「至急」の狼少年にならないために。
ずっと「急ぎで」「なる早で」「至急」と言い続けると、いずれ狼少年になってしまいます。
この記事を読みました。
「至急」を使うと
筆者の枌谷(そぎたに)さんは、冒頭にこう言っています。
端的にいうと、私は「至急」という言葉が好きではありません。
その理由として、枌谷さんなりの「至急」をこのように意味付けしています。
「自分の仕事の段取りの悪さを、 強い立場を利用して他人に解決させるズルい言葉、 人をダメにする言葉」
快哉を叫びたくなるようなストレートな表現だと感じました。
「至急」の影響
私に限って言えば、可哀想なくらい自分でコントロールできない至急な案件の相談を受けることはままありますが、なる早を連発すると、「……とか言って本当は急がなくても大丈夫なんでしょ?」と思いたくなります。
さらに、至急の連発による影響があると、枌谷さんは続けます。
「至急」を乱用するような仕事の仕方をしていると、 計画的に仕事をする力、交渉する力、説得する力、周囲を( 自然に)動かす力、自分の頭で考える力、 そのすべてが劣化していきます。
これは確かにそうで、何でもかんでも「至急」にしてしまうと、本人もその周囲もスケジュール感が一向に養われません。目につくもの手当たり次第に手をつけてしまうと、計画的に仕事をする力が失われていきます。
- どれを一番先にやるか。
- 今日中に終わらせるべきものはどれくらいあるのか。
- どれくらい明日以降に送れるのか。
- やらなくていい仕事はないのか。
このように自分の抱える仕事全体を俯瞰して判断する力が、「至急」を連発すると無くなっていくのです。
そうなると「あの人の言う『至急』は至急じゃないよね」と言われるようになり狼少年になってしまう、というわけです。
「至急」を「至急」にするために
至急と言ってその通り受け取ってもらうためには、次の3つが大事だと考えます。
- 多用しない
- (言う言わないにかかわらず)根拠を持つ
- 実際に素早く動き終わらせる
多用しない
多用しないと「至急」の価値が上がります。価値とは「希少性」の言い換えです。連発すれば希少性は下がり、あまり言わなければ逆に希少性は上がり、その人の発する「至急」の言葉の価値が上がります。
多用しないためには、本当に急がないといけないのかを判断できるようになる必要があります。「今は急ぐべき」「今はのんびりでいい」というスケジュール感が必須になります。完了までの流れをざっと書き出し(あるいは思い浮かべて)、残り日数と相談して判断します。
根拠を持つ
急ぐならその理由・根拠がないと、特に複数人で一緒の仕事をやっているときには、他人は急いでくれません。逆な、きちんとした根拠があれば、それを言わずとも察してくれて急いでくれたりします。
締切が近い、完了までにやらなければいけないことが増えた、といった事実を提示し、「このままだと間に合わない」と客観的に説明する必要があります。
実際に早く終わらせる
そして、本当に至急で終わらせるのが大事だと私は思います。「すぐやります」と宣言して早く終わらなかった場合、周囲からも、自分の中でも、至急の重みが軽くなってしまいます。有言実行であればあるほど、「至急」の価値・重みは増します。
このためには、至急案件以外はとりあえずやらなくていいという状況を作るのが大切です。
自分が止めている仕事・ボールを持っている仕事がない、あったとしても明日以降に先送ることができる。そういったことが分かっていれば、至急案件に専念でき有言実行できるようになります。
タスクの整理は「至急」の価値を高める
ここまで挙げてきた「多用しない」「根拠を持つ」「実際に早く終わらせる」を実現するためには、タスク管理によってタスクを整理しておくことが大変有用なことが分かります。
- 完了までの流れを書き出し残り日数と相談
- 「間に合わない」と客観的に説明
- 至急案件以外はやらなくていい状況を作る
「至急」の価値を高めて、狼少年にならないようにしたいものです。
蛇足ながら、これらをやれるようになるタスクの整理の方法としては、GTD®︎と、それをベースにしたタスク管理支援ツール「タスクペディア」は最適だと思っています。
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