビュー」

そもそも、GTDが定める5つのフローの1つとして現状にツールの情報を反映させるフローを「見直し(レビュー)」とデビッド・アレンは名付けていました。タスクをツールに書き出し、行動したらその結果をツールに反映させます。1日にはたくさんの行動をしますので、「見直し(レビュー)」は日に何度も行う必要があります。

 

「週次レビュー」という言葉

同時に、デビッド・アレンは週次レビューという言葉を「週に1回程度、自分のタスクを見直そう」という文脈で使い始めます。ここで私は「え?レビュー(見直し)って日に何度もするものじゃないの?」と混乱しました。

 

デビッド・アレンは間違っている?

混乱した結果、まず私が出した結論は「デビッド・アレンは間違っている」というものでした。日々の行動をツールに反映させるのを1週間に1回しかしないのは、どう考えてもタスク管理が破綻するからです。

 

しかし、デビッド・アレンも「見直し」は日に何度もする必要はあると思っていることが、以下の引用から分かります。

たとえば、今日やるべきことを、どうすれば考えないようにできるだろうか。そのためには、日に何度かは、やらなくてはいけないことを片付けるために必要な行動をすべて検討し直す必要がある。また少なくとも1週間に1度は、すべてのプロジェクトとそれに伴う行動をくまなく再検討するべきである。

(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 仕事と人生をコントロールする52の法則」より)

※太字は小鳥遊による 

彼の著作を読み理解を深めていくにつれて、一言にレビューと言っても、「見直し」としてのレビューと「週次レビュー」と言うときのレビューは別物として考えるのが良いのではないかと考えるようになりました。

 

レビュー二分化説

デビッド・アレンが「レビュー」という言葉を使っているのは、以下の①〜④の行為です。

 

①人生の方向性の再検討

②生活や仕事でやるべきことの再検討

③すべてのプロジェクトとそれに伴う行動の再検討

④行動した結果と、やらなくてはいけないことを片付けるために必要な行動をすべて検討し直した結果のシステムへの反映

 

彼が「週次レビュー」という言葉を使うときは、③(稀に①②も)を想定しています。この場合「振り返り」と訳すと理解しやすいです。対して④はGTDのフローの1つ「見直し」の言い換えにあたります。

 

つまり、「振り返り」とするべき①②③と、「見直し」とするべき④をまとめてデビッド・アレンは「レビュー」と表現していると考えようということです。

 

レビューの頻度

レビューを「振り返り」と「見直し」に整理した上で、改めてその頻度を考えます。

 

人生や生活の振り返り(①②)としてのレビューは数ヶ月から1年に1回くらいで良いでしょう。GTDのフローとしての見直し(④)は日に何度も、極端な話常時することが必要です。

 

デビッド・アレンが「週次レビュー」と言う、プロジェクトとそれに伴う行動の振り返り(③)についてはどうでしょうか。私はこれは④に吸収されると考えています。日々タスクやプロジェクトに向き合っていれば、自然とそれらは然るべき形に整っていき、無駄は省かれるからです。したがって、週に1回時間をとって週次レビューをする習慣はありません。

 

GTDをする限りでは、その5つのフロー「収集」「処理」「整理」「実行」「見直し」ができさえすれば良いので、上記①②③はGTDに必須ではないわけです。私が③の週次レビューをしない理由はここにあると思われます。