心理的安全性は誰が作るべき?
Googleの調査結果
Googleが行った、どんなチームが一番生産性が高いかの調査結果がどんなものだったかを知っている人は少なくないと思います。
心理的安全性が高いチームが、生産性も高かったという結果です。
心理的安全性とは、他者の反応に怯えたり羞恥心を感じることなく、自然体の自分を曝け出すことのできる環境や雰囲気のことです。
そんな会社があるのか。
そこいらにある会社ではなく、Googleに就職しなければシンリテキアンゼンセイとやらは得られないのではないか。
そんな風に思うかもしれません。
半分は当たりだと思います。残り半分は、もうちょっとやり方を考えてみる価値はあるのではないかと思います。
All-or-Nothingではない
心理的安全性を得るためには、本来の自分をさらけ出しても周囲の信頼を損なわないという保証が必要になります。そこで大部分の人は立ち止まります。
「本来の自分をさらけ出してしまったら、周囲から批判されないだろうか」
「自分の弱みを理由に他人を頼ってしまったら、負い目を感じてしまわないだろうか」
例えば、目が悪い人がいたとして、「目が悪いから5m以上離れたところは見えません」と言っていたとします。周囲は、「メガネかければいいのではないか?」と当然思いますね。メガネをかけたところで、その人は大きな負担になることなく、周囲にも迷惑をかけることもありません。
All-or-Nothingの考え方をすると、「目が悪いから見えない」とだけ考えて、見えない目で必死に見ようと無理な頑張りを余儀なくされます。その間にある「メガネをかける」という選択は頭に浮かびません。
この例で考えたら普通に「いや、メガネかけるでしょう」とツッコミを入れられますが、仕事をする上での自分の弱みについてはどうでしょうか。弱みを全開にするか、ひたすら隠して無理をするかのどちらかしかないと思い込んでいないでしょうか。
メガネをかけよう!
忘れっぽいなら、忘れてもいいように記録して常に参照できるようにしておく。
段取りよく物事を進めるのが苦手なら、時間をとって段取りを書き出し、そのとおりに進める。
マルチタスクを前にすると頭が真っ白になるなら、それぞれ細かい手順に分解して1つずつの手順を確実にこなしていくようにする。
自分の視力はそのままに、メガネをかけることで遠くが見えるようになるのと同じく、自分の弱みはそのままに、仕事の進め方を工夫することで仕事がきちんとこなせるようになる。
自分の弱みをクローズアップしてしまい周囲が見えなくなっている人は、そのように考えると、自分の可能性に希望が持てるのではないでしょうか。
心理的安全性はどこから?
「この職場に心理的安全性はありや?なしや?」と考えるのと同時に、メガネを自分でかけるように「自ら心理的安全性を作り出すことはできないか」ということも考えられれば良いなと思います。
先日「自分は要領が良くない、と思い込んでいる人のための仕事術」を開催した際、自分の弱みをそのままに、それをカバーできる方法を習得すればよい」という話に「その考えはなかった!」と感想をいただけたので、これは大事だと思い書きました。
最後に
周囲と良好な関係を築くための努力を、自分が全部背負い込むでもなく、周囲に全てを求めるでもなく、タスク管理という方法に助けてもらうという第3の選択肢があることは、是非知っていただきたいと思います。