ForGetting Things Done

「水のように澄みきった心」で頭空っぽに。

大仕事ができた理由を問われたら、ひたすら一緒に仕事をした人への賛辞になった話

先日もご紹介したこの鳥井弘文さんのツイートについて、新たに気が付いたことがありました。

先日、家で妻と、前々職で総務として働いていたときの昔話をしておりました。私ひとりで、プライバシーマーク(Pマーク:個人情報の取り扱いに一定のレベルがあると認証された会社が取得できるマーク)の取得、更新を行い、ほぼ並行してコンシューマーゲームを作る200名規模の部署のオフィス移転を行ったときのことを、懐かしいねぇと言いながら回想。

 

これ、経験した方には分かるんですが、なかなか大変なんです。

 

Pマークの取得や更新は、仕組みづくりから各部署の業務フローの把握、経営層の意識づけと、全社を巻き込まないとできないものです。

 

また、オフィスの移転は、物の移動や賃貸借契約の解約の時期、複数の工事の工程管理など、全てが段取り良く進められないとあっという間に費用が膨れ上がってしまいます。

 

タスク管理のタの字も知らず、単なるTODOリストを作っては失敗を繰り返していた私が、そんな大仕事をなぜできたのかという話に。

 

会話していて自然と出てきたこの問いかけに、さして考えることなく自然に出てきたのが、Pマーク運用コンサルタントの担当者さん、それとオフィス移転のプロジェクトマネジメントの担当者さんの名前でした。

 

この人たちと一緒にやれたからできたようなものだ、と彼らに対する賛辞がスルスルと淀みなく出てきました。餅は餅屋なので当然なのですが、自分の非力さを十分知っている私にとっては、よくぞこんな私を相手にやってくれた!という感想しかないわけです。

 

散々彼らを褒め終わってから、冒頭でご紹介したツイートのことを思い出しました。そして、以前に書いたこのエントリーを思い出しました。

hochebirne.hatenablog.com

そんな人たちからの「申し訳ありませんが、ちょっとこれ、急でやってくれませんか?」と仕事の依頼がきたら、「しょうがないですねぇ!」と言いながら、ちょっとどこかで嬉しがっている自分がいます。

もちろん、誰がパートナーになっても同じクオリティで遂行できるようにならないと__特に私が従事している管理部門の業務は__いけないのは分かっています。

 

しかし「この人とやりたい」「この人なら信頼できる」という関係性を重視して仕事をしていくことは、もしかしたらこれからの主流になるのではないかと感じています。肩書からその人そのものへ、関係性を築く信頼のよりどころが移動している、と言いますか。仕事の格や名誉などではなく、人本位で仕事をするという価値観。

 

よく考えると、これは怖いことだと気が付きました。逆に自分が信頼を得るためには得るなりの価値が自分にないといけないという、ある意味非常に厳しい競争に晒されるからです。

 

その競争で勝ち残っていくための基礎として、「求められる価値をきちんと提供できること」があります。

 

「求められる価値をきちんと提供する」を深堀りしていくと、「締切を守る」「目的を正確に把握する」「無駄な労力をかけない」「精神的に余裕を持つ」といった仕事の基本が現れるものだと考えています。そしてそれは、仕事の基本であると同時にタスク管理で身に付けられるものでもあります。

 

信用経済と言われる価値基準がこれからの社会の趨勢となるなら、人本位の仕事観に合う自分になるため、自分の価値を上げるのに全員血眼になるはずです。その第一歩として、タスク管理はもはや必須と言って良いのではないかと思うのです。