個人コンサルサービスの幅を広げて、メンターサービスも始めました。
こんなツイートをしました。
【個人向けサポート「Pit In」のお知らせ】
— 小鳥遊@発達障害を「仕事のすすめかた」でカバーしてはたらく会社員 (@nasiken) 2021年1月2日
11月にスタートした「Pit In」、以下の2点でお役に立てることと思い、サービス内容を改定して再度告知します!
・タスク管理習得支援
・働く発達障害当事者(グレーゾーン)へのメンタリング
申込は #タスク管理大全 から!
↓https://t.co/aA7T5JsIJI pic.twitter.com/k4dw93rVHR
個人コンサルのサービス内容の幅を広げました
こちらのサービス「Pit In」は、昨年(2020年)11月に、タスク管理習得に向けてのコンサルティングサービスとして始めました。
個人向けタスク管理習得サポート「Pit In」始めます。
— 小鳥遊@発達障害を「仕事のすすめかた」でカバーしてはたらく会社員 (@nasiken) 2020年10月29日
タスク管理を始めてみた/みようとしたものの、やり方がわからずお悩みのあなたへ。#タスクペディア を使って、どのようにツールへ書き出せば良いか等をお伝えします!
申込は #タスク管理大全 のこのURLから!
↓https://t.co/aA7T5JsIJI https://t.co/SNngQZyrdn pic.twitter.com/t9lfYseKPy
これはこれで良かったのですが、下記のサービスが始まったのを受けて、「あ、こういうのもいいな」と思うようになり、「タスク管理習得支援」に加えて「働く発達障害当事者(グレーゾーン)へのメンタリング」までサービスの幅を広げました。
上記の「大人のADHD向けメンターサービス」に興味ある方は、ぜひアクセスしてお申し込みいただければと思います。発達障害の診断を受けたもののどうすればいいか見当もつかないときの私だったら、速攻で申し込んでいたと思います。
なぜサービスの幅を広げたのか
もうちょっと詳しく、なぜサービスの幅を広げたのかをお話しします。そもそも、私は週に1回、障害者就労移行支援事業所というところでプログラムの講師をしています。そこでは、仕事の進め方としてタスク管理を利用者様にお教えするというプログラムをしています。
ただ、1か月に1回「しくじり先輩&ガチトーーク」という内容のプログラムを実施しています。こちらは、タスク管理を教えるのではなく、午前中の「しくじり先輩」パートで私の半生を赤裸々にお伝えし、午後「ガチトーーク」パートで利用者様からの質疑応答を行うというものです。つまり、タスク管理はあまり関係なく、むしろ当事者が集まって「こんな悩みがあるんだけどどうしよう?」「それは、自分はこうしていますよ」みたいな、半分ピアサポート(同じような立場の人による支援)のような様相を呈しています。
ここでは、結構深い話題になるんですね。何も話題がないときのために、あらかじめ事業所のスタッフの方とテーマを決めておいたりするんですが、全然別のテーマで話が進むことが多々あります。講師として参加している立場上、私が質疑応答に答えたりするんですが、私は講師であるとともに当事者でもあります。ピアサポートに似たような構図になるんですね。
そんなことをコンサルでもできないかと思い、「働く発達障害当事者(グレーゾーン)へのメンタリング」という内容も付け加えて、サービスの幅を広げたのです。
粛々と募集いたします
ということで、ご利用される方を粛々と募集いたします。構えずに、お気軽にご利用いただければと思っています。私とて(発達障害)当事者ですし、上から目線で頭ごなしに「ああしろ」「こうしろ」ということはございませんので。
むしろ、「自分の経験ではこうでした」という形だったり、「なるほど、そうなんですねぇー。それって、こういうことですね」と壁打ち代わりになれるんじゃないかと思います。
もちろん、タスク管理のコンサルティングも承りますし、上記との併用も可能です。
どうぞよろしくお願いします。
とりあえず自分ボール持ちタスクがない「タスクの谷間」を可視化すると良い。
タスクの谷間
ときどき、タスクの谷間にスポッとはまるときがあります。「さしあたっては何もすることがない」という状態です。
そんなときがあるのか?とお思いかもしれません。あるんです。でも、目の前から一切のタスクがなくなるのではありません。
私にとってのタスクの谷間とは、タスク自体がなくなることではなく、
- 当方(自分)ボール持ちのタスクがない(≒他人ボール持ちのタスクのみ)
- 当方ボール持ちのタスクがあったとしても、それは今日着手しなくても大丈夫だと納得している
このどちらかです。ほとんどの場合後者ですね。
なぜタスクの谷間ができるのか
小鳥遊さん、そんなに業務負荷がかかっていないからなのでは?とお思いかもしれませんが、人並みに忙しくさせてもらってますので、まずそれはないかなと。
もともと、タスクの谷間は誰にでも起こりえます。ただ、それを可視化しているかどうかの違いでしかないと思います。どうやって可視化をしているか。それは、私が原作したタスクペディアならでは「当方」「先方」タグ機能です。
仮に100個のタスクを抱えていたとしても、それら全部自分が止めていることはほとんどないでしょう。
「あなたには今100個のタスクがあります」
「あなたが抱える100個のタスクのうち90個は他の人が進めてくれるのを待ってればいいですよ。対応しなきゃいけないのは10個だけですよ」
どちらが良いですか?
断然後者ですね。タスクペディアでいう「当方(ボール持ち)」「先方(ボール持ち)」が可視化されていると、画面いっぱいに表示されているおびただしいタスクの数々を見て、「うわー!いっぱいある!やだー!」と思考が回りだすのを防いでくれるのです。
この延長線上で、すべてのタスクが「先方」になれば、たくさんのタスクを抱えていても事実上フリー、つまりタスクの谷間にはまることができたということになります。
それでも油断はできない
幸運にもタスクの谷間にはまることができたとしても、当たり前ですがいつどのタスクのボールが飛んでくるか分かりません。そもそも、先方(他人)にボールがあるということは、いつかこちらへボールが返ってくるわけで、ゆったりたっぷりの~んびりとはできないのです。
例えば部下に指示をした上司の立場など想像していただければ分かると思いますが、他人へボールが行っても、結局は自分が最後のシュートを決めなければいけないときは、部下がボールを返してくれるのを「待つ」必要があります。
人によっては、その状態がストレスだ、自分のペースで進められる方が楽だという方もいらっしゃるかもしれません。たしかに、その通りかもしれません。油断はできない。
でも、やっぱりタスクの谷間には恵みがある
しかし、だからと言って当方/先方を可視化する価値がないとは言えません。少なくとも、「今!まさに今!やらねばならぬことがゼロである!」という状態は、ただ手を動かさなくていいという以上の精神的な余裕をもたらしてくれると私は感じます。
ちょっと冷たいかもしれませんが、やはり他人は他人なのです。自分が責任を負っている部下の作業待ちだったとしても、少なくとも仕事タスクのボールは自分から離れているのです。ここはひとつ、お手並み拝見とばかりにゆっくり待とうじゃありませんか。
そんな気持ちになれるキッカケをつくるのも、タスクの谷間かもしれません。
仕事のお悩み解決!オンライン相談会を、TaskChute生みの親の大橋悦夫さんと!
日本発タスク管理システム"TaskChute"生みの親である大橋悦夫さんのsubstack「シゴタノ!記録部」にゲスト出演させていただきました(しかも前後編2回にわたり!)
特別ゲストとして小鳥遊さん(@nasiken)さんをお招きし、大下千恵さん(@yawn_c)とともに、タスクシュートとタスクペディアについて鼎談しました。
— しごたの/大橋 悦夫 (@shigotano) 2021年1月5日
途中から「打ち合わせ」に切り替わり、思わぬ着地点に到達しました。
ぜひ最後までお聴きください!https://t.co/JZNXhwL70L#シゴタノラジオ
前編がこちら
後編はこちら
とても楽しく話させていただきました。聴き返して初っ端の感想は、
自分、しゃべるの遅っ!
でした(笑)
あれですね、頭の回転があまり早い方ではないので、それが如実にしゃべりのスピードに出ていますね。その分わかりやすいとも言えますが…。
私、ブログはスマホのみで更新しているのですが、スマホのフリック入力でもあまり違和感がないんですね。もちろん、パソコンで入力した方が早いんですが、考えながら書いて(打って)いると、普通の人なら感じるであろう「思考のスピードに入力が追いつかない!」ということがあまり起こらないんですね。
シゴタノ!記録部の内容に話を戻します。
後編からはほぼ公開打ち合わせになっておりまして、私的にとても感涙モノの展開となっております。どんな展開かは聴いてのお楽しみ。
で、そんなこんなで、このようなイベントをやることになりました。
相談会という性質上、何かのコンテンツを一方的に提供して終わりというものではありません。
タスク管理に興味ある方はもちろんのこと、仕事はどうにか続けられているけどなかなかうまくいかないという方にもぜひお勧めしたいです。
奇しくも、大橋さんも私も、個人的な困りごとを解決するためにエクセルをいじりツール化し、それが多くの人たちのタスク管理に組み込まれるようになった点で共通しています。そこには、自分の課題・悩みにぶちあたり、解決するというストーリーがあります。
そのストーリーは、もしかしたら他の人にも転用可能なものかもしれません。むしろ、転用できるようにお伝えしたいと思っています。
そして、これまた私にとって嬉しいことに、私がタスク管理に触れ始めたときにはじめて行ったタスク管理イベント「ライフハック@(アット)」の講師をされていた、タスク管理にも造詣の深い心理学ジャーナリスト・佐々木正悟さんも回答者として加わるとのこと!三者三様の話が聞けて、かなりお得感があるのではないかと思っています。
よろしければ、1月17日の14時にお会いしましょう!
長期休暇明けの仕事の乗り切り方
こんな動画をあげています。
こちらの動画に関連して思っていることを。
焦ってはいけない
長期休暇明けは、「長期休暇中も仕事をしている人」からのメールでメールボックスが大変なことになっていたりしませんか。ただ、私は、長期休暇中も仕事をしている人を揶揄するつもありはありません。必要に迫られたり、やりたくてしょうがない仕事だったりと、色々と事情があるだろうからです。
しかし、そのような人たちから、それなりのスピード感で仕事を進めるメールが来ていたりすると、ちょっと焦りませんか?私はだいぶ焦ります。「おお、この進捗スピードに対しては、こちらも急がないと!」と思ってしまいがちです。
でも、そこで焦ってはいけないなと自戒をすることが多いです。焦るといいことがありません。
焦るとどうなるか
焦ると、手あたり次第着手しまくるようになります。あるメールに返信しようと書き始めたら、他のメールが気になりそちらのことを考え、さらに休暇前から塩漬けにしている仕事のことを思い出してその作業に取り掛かり…...という具合です。
こうなった結果は、中途半端に着手されただけの仕事が山積みになるだけです。結局、それら一つ一つをまたやり直すことになりかねません。むしろ、「あれ、どこまでやったっけ?」と着手した痕跡をたどる必要があったりするので、余計に時間がかかったりします。
まずはツールに入力。そして、今日やることを書き出す。
まずは課された仕事タスクを全部タスク管理ツールに入力します。これは時間がかかっても丁寧にすべきだと私は思っています。いち早く着手したくなる気持ちを抑えて、まずはツールに入力、入力、入力。そして、今自分のやるべきことが出揃ったら、「何を優先して実行するか」を書き出します。この流れは非常に大事です。
決めた優先順位を書き出す手法ですが、私は最近ノートにシャーペンで書き出しています。それが終わったら、少し太い赤色のペンで「シャーッ」と取り消し線を引きます。この「シャーッ」が気持ちいいんですね。おすすめです。
とにかく「焦らない状況」を作ること
この一連の流れで大切なのは、とにかく「自分を焦らせない状況を作る」です。そのためには、まずは「どんな仕事がどれくらいあるのか」をまず集める。そして、それらについて、どの仕事をどれくらいその日のうちに着手するのか、できればその優先順位も決める。これを丁寧に行えば、焦る自分を抑えることができ、結果的に長期休暇明けに手堅く仕事を進めることができます。
動画もあわせてご覧いただければ幸いです。
と、偉そうに書いたり喋ったりしている私ですが、鼻歌まじりで余裕たっぷりに年明けを過ごしてるわけではないです。元来が仕事がなかなかうまくできないタイプなので、そんな私でもなんとかやっていけているという感じです。こちらをご覧の皆さま、一緒に頑張っていきましょう!
挫折せずにタスク管理を導入するための2つのポイント
タスク管理ツールは、最初は信頼できない他人
タスク管理ツールは、あたかもすべて信頼できる爺やのような顔をしています。ツールを提供する側は、「これができます」「あれもできます」と(当然ながら)言います。それは素晴らしいことです。ただ、だからといって、ツールを入手したその瞬間から、信頼できる爺やとして大活躍してくれるとは限らないなと思うのです。
いわば、入手したばかりのタスク管理ツールは、「たったいま会ったばかりの他人」でしかないのです。どこにどう入力してどう出力されるのか。自分はどこまで手をかけなければいけないのか。どんな安心感や効率化を与えてくれるのか。使ってみないと分からないことだらけです。
信頼関係を構築するには
そんな赤の他人と信頼関係を構築するにはどうしたらいいか。単純接触効果のようなもので、とにかく頻度高く使ってみるのが良いと思います。ツールに慣れる、といった感じでしょうか。
ある刺激に触れれば触れるほど,それを好きになっていく現象を単純接触効果といいます。
ただ触れているだけでは信頼感情は生まれません。そもそもツールはシステムでしかないので、信頼する/されるという間柄にはならないのです。こちらから一方的に信頼できるかが分かれ目となります。
自分がツールに対して信頼できるか。その信頼度を構築し上げていくにはどうしたらいいか。それは、「ツールに嘘をつかせない」ことが大事だと思います。ウェブツールであれ、メモ帳やノートであれ、「あ、このツールに書いてあることは現状と違っている」と思ったら、そこで信頼値は下がります。そこで、現状に合わせるためにツールの内容を現状に合わせます。これが一番タスク管理を導入する上で大変です。「面倒くさい」と思う自分に打ち克たねばならないからです。
ただ、ちょっと思い出してみてください。私たちが日常よく使うスケジュール管理ツールもそんな使い方をしているのではないでしょうか。しかも面倒くさがらずにキチンとメモしますね。自分の立てたスケジュール、誰かと会う約束をした日時。そういったことを書き込みます。皆、スケジュール帳に書き込むのが面倒だからスケジュールが守れないとか、スケジュール帳が悪いとか言いませんね。
タスク管理ツールに関しても、信頼関係を構築するまでの「高頻度の触れ合い」「ツールの内容を現状に合わせるための尽力」をしてみると、きっとタスク管理導入へ大きく踏み出すことができることと思います。
とはいえ、続かないものは続かない
とは言っても、「最初に出会ったタスク管理ツールと一生添い遂げなさい」と言われたら、それは違うと100人が100人言うでしょう。私もそう思います。そこで、大切なのは「直感」「感覚」ではないかと思います。「ビビビッときた」的なやつです。
そのためにも、ある程度の審美眼は磨いておかねばなりません。何で磨くか。それは、2つやり方があるのではないかと考えています。1つは、①とにかく自分で1からツールを作ろうとすること。
もう一つ。②基本だけを抑えたツールをまずは使いこなしてみて、その上で「こういった機能があれば」「こういうフローで情報を処理したい」と出てくるのを実現してくれるツールを探す(あるいは作る)という方法です。私がおすすめなのは、タスク管理メソッド”GTD”を実践するツールとして、ある程度評判の高いものです。チーム・タスクペディアでは、そういったツールをまとめた記事を作成していますので、ご参考までに。
task-management-compilation.com
私はタスクペディアを使っていますが、正直どのツールが合うかは人によります。まずは②のやり方で「GTDベースで」「ビビビッときたものを」とりあえず使ってみるというのが良いのではないかと思います。
長々と書いてきましたが、つまるところ、
- タスク管理の面倒くささはあきらめて引き受けよう
- まずはGTDベースのツールで気に入ったものを使い続けてみよう
ということでした。たった2行で済むことを1,600字以上かけてしまいすみません。
もし、嬉しいことにタスクペディアをお選びいただけるのであれば、関係者が全力でサポートします。社会福祉法人SHIP理事が自ら講師となる無料講座「タスクペディア・スタートアップ講座」に始まり、下記コンサルサービスをチーム・タスクペディア等がご用意していますので、よろしければご利用くださいませ!
(寄付型)クラウドファンディングへのご支援をお願いします。
「要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑を、必要としている人にお贈りするクラウドファンディングをしております。
「要領がよくないと思い込んでいる人」へ #仕事術図鑑 の本を贈る寄付型クラウドファンディング!
— 小鳥遊@発達障害を「仕事のすすめかた」でカバーしてはたらく会社員 (@nasiken) 2020年12月1日
社会福祉法人SHIP @swscship より発信!
応援よろしくお願いします!https://t.co/2qNot8C1iC pic.twitter.com/ZoVhQWzbCv
もともと、こんな記事を書いておりました。
仕事術図鑑で「手順書づくり」と説明している仕事の進め方(タスク管理)は、必要な人には「今」必要だと私は考えています。
(中略)
そして、その「必要な人」に本が届くためには、その本が書店やネットでその人の目にとまって選ばれる必要があり、お金を出してお買い上げいただく必要があります。つまり、出版社や著者は「待ち」の状態になるわけですね。
私は、発達障害の診断を受け、「ではそこからどう社会へ参画できるようになって働こうか」と思ったときに、頼るものがあまりありませんでした。それは、私がそういった状況にいた十数年前に、いわゆる社会資源(社会が福祉的に必要としている制度や施設、福祉サービス)が無かったことを意味しません。知らなかったのです。もっと正確にいうと、知れる環境にいなかったと言っていいと思います。
知れたのは、発達障害の診断をしてくれた診療所のデイケアとナイトケアというもの。これらは私にとっては不足感がありました。というのも、デイケアやナイトケアは、「日々の生活のリズムを取り戻すのに必要な訓練として、昼や夜に『集まって話す』『集まってご飯を食べる』もの」だったからです。
※その診療所におけるデイケアとナイトケアであって、一般的なものであるかどうかは分かりません。また、その当時の私の印象であって、参加されていた他の方も同じく思っていたかは分かりません。
私は複業で現在福祉の現場で週に1回働いています。だからか、私が就職活動を始めた十数年前の当時に比べれば、社会資源へのアクセスは容易になっていると感じます。それこそ、私が週一で働いている就労移行支援事業所というところで、就労に関するあらゆるトレーニングを積むことができますし、その存在は診療所やハローワークなど、障害者が就労したいと思ったときにアクセスするところに情報共有されています。
しかし、そういった就労移行支援事業所に通う利用者の方々にも、「仕事の進め方」はプログラムとして教えられていないことが多いようです。
また、そういった就労移行支援のサービスを受けることができない方々、つまり限りなく障害者に近いのにその旨の診断が受けられずに、「健常者」として仕事をやらねばならない方々には、ほぼ何も手当てがされないというのが実情ではないでしょうか。
そういった、福祉による救いの手からこぼれ落ちてしまっている層に対して、この「仕事術図鑑」は一定の効果があると考えています。
そんな人たちへの支援の一形態として、このクラウドファンデングがある。そうご理解いただき、寄付をしていただければと思っております。
物事を達成しやすくなるスキルの育て方
こんなツイートをしました。
「なるほど」を口癖にする…なるほど!
— 小鳥遊@発達障害を「仕事のすすめかた」でカバーしてはたらく会社員 (@nasiken) 2020年12月30日
私の開口一番の一言は「なるほど」「いい(です)ね」です。その方が話が広がったり建設的な展開になります。https://t.co/L8eMzuUyNl#Voicy
「なるほど」「いいね」の効能
この考え方はとても良いと思っています。手段にこだわらずに目的を達成しようとお互い自由に考えられるからです。
「なるほど」「いいね」ではなく否定から入ってしまうと、よくよく検討したら良い目的だったのに…という場合に後戻りできません。
端(はな)から否定せずに、その結論や目的について検討してみようという協力的な姿勢が、もしかしたらより良い結論や目的を生むかもしれません。
否定から入ると話はそこで終わってしまい何も生まない。否定しない「なるほど」「いいね」から入ると、話が進み、なんらかの成果につながりやすい。そう言えるのではないかと思います。
判決の考え方、実は「結論ありき」
裁判官の判決の考え方は、この方法を採っています。まずは直感的に結論を出します。そして、その結論にたどり着ける事実や推論が揃えられるかを考えるのです。揃えられなかったら、その結論は間違いです。
大事なのは、直感、つまり最初に出た結論をむげに否定しないことです。だから、裁判官の頭の中では、ひとまずの結論を出す自分に対して「なるほどね」「いいね」と言って話を展開させるのです。
裁判は期日までに必ず結論を下さなければなりません。「いろいろ考えたんだけど、分かりませんでした」という判決文なんて見たことないですよね(笑)
「結論ありき」思考スキル
そうなると、相手が言ってきたことに対して、その目的・結論を汲みとれるかが大前提となってきます。たとえば、「今日、会社の登記簿謄本取りにいけるかな?」と言われて、今日取りに行くのが難しかったとします。そこで「今日は無理」とだけ答えるのは簡単です。ここで「なんで必要なの?」と聞けるかどうかが、結論を知るスキルの有無を分けます。
そこで「明日までに都に提出しなきゃいけない助成金の申請書類の中に、登記簿謄本があるんだよね」と言われれば、目的は「明日までに都へ助成金申請書類を提出」だということが分かります。そこまで分かると、「だったら、明日の午前中なら取りに行けそうだけど、間に合う?」というやり取りができるようになります。
最終的に何をしたいのか。つまり、結論や目的は何かを意識することを習慣化すると、提示された手順はできなくても目的を達成する方法を考えることができます。これが「結論ありき思考スキル」です。
結論ありき思考スキルの育て方
このスキルは、まずとっかかりとして「なるほど」「いいね」と開口一番言えるようになるところから始まります。それができれば、その後に「この件の結論・目的は何だろうか」と常に考える癖をつけることができます。この癖が身につくと、結論ありき思考が勝手に育っていきます。
さらに言えば、結論・目的を毎度言語化、つまり書き出しておくようにしておけば、スキルは急速に成長します。
タスク管理メソッド"GTD"は、目的の明確化・言語化を必須としています。「なるほど」「いいね」の後に必要になる、結論・目的を意識するスキルがガンガンに育ちます。
こちらの拙著の中で紹介している「手順書作り」でもチャプター1の「タスクに名前を付ける」という箇所で実践できますので、よろしければご覧ください。
また、それも含めた一連のタスク管理の基本が習得できるツール「タスクペディア」なら、無料で使うことができますので、こちらもぜひ。