ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

書類を1か月あたためる男

ごめーん、1か月あたためちゃった!
自分が業務上のボールを持っている書類を1か月間あたためた人とミーティングをしました。開始早々、「いやーごめん、1か月オレがあたためちゃってさ」との話。その方の人徳か、まったく責める気は起きませんでした。

 

ミーティングの最中も何度となく中断して客先からかかってくる電話に対応。それを待つ私。電話が終わってから「ごめんね!じゃあ続きいこっか」と何事もなくミーティングは続きます。

 

程なくしてミーティングは終了。少し時間があったので聞いてみました。なぜ1か月間も書類をあたためて平気でいられるのか。いい意味で悪びれることなくいられるのか。こんなストレートな表現じゃないですけど。

 

自分だったら耐えられない
もし自分だったら、そんなことしたら部屋の隅っこで体育座りコース一直線です。頭が真っ白になって、思考停止してしまいます。数日はこの「やってしまった」事実をひきずり、著しくパフォーマンスは落ちるでしょう。そんなことが頻出したら、耐え切れずにそこを飛び出してしまうかもしれません。事実、そんな経緯で会社をドロップアウトした経験があります。

 

耐えられる力はつかない
最初は、そんな状況もいつしか耐えられるようになるだろうと思っていました。しかし、いっこうに耐久力はつきませんでした。もしかしたら、もうあと数年、失敗に失敗を繰り返したら、耐えられる力を持てたかもしれません。でもその前に私の精神が悲鳴をあげてしまい、おじゃんになりました。

 

そこから紆余曲折あり、「やっちまった!」をできるだけ重ねないようにすることで生き抜く術を身に付けました。それがタスク管理です。忘れてしまう特性があるのであれば「忘れてもいいようにフォロー体制を作る」が、タスク管理を運用している私なりの解です。しかし、「忘れることで起こる現実を受け入れる」という解もあったのです。

 

あたためつづける男の言葉
「どうして大丈夫なのか」と聞くと、「だってさ、そうなったらもうどうしようもないじゃん」という答え。忘れないよう、トチらないように気を付けるけど、そうなったらもうしょうがないって諦めるんだ、と。

 

忘れてしまったり、トチったりしたら「しまった!」と頭が真っ白になったりしないのか聞くと、「むしろ、今それが分かって良かったと思うようにしている」とのこと。確かに、何かあったらそれにクヨクヨせず素早く行動を起こすのは大事ですよね。

 

その方、タスク管理ができているかどうかというと、できていないのです。それでも、その方なりの方法で開き直って「水のようにすみきった心(タスク管理”GTD"の目指す心の境地)」を保っているのではないかと思いました。私は「それはスキル、才能ですよ」と言いました。その方は笑いながら「いや、褒められてる気がしないね」と返してくれました。そっすね、あはは!なんて言いながら、実にホンワカした気分になりました。

 

でもやっぱり自分は書類をあたためられない
ひるがえって、自分はその人のようになれるのかというと無理です。無い物ねだりですね。自分は自分なりのやり方があると思います。自分は、書類を1か月あたためずに心の平静を保つやり方が合っていると思っています。