ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

「具体的」を欲しがるようになろう

曖昧表現に逃げる
「副詞に逃げる」と言う方もいますが、「『きっちり』頑張ります!」とか「『しっかり』やり抜きます」といった曖昧な表現を使うこと、ありますよね。例えば、営業が業績を報告して、目標に到達していない場合に、どのように報告するか。「今月の目標は売上1億円ですが、現在その半分も達成しておりません。今月残りの1週間、最後まで望みを捨てず、石にかじりついてでも頑張って達成に向けて業務にまい進いたします」といった報告というか決意表明のようなもの、聞こえは良いかも知れませんが、結局は「現状半分も達成していない」という報告を超える内容は無いのです。

 

望みを捨てなかったり、石にかじりついたりすることが重要なのではなく、具体的にこういう戦略(方法・手順)を用いてこのような結果を出します、という報告が経営層としてはきっと欲しいはずなんですね。目標に向けて、何を具体的に行っていくのかが知りたい。「もっと具体的に!」と叫びたいところです。

「日時を決めてボブと話し合う」という項目があっても、実際にとるべき具体的な行動との間にはまだギャップがある。あなたは、それを実現するために具体的に何をすべきか__アシスタントにセッティングを任せるか、ボブにメールを送るか、直接電話するかを決めなければならない。(中略)「会って話したいというメールをボブに送る」という行動をきちんと決めることができてはじめて、あなたの脳は満足する。(中略)言い方を変えれば、この「次の物理的な行動を決める」というプロセスを怠ると、それはいつまでもあなたの頭にとどまりつづける、ということだ。
(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 実践編」より)

 

曖昧な目的のもたらす副作用
曖昧な目的は、何をすればよいのか分からないタスクとして頭の中にとどまりつづけます。脳内メモリがその分食われてしまいます。パソコンが重くなるのと同じことが、私たちにも起きるんですね。容量を食うデータがデンと居座っているパソコンは、動作が鈍いですし、時々落ちます。私たちも知らずそうなっているのが実情なのです。

 

そういったフリーズ直前状態の真っただ中にいるのか、それとも脱しているのか。それが分かる3つの問いがあると、タスク管理”GTD"の開祖デビッド・アレンは言っています。

・最初にやるべきことがぱっと思い浮かぶ
・その行動をやっている様子を想像できるか
・どこでそれが行われているかを想像できるか

この3つに明快に答えられなければ、思考プロセスは完了していない。
(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 実践編」より)

 

それでも「具体的に」と言い続けよう!
具体的で物理的な次の行動を決めるまでは、簡単に動き出してはいけないと思います。自分の頭の中で「それは具体的にはどういう行動か」と問い続ける必要があります。この問いは、しばしば相手がいる場で、相手に対していわなければいけない時があります。その場合、当の相手方は詰められているように感じるかもしれません。悪いことしてしまったな、と自分は思うかもしれません。でも、だからといって何をすれば良いのかわからないのに行動しだすことは仕事では特にご法度だと考えます。

 

副詞に逃げず、曖昧な表現にも逃げず、どんな小さなことでもいいから、具体的な次の行動を決めてから実行、を繰り返すのが良いと本当に毎日のように実感しています。