荷物は下ろすまでその重さは分からない
重い荷物を背負って歩く
重い荷物を背負って歩いていると、そのうちだんだん慣れていき、最終的にはもうそれが普通に感じてきます。しかし、いざ目的地について荷物を下ろすとびっくりするほど体が軽く感じられますよね。
それと同じことが、実はストレスでも起こるようなのです。
「ストレス?あまりないかな」
GTDの考案者デビッド・アレンの著書には、こんな一節があります。
私がコーチしてきた経営者たちの多くは、自分自身のストレスの程度を正しく自覚していない。「ストレス?あんまりないかな」という人たちに、自分が気になっていることを紙の上に書き出してもらうと、彼らは決まってこう言う。「すっかり気分が良くなったよ!」(気分が良くなったということはその前は?)。
(デビッド・アレン「ストレスフリーの仕事術 仕事と人生をコントロールする52の法則」)
タスク管理を必要無いと言い切る人
タスク管理が必要ないと言う人には、大きく分けて2種類いると思います。1つは、タスク管理が何だか難しそうだからやりたくないので「必要ない」と言う人。気持ちはすごく分かります。
もう1つは、「自分はタスク管理の必要性が無いくらいにストレス無く順調に仕事をこなせている」と言う人。本当にそういう人はいるかもしれません。結局、ストレスが無ければ良いのですが、得てして「重い荷物を背負っているときは、その荷物の重さを感じていないもの」なんですね。
荷物の重さを感じる機会を
私は、仕事をストレス無くこなせている実感もなく、かといってタスク管理などというものに頼ることまでは考えもつきませんでしたので、後者の劣化版でした。そんな私でも、荷物を背負っているときはその重さを実感することはありませんでした。いや、むしろ、重いと思ったとしても、「いや、重いはずはない」と自分をだましていたように思います。
この、「重くない」と自分をだまして頑張って背負っている人は割と多くいるんじゃないでしょうか。日常のちょっとした違和感、不安、疲れがそのアラートになります。今思えば、いくつもそのアラートが表れて自分の身体からSOSが発信されていたのに、なぜ気が付かなかったのかと考えることしきりです。
かすかなアラートであっても良いので「あれ?」と思ったら、試しに自分が気になっていること__ほぼそれは「仕事」であることが多いのですが__を紙の上とかデータで書き出すことをお勧めします。自分が頑張って背負っていた荷物の重さをそこで初めて実感できることと思います。