GTDの「プロジェクト」は、抜け漏れをなくす
先日、私が講師を務めるEXP立川で、利用者さんへGTDを教える講座を行いました。
EXP立川とは、社会福祉法人SHIPが運営する障害者就労移行支援事業所です。
※近いうちに、HPがイケてる感じに変わるそうです。
その日は、午前中が社会福祉法人の理事さん自ら森田療法をタスク管理と絡めて教える講座、午後に私のGTD講座という、利用者さんにとってヘビーな一日でした。
私の講座はGTDをメインテーマに据えるという眠さ爆発な内容のはずなのに、さらに午後で集中力も切れがちな時間だったのに、利用者の皆さんは最後までキチンと受講してくれたことにまず感謝の念と賛辞を送りたいと思います。ありがとう!ありがとう!(大拍手)
その講座のワーク中、GTDの「プロジェクト」の設定をすることで、より抜け漏れのない業務遂行を実感した瞬間がありました。
そもそも、GTDの「プロジェクト」とは
GTDの基本的な用語の説明をします。よくご存知の方は飛ばしていただいて構いません。GTDでいう「プロジェクト」とは、(シングル)タスクが複数必要なものを言います。
例えば、「寝室の掃除」は、「床のゴミをゴミ箱に入れる」「掃除機をかける」「ベッドを整える」「本棚の本を揃える」「ゴミ箱のゴミを捨てる」といった複数のタスクを行って初めて完了します。この「寝室の掃除」がプロジェクトで、ごみ箱に入れたり本を揃えたりすること等がタスクとお考え下さい。
講座中、抜け漏れ発生!
講座では、参加者全員で「これしたい」「あれしなきゃ」というモヤモヤを言ってもらいホワイトボードに書き出しました。これは、GTDの5つあるステップの1番目「把握」です。
把握したモヤモヤのうちの1つ、「土日を快適に過ごしたい」に、具体的な目的に言語化するというGTD第2ステップ「見極め」を行いました。すると、「友人と飲みに行く」というプロジェクトが出てきました。
「じゃあ、友達と飲みに行くためにはまずどうしますか?」
「友だちに電話をかけますね!」
「電話をかけてどうしますか?」
「日にちと時間と場所を決めますね!」
「それが決まったらどうします?」
「決めた飲み屋に行きますね!」
と、快調にタスクが出てきたところで、
「あ!私だったら、お店を予約します!」
という、別の利用者さんからの発言がありました。
私も、お店の予約のことはすっかり頭にありませんでした。
これはとても良いことで、実際に行動へ移す前にプロジェクトをタスクへ分解しておくと、「あ!これ忘れてた!」というタスクがでてくることがよくあるのです。図らずも、講座の中で抜け漏れ発生の決定的瞬間をみんなで体験することができました。
抜け漏れ対策の効果を実感
危うく予約せずに「こんちわ!」とお店に訪ねる予定を立ててしまうところでした。場所によってはそれでも良かったりするのでしょう。しかし、「予約が必要かどうか」という問いはあっても良いので、「予約!」と指摘した利用者さんはナイスタイミングでした。
つまり、次の一手(1タスク)を考えたり、プロジェクト完了までのタスクをざっと書き出したりする「手順について考える」時間を設けることで抜け漏れを防いだ、ということになります。
考えつかなかったらそれまでですし、逆に10人もの頭が集まったのだから一人くらい気が付くのは当たり前と思うかもしれません。これを自分一人の頭でやったと仮定してみてください。少なくとも手順がよく分からないうちに着手した後の雑音ばかりの頭の中で考えるよりは、手順に集中する余裕を持った方が「あ、そうそう、これやらなきゃね」と考えつく確率は高くなると思いませんか。
少なくとも、私は日々の仕事をやる中で「あ、そうそう、これやらなきゃね」は幾度となく経験してきました。そのために、GTDの「プロジェクト」を仕事を組み立てる上でフレームワークとして持っておくことは、とても大事だと考えています。